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第十六章 アトランティスの真相編
第45話‐1 最高神ゼウス
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第45話 最高神ゼウス
翌日になると、昨日までの出来事などまるでなかったかのように日常に戻っていた。
ガニュメデスが朝起きて身支度を整えていると、ドアをノックする音が聞こえたので開けてみると、そこにはいつもの笑顔を浮かべたアドニスが立っていたのだった。
「おはよう!ガニュ!」
「おはよう。どうしたの?昨日はクビ寸前だったっていうのにずいぶん元気だね」
ガニュメデスはいつものように皮肉めいた口調で憎まれ口を叩いた。だが、その表情には以前のような険しさはなかった。むしろ柔らかい表情を浮かべていたのだ。
「まぁそうだけど。お前に礼を言おうと思ってな」
「礼?」
「お前が助けてくれたことだよ」
「……何の話かな?」
「とぼけんなよ~俺達がピンチの時に、お前がエロス様に打診してくれただろ」
「さあね」
「何だよ素直じゃねぇなあ」
「はいはい」
アドニスのいたずらっぽい笑顔を見て、ガニュメデスは内心複雑な心境だった。
(ふん、全く君はのん気だな。人の気も知らないで・・・)
***
どんなことがあっても現実は進んでいく。
美少年達は、アルバム完成と発売に向け、悩む暇もなく動き出さなくてはならなかった。
なぜ、天界最高位の神格者であるエロスが彼らの活動に関与しているのかーー
その理由は謎に包まれていたが、彼らがゴールに向かい活動していくことに関しては何も変わりはない。
この4人で必ずゴールしてみせるという決意だけは揺るぎないものだったのだからーーー
***
しばらくの間、何事もなく日々が過ぎていった。4人は練習や打ち合わせを繰り返しながら着々と発売の準備を重ねていく中で、さらに絆を深めていった。
最初は折り合いが悪かったアドニスとガニュメデスだが、いつの間にかお互いを認め合うようになり、良きライバル関係を築いていたのだった。
4人の関係は良好だったが、それぞれに内に秘めた葛藤と戦っていた。
ヒュアキントスはエロスからの通告と恋愛禁止の掟により、アポロンと会うことはできなかった。
毎日連絡を取り合い、立体映像を通して姿を見ていたが、それはただの映像でしかない。触れられないし温もりもない……それは寂しいことだった。
だが彼の前向きな姿勢に励まされ、また勇気づけられもしたのだった。
しかしーーー彼の心は今も重い十字架を背負ったままだった。
アトランティス時代に水没した人間達を助けらなかったこと。愛する人間達を恐怖と苦しみの中で死なせてしまったこと。
その罪を償わなくてはならないという思いに今も苛まれ続けていたのだった・・・。
そしてそれはアドニスも同じだった。
彼も前に進めない恋に葛藤し、そしてヒュアキントス同様に、心に重い十字架を背負い縛られたままだった。
翌日になると、昨日までの出来事などまるでなかったかのように日常に戻っていた。
ガニュメデスが朝起きて身支度を整えていると、ドアをノックする音が聞こえたので開けてみると、そこにはいつもの笑顔を浮かべたアドニスが立っていたのだった。
「おはよう!ガニュ!」
「おはよう。どうしたの?昨日はクビ寸前だったっていうのにずいぶん元気だね」
ガニュメデスはいつものように皮肉めいた口調で憎まれ口を叩いた。だが、その表情には以前のような険しさはなかった。むしろ柔らかい表情を浮かべていたのだ。
「まぁそうだけど。お前に礼を言おうと思ってな」
「礼?」
「お前が助けてくれたことだよ」
「……何の話かな?」
「とぼけんなよ~俺達がピンチの時に、お前がエロス様に打診してくれただろ」
「さあね」
「何だよ素直じゃねぇなあ」
「はいはい」
アドニスのいたずらっぽい笑顔を見て、ガニュメデスは内心複雑な心境だった。
(ふん、全く君はのん気だな。人の気も知らないで・・・)
***
どんなことがあっても現実は進んでいく。
美少年達は、アルバム完成と発売に向け、悩む暇もなく動き出さなくてはならなかった。
なぜ、天界最高位の神格者であるエロスが彼らの活動に関与しているのかーー
その理由は謎に包まれていたが、彼らがゴールに向かい活動していくことに関しては何も変わりはない。
この4人で必ずゴールしてみせるという決意だけは揺るぎないものだったのだからーーー
***
しばらくの間、何事もなく日々が過ぎていった。4人は練習や打ち合わせを繰り返しながら着々と発売の準備を重ねていく中で、さらに絆を深めていった。
最初は折り合いが悪かったアドニスとガニュメデスだが、いつの間にかお互いを認め合うようになり、良きライバル関係を築いていたのだった。
4人の関係は良好だったが、それぞれに内に秘めた葛藤と戦っていた。
ヒュアキントスはエロスからの通告と恋愛禁止の掟により、アポロンと会うことはできなかった。
毎日連絡を取り合い、立体映像を通して姿を見ていたが、それはただの映像でしかない。触れられないし温もりもない……それは寂しいことだった。
だが彼の前向きな姿勢に励まされ、また勇気づけられもしたのだった。
しかしーーー彼の心は今も重い十字架を背負ったままだった。
アトランティス時代に水没した人間達を助けらなかったこと。愛する人間達を恐怖と苦しみの中で死なせてしまったこと。
その罪を償わなくてはならないという思いに今も苛まれ続けていたのだった・・・。
そしてそれはアドニスも同じだった。
彼も前に進めない恋に葛藤し、そしてヒュアキントス同様に、心に重い十字架を背負い縛られたままだった。
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