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第十四章 恋愛禁止編
第37話-2 アポロンとヒュアキントス
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待ち合わせの場所に着くと、そこにアポロンは立っていた。
そしてこちらに気付くと優しく微笑んだ。
それを見ただけで胸が高鳴り、幸せな気持ちになった。
「やあ、こんばんは」
「こ、こんばんは……!」
二人は挨拶を交わすと、そのまま歩き出した。
「外で話すのも何だから、私の会社に行こう。そこでゆっくり話をしようか」
そう言って彼が連れてきたのは、大きなビルだった。
(ここがアポロン様の会社……?すごい!立派だなぁ!)
中に入ると、そこはまるで高級ホテルのロビーのような内装だった。
天井は高く、壁は白く大理石のような素材でできていた。床は黒に近い濃い茶色の絨毯が敷かれており、天井には豪華なシャンデリアがあった。
他にも様々な装飾品があり、それらはどれも高価そうだった。
彼に案内されたのは応接間のような部屋だった。
もう遅い時間なので他に誰もいないのか、静寂に包まれておりとても静かだった。
ヒュアキントスは落ち着かない様子でキョロキョロと見回した。するとそれを見ていた彼がクスッと笑った。
「そんなに緊張しなくても良いんだよ」
そう言われてハッとした。確かに自分でも分かるくらい落ち着きがなかったからだ。恥ずかしくなり顔が熱くなった。
そんな様子を気にすることもなく、彼は飲み物を用意してくれた。それを飲み終える頃にはだいぶ落ち着いてきた。それを見計らうかのようにアポロンは切り出した。
「もう一度君と話したいと思っていた。君がなぜ急に距離を置こうとしたのか、本当のことを聞かせてくれないか?」
いきなり核心を突かれ、心臓がドクンと大きく脈打ったのが分かった。
やはり彼には全てお見通しだったのだ。
「そ、それは……正直に言います。ある方から聞いたんです。誰かは言えませんが…アポロン様の過去を。それを聞いて、傷つくのが怖くなったんです。それに…」
「それに?」
「アポロン様はこれまでたくさん恋愛経験を積んでこられて…それを思うと何だか苦しくなって…怖くなって…」
そこまで言うと言葉に詰まってしまった。
だがアポロンは次の瞬間、とんでもない言葉を口にした。
そしてこちらに気付くと優しく微笑んだ。
それを見ただけで胸が高鳴り、幸せな気持ちになった。
「やあ、こんばんは」
「こ、こんばんは……!」
二人は挨拶を交わすと、そのまま歩き出した。
「外で話すのも何だから、私の会社に行こう。そこでゆっくり話をしようか」
そう言って彼が連れてきたのは、大きなビルだった。
(ここがアポロン様の会社……?すごい!立派だなぁ!)
中に入ると、そこはまるで高級ホテルのロビーのような内装だった。
天井は高く、壁は白く大理石のような素材でできていた。床は黒に近い濃い茶色の絨毯が敷かれており、天井には豪華なシャンデリアがあった。
他にも様々な装飾品があり、それらはどれも高価そうだった。
彼に案内されたのは応接間のような部屋だった。
もう遅い時間なので他に誰もいないのか、静寂に包まれておりとても静かだった。
ヒュアキントスは落ち着かない様子でキョロキョロと見回した。するとそれを見ていた彼がクスッと笑った。
「そんなに緊張しなくても良いんだよ」
そう言われてハッとした。確かに自分でも分かるくらい落ち着きがなかったからだ。恥ずかしくなり顔が熱くなった。
そんな様子を気にすることもなく、彼は飲み物を用意してくれた。それを飲み終える頃にはだいぶ落ち着いてきた。それを見計らうかのようにアポロンは切り出した。
「もう一度君と話したいと思っていた。君がなぜ急に距離を置こうとしたのか、本当のことを聞かせてくれないか?」
いきなり核心を突かれ、心臓がドクンと大きく脈打ったのが分かった。
やはり彼には全てお見通しだったのだ。
「そ、それは……正直に言います。ある方から聞いたんです。誰かは言えませんが…アポロン様の過去を。それを聞いて、傷つくのが怖くなったんです。それに…」
「それに?」
「アポロン様はこれまでたくさん恋愛経験を積んでこられて…それを思うと何だか苦しくなって…怖くなって…」
そこまで言うと言葉に詰まってしまった。
だがアポロンは次の瞬間、とんでもない言葉を口にした。
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