天界アイドル~ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら~

B-pro@神話創作してます

文字の大きさ
115 / 295
第十三章 ミニライブ開催編

第35話‐3 アポロンの作戦

しおりを挟む
(心臓の音が大きい…今まではただ自分の役割をこなすだけだったが…僕は緊張してるのか?)

ナルキッソスはそんなことを思っていた。


(でも体が動く…練習の成果か。上手く歌えているか?観客から僕はどう見えてるだろう…)

今までは観客のことなんて興味がなかった。観客のことを見ようともしなかった。
だから緊張もしなかった。ただこなすだけだからだ。


だが今は違っていた。観客からどう見られるか気になって、初めて緊張を感じていた。
しかし不思議と心地良く、体がふわふわする感覚だった。

(何だろう?この感覚は……なんだか懐かしいような……)



***

1曲目が終わり、急いで2曲目の準備に入った。

(いよいよ、次だーーー)

2曲目は、あるサプライズがあった。

アポロンが提案した良い方法とはーーナルキッソスがセンターになることだった。

センターとは一番目立つ位置であると同時に最も難しいポジションでもある。それをあえてナルキッソスにやってもらうことで、彼に注目してもらうという作戦だ。

これまでセンターは、エースであるガニュメデスしかしたことがなかった。

「僕の代わりにセンターをやるんなら、それなりの覚悟が必要だよ?君の覚悟、見せてもらうよ」

ガニュメデスは挑発的にナルキッソスの耳元で囁いた。


ナルキッソスは無言だった。だが、その目にはこれまでのような迷いはなかった。


そして2曲目の曲が流れ始めたーーー

「みんな~今日は来てくれてありがと~!」
「楽しんでいってくださいね!」
「まだまだいくぜ!!」

3人がそう言うと会場はさらに盛り上がった。

会場は熱気に包まれていた。


(あれ?ナルキッソス君、いつも端なのに、一番目立つ位置にいる?)


ヘルメスは異変に気付いた。他の観客たちも同じことを考えていたようで、ざわついていた。

そんなことはお構いなしに彼らは、曲に合わせて踊り始めた。

だがーーーー


(え……!?)

ナルキッソスは思わず心の中で叫んでいた。

そう、彼の視界に広がっていたのはーーーーーー


第36話に続く・・・
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...