天界アイドル~ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら~

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第九章 アンチ編

第25話‐3 デビュー曲売上発表とアポロンの怒り

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「君はなぜ音楽活動をしているんだ?」
「そ、それは………」
ヒュアキントスは言葉に詰まっていた。


なぜなら、失った神格を取り戻す条件として、アイドル活動をしている、いや、やらされているからだ。

「答えてくれないか?」
アポロンは全く目が笑ってなく、震え上がりそうなほど怖い顔で問い詰めてきた。


ヒュアキントスはぐっと拳を握り、自分に気合いを入れた。
(こ、怖い……!だが、僕は男だ!そして…神だ。こんなことでひるんでちゃダメだ)


「……。申し訳ありません。今は事情があってお答えすることはできません」
「……?」
「ですが…ここでやめることはできないんです。何があっても…。なので、才能がないのは重々承知ですが、僕たちはやめません!」




そう宣言すると、アポロンは何かが伝わったようだった。

「……。そうか。君にも事情があるようだな。その事情を、いつか話してくれないだろうか?」

その時ヒュアキントスは、以前ガニュメデスに言われた言葉が頭をよぎっていた。


『君達だって深い関係になる人が出てくるよね、ずっと隠し続けるなんて無理じゃない?』


ヒュアキントスは少し考えてこう言った。


「話せるようになったら……。話します」
とーーー。

***

結局、注意を受けたものの今回は大目に見てもらえることになった。

注意をした時のアポロンは迫力があり怖かったが、その後はいつも通り優しげな表情に戻っていたので安心したのだ。
しかし、彼の忠告は正しいものだったのだ・・・。



その後、マスターが言っていたように発売週に10位以内にランクインしたことで大きく話題になり、売り上げは火がついたように伸びていった。

マスターは大喜びだったが、注目を浴びたことで同時に彼らに批判も集まることとなった。


彼らが地球のアイドル達を参考にした、特典をつけて曲を売る方法はという、特典をつけることで購買意欲を煽り売上を伸ばす商法のことである。

アポロンが注意したように、真面目に音楽活動をしている者達からすればいい迷惑であるし、反感を買われても仕方がない。


多くのファンがついた一方、アンチも当然生まれてしまったのである。


***

(どうしてこうなったんだ・・・?)


SNSやファンレターの中には批判やアンチの声が多く混じっていたのだ・・・。

それを目の当たりにした彼らはショックを受けていたのだった。



そして、ヒュアキントスはアポロンに質問されたことで葛藤を感じるようになっていた。


(僕は、音楽が純粋に好きでアイドルをしてるんじゃなく、神格を取り戻したいからやってる…。アイドルをするのが心苦しい…)

だが、やめるわけにはいかないのだ。他の仲間たちのこともある。
ヒュアキントスはアンチの批判に加え、自分がアイドルをすることへの罪悪感に苦しんでいた。


第26話に続く・・・
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