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第十二章 メンバーの危機編
第32話‐3 美少年達最大の危機
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「やあ君達!わざわざ来てもらって悪かったね」
そこは、美少年達が最初に集められた高層ビルの一室だった。
なぜわざわざそこへ呼び出すのか疑問だったが、よほど大事な話があるのだろう。
「新曲の初動も良いようだね。ミニライブの告知ももうすぐだから引き続き頑張ってくれたまえ。さて。今日の本題に入ろう。実は君達の中の1人に、少々目に余る問題があるのだよ」
「!?」
また何か無理難題を言われるのではと予想していたが、まさかメンバーの1人に問題があるという言葉に美少年達は動揺した。
「ナルキッソス君。君だよ」
((え!?))
ヒュアキントスとアドニスは同時に心の中で呟いた。
当の本人であるナルキッソスはいつもと変わらず不愛想に画面越しのマスターを睨みつけていた。
「君は確かに類まれなる美貌を持ち、そして表現力も高い。実力は認めるのだが、問題は君の態度だ。実は事務所にも苦情が来ているのだよ。CD特典の握手会でも、君のファンへの対応に苦情がいくつも来ていたそうだ」
それを聞いて他のメンバー達も驚いた表情を見せた。
確かに今までもナルキッソスのファン対応の悪さに苦言を呈する声はいくつかあったようだが、そこまで酷いとは思っていなかったからだ。
「確かに君のファンも多いのだが、君はコミュニケーションに問題があるようだな。君達のデビューライブの時に私が言った言葉を覚えているか?」
(確か…アイドルのライブは『ファンとのコミュニケーション』だったよね)
ヒュアキントスはマスターの言葉を思い返していた。
「アイドルというのは歌手やダンサー、音楽家とは違う。ファンを楽しませ元気を与えるのがアイドルだ。だが君にはその意識が欠けている。このままではグループ全体の問題になりかねない。そこで!」
マスターは一呼吸置き、さらに続けた。その言葉は耳を疑うほど意外なものだった。
その内容とはこうだった。
「今度開催されるミニライブ。そこで君がアイドルとして変わったかどうか見せてくれ。私が認められない場合は…君にはこのグループを脱退してもらう。つまり解雇だ」
「「え!!??」」
ヒュアキントスとアドニスは衝撃のあまり大きな声を出してしまった。そして大きなショックを受けた。
まさか、自分達の仲間が解雇される可能性があるなんて…全く考えたことがなかったからだった。
この4人でやっていくものだと思い込んでいたからだ。
(嘘だろ……そんなことがあるのかよ!!)
アドニスもさすがにショックで大きく動揺した。ヒュアキントスに至っては信じられないという顔をしていた。
ナルキッソス本人も強くショックを受けていたようだった。ここまで自分を否定されたのだから当然だろう。
ここまで頑張ってきたのに解雇されるかもしれないーー絶望で崩れ落ちそうになるのを必死で堪えていた。
だがーーー
「大丈夫だよ」
ヒュアキントスはそっとナルキッソスの手を握った。
そして画面越のマスターに向かい、こう言い放った。
「そんなことさせません。ナルキッソスなら大丈夫です!彼なら必ず乗り越えます。見ていてください、今度のミニライブを」
彼の顔には迷いはなかった。もう決めていたのだ。
必ずこの4人でゴールを達成するとーーー
(ヒュア……)
アドニスは彼の名を呼ぼうとしたが声にならなかった。
ヒュアキントスはナルキッソスの手を握ったまま、マスターにこう告げた。
「あの、もういいですか。僕達練習がしたいので。ここで失礼します!」
そしてナルキッソスの手を引っ張って、そのまま部屋を出て行った。
後に残されたアドニスとガニュメデスはそれをただ見ていた。その背中には何も迷いがなかった。
(やれやれ…まるで青春ドラマだね)
ガニュメデスは心の中でそう呟いたが、どこか満足そうだった。
アドニスも覚悟を決めていた。必ずこの4人でゴールを達成するとーーー
こうして彼らの運命を賭けた戦いが始まることになったのである。
第33話に続く・・・
そこは、美少年達が最初に集められた高層ビルの一室だった。
なぜわざわざそこへ呼び出すのか疑問だったが、よほど大事な話があるのだろう。
「新曲の初動も良いようだね。ミニライブの告知ももうすぐだから引き続き頑張ってくれたまえ。さて。今日の本題に入ろう。実は君達の中の1人に、少々目に余る問題があるのだよ」
「!?」
また何か無理難題を言われるのではと予想していたが、まさかメンバーの1人に問題があるという言葉に美少年達は動揺した。
「ナルキッソス君。君だよ」
((え!?))
ヒュアキントスとアドニスは同時に心の中で呟いた。
当の本人であるナルキッソスはいつもと変わらず不愛想に画面越しのマスターを睨みつけていた。
「君は確かに類まれなる美貌を持ち、そして表現力も高い。実力は認めるのだが、問題は君の態度だ。実は事務所にも苦情が来ているのだよ。CD特典の握手会でも、君のファンへの対応に苦情がいくつも来ていたそうだ」
それを聞いて他のメンバー達も驚いた表情を見せた。
確かに今までもナルキッソスのファン対応の悪さに苦言を呈する声はいくつかあったようだが、そこまで酷いとは思っていなかったからだ。
「確かに君のファンも多いのだが、君はコミュニケーションに問題があるようだな。君達のデビューライブの時に私が言った言葉を覚えているか?」
(確か…アイドルのライブは『ファンとのコミュニケーション』だったよね)
ヒュアキントスはマスターの言葉を思い返していた。
「アイドルというのは歌手やダンサー、音楽家とは違う。ファンを楽しませ元気を与えるのがアイドルだ。だが君にはその意識が欠けている。このままではグループ全体の問題になりかねない。そこで!」
マスターは一呼吸置き、さらに続けた。その言葉は耳を疑うほど意外なものだった。
その内容とはこうだった。
「今度開催されるミニライブ。そこで君がアイドルとして変わったかどうか見せてくれ。私が認められない場合は…君にはこのグループを脱退してもらう。つまり解雇だ」
「「え!!??」」
ヒュアキントスとアドニスは衝撃のあまり大きな声を出してしまった。そして大きなショックを受けた。
まさか、自分達の仲間が解雇される可能性があるなんて…全く考えたことがなかったからだった。
この4人でやっていくものだと思い込んでいたからだ。
(嘘だろ……そんなことがあるのかよ!!)
アドニスもさすがにショックで大きく動揺した。ヒュアキントスに至っては信じられないという顔をしていた。
ナルキッソス本人も強くショックを受けていたようだった。ここまで自分を否定されたのだから当然だろう。
ここまで頑張ってきたのに解雇されるかもしれないーー絶望で崩れ落ちそうになるのを必死で堪えていた。
だがーーー
「大丈夫だよ」
ヒュアキントスはそっとナルキッソスの手を握った。
そして画面越のマスターに向かい、こう言い放った。
「そんなことさせません。ナルキッソスなら大丈夫です!彼なら必ず乗り越えます。見ていてください、今度のミニライブを」
彼の顔には迷いはなかった。もう決めていたのだ。
必ずこの4人でゴールを達成するとーーー
(ヒュア……)
アドニスは彼の名を呼ぼうとしたが声にならなかった。
ヒュアキントスはナルキッソスの手を握ったまま、マスターにこう告げた。
「あの、もういいですか。僕達練習がしたいので。ここで失礼します!」
そしてナルキッソスの手を引っ張って、そのまま部屋を出て行った。
後に残されたアドニスとガニュメデスはそれをただ見ていた。その背中には何も迷いがなかった。
(やれやれ…まるで青春ドラマだね)
ガニュメデスは心の中でそう呟いたが、どこか満足そうだった。
アドニスも覚悟を決めていた。必ずこの4人でゴールを達成するとーーー
こうして彼らの運命を賭けた戦いが始まることになったのである。
第33話に続く・・・
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