天界アイドル~ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら~

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第十章 恋の嵐編

第27話-3 吹き荒れる恋の嵐

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「君だけのために歌うよ~♪」


その頃、狡知の神ロキはまたシリウスに来ていて、曲を口ずさみながら歩いていた。
それは美少年達のデビュー曲だった。


(けっこう良い曲じゃん、あんまり上手くはないけど)
そんなことを思いながら歩いていると、ある光景が目に入った。


(うん…?あれ、あいつら…)



視線の先には、楽しそうに話しているアポロンとヒュアキントスがいた。




2人とも、とても楽しそうであるーーーまるで恋人同士のようにーーー


「へえ~。見ちゃった♡アポロンの奴、腑抜けた顔してんなぁ、ウケる」
そんな独り言を言いながらも、どこか面白くないといった表情をしていたのであった。


***

ロキはその夜、アポロンにチャットを送った。

《やっほー、久しぶり☆》 
そんな軽い挨拶から始まり、そしてこう送った。


《君、あの美少年グループの指導役を申し出たらしいね。狙ってる子でもいるの?僕さ、ヒュアキントス君とアドニス君の秘密知ってるんだよね》
《秘密?》 
《そうそう》

だがアポロンは冷静にこう返してきた。


《お前の言うことは信用できない。以前から私のことを友達呼ばわりしているそうだが、迷惑だから止めてくれないか》

《ひどいなあ~》
《私はお前のように暇ではない。下らないことで連絡してくるな。不快だ》



「はあ?何こいつムカつくんだけど」
そんな怒りの言葉が思わず口から漏れた。


《バイバーイ》 
そう送って一方的に会話を終わらせた。そしてこう思ったのだ。


(やっぱあいつ嫌いだわ。馬鹿にしやがって!いつか痛い目に遭わせてやる!)



ロキは以前、アポロンに身長のことで揶揄われたことを根に持っていた。その怒りが沸々と沸き出していた。


そんな時・・・彼はふと思いついた。
「そうだ、良いこと思いついちゃった♪」



ロキは根は悪くないのだが、悪戯好きな厄介な所があった。彼はある悪戯を思いついたのだった。


「うふふ♡あの子、どんな反応するかなあ♡」
彼は悪い笑みを浮かべていたのだったーー


第28話に続く・・・
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