天界アイドル～ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら～

第九章 アンチ編

第25話‐2 デビュー曲売上発表とアポロンの怒り

「はあ～…何だか現実じゃないみたい…」
ヒュアキントスは呆然としながら呟いた。無理もないことだとは思うが。

「でも、10位以内に入る目標を達成できたぞ！やったーーーー！！！」
顔がにやけて止まらなくなっていた。

だが彼はこの時まだ知らなかったのだ。
この後鉄槌が下されることになろうとは……。



***

それから数日後のことだった。
ヒュアキントスはアポロンの会社に呼び出されていた。
リーダーである彼だけがメンバーの代表として呼ばれていた。


「やあ、来たか。まあ座りたまえ」
そう言って、彼は応接間に案内した。

何だかいつもと雰囲気が違うようだ。



「君達のデビュー曲、5位になったそうだね。おめでとう」
「ありがとうございます！！」
「素直に祝福したい所だが…君達のやり方は、少々目に余るものがあるな・・・」

一体どういうことなのだろう・・・？ すると、アポロンはこう続けたのだった。

「君達は、曲に特典をつけていたね。それも特典の方が目立ちかねないほどの。もちろんそれは禁止されてもなく、成果が出ているのは認める。だが、真面目に活動している者達からすれば迷惑極まりない行為だ」

それを聞いた彼はショックを受けたようだった。

「そ、そんな……！」


だが彼は気付いた。ここは地球ではなくシリウス。『天界』なのだ。
地球で当たり前のことも、天界では通用しないということを改めて思い知らされたのだ。


「この機会に言っておこうと思う。確かに私は君達に魅力を感じ、指導役を申し出た。申し出た以上面倒を見るつもりだ…。だが、私は地球の音楽が天界に広まることは良く思っていない」

（え！？）



「はっきり言わせてもらおう。君達に音楽の才能はない！」
「………っ！！！」

「君がやる必要ないじゃないか。才能がある者が音楽活動をすればいいんだ。君は、君の才能を生かすことをすればいいだろう」


自分でもわかっていたが、音楽の神から直接そう言われることはショックだった・・・。