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第十六章 アトランティスの真相編
第46話‐2 デメテルの思い
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それは先日、アドニスに言われたことだった。
『お前も男ならいつまでも避けてないであの子と向き合ってやれ。今のお前なら出来ると俺は思うぜ』
その言葉がなぜか彼の心に引っ掛かったままだったのだ。
エコーから逃げ続け、彼女の気持ちを見ない振りをし続けてきたが、向き合うべきなのかと思うようになっていたのである。
今日はモデルの仕事の日だった。
スタジオに入り、何枚も服を着替えての撮影が続いて、やっと休憩時間に入った時だった。
ナルキッソスは椅子に座って休んでいると、長身の男から不意に声をかけられたのだ。顔を上げると目の前に見慣れた者がにこやかに微笑んでいた。
「やあ、ナルキッソス君!こんにちは」
その相手は、あの伝令の神であるヘルメスだった。嬉しそうに声をかけてきたので、彼は戸惑いながらも挨拶を交わしたのである。
「こ、こんにちは」
「今日は良い天気だね~」
何を話せばいいのかわからず黙っていると、向こうから話しかけてきたのだ。
「そういえばさ~ナルキッソス君は今日暇かな?」
「いえ。撮影がまだ残っているので」
すると彼は残念そうな表情をしたかと思うと急に笑顔になってこう言ったのだ。
「そっかー残念だなー実は君にお願いしたいことがあったんだけど・・・」
(僕に頼み事?何だろう?)
訝しげな表情をしていると、それを察したのか彼はこう続けたのだった。
「そんなに警戒しなくても大丈夫だよ!別に怪しいことじゃないからさ!」
その内容は意外なものだった。何と自分に仕事の依頼をしたいというのだ。しかも内容はCM出演だというではないか!?驚いて思わず聞き返してしまったほどだ。
「えっ!?僕がですか!?」
「うん♪そうだよ~!良かったら引き受けてくれないかなーと思ってさ♪」
ニコニコしながら答える彼に困惑しながらも断る理由もないので承諾したのだった。すると、今度はこんなことを言ってきたのだ。
「ありがとう!前は断られちゃったけど、少しは私のことを信用してくれたのかな?嬉しいよ。また後日改めて話をしよう」
「は、はい」
「じゃあ、よろしく頼んだよー」
そう言うとウィンクをして颯爽と去っていったのだった。相変わらず掴みどころのない男性だと思いながら、ナルキッソスは去っていくヘルメスの背中を見つめていたのだった。
だがこの時の彼はまだ知らなかった。
ヘルメスから想像もつかないような依頼を持ちかけられるということをーーーー
第47話に続く・・・
『お前も男ならいつまでも避けてないであの子と向き合ってやれ。今のお前なら出来ると俺は思うぜ』
その言葉がなぜか彼の心に引っ掛かったままだったのだ。
エコーから逃げ続け、彼女の気持ちを見ない振りをし続けてきたが、向き合うべきなのかと思うようになっていたのである。
今日はモデルの仕事の日だった。
スタジオに入り、何枚も服を着替えての撮影が続いて、やっと休憩時間に入った時だった。
ナルキッソスは椅子に座って休んでいると、長身の男から不意に声をかけられたのだ。顔を上げると目の前に見慣れた者がにこやかに微笑んでいた。
「やあ、ナルキッソス君!こんにちは」
その相手は、あの伝令の神であるヘルメスだった。嬉しそうに声をかけてきたので、彼は戸惑いながらも挨拶を交わしたのである。
「こ、こんにちは」
「今日は良い天気だね~」
何を話せばいいのかわからず黙っていると、向こうから話しかけてきたのだ。
「そういえばさ~ナルキッソス君は今日暇かな?」
「いえ。撮影がまだ残っているので」
すると彼は残念そうな表情をしたかと思うと急に笑顔になってこう言ったのだ。
「そっかー残念だなー実は君にお願いしたいことがあったんだけど・・・」
(僕に頼み事?何だろう?)
訝しげな表情をしていると、それを察したのか彼はこう続けたのだった。
「そんなに警戒しなくても大丈夫だよ!別に怪しいことじゃないからさ!」
その内容は意外なものだった。何と自分に仕事の依頼をしたいというのだ。しかも内容はCM出演だというではないか!?驚いて思わず聞き返してしまったほどだ。
「えっ!?僕がですか!?」
「うん♪そうだよ~!良かったら引き受けてくれないかなーと思ってさ♪」
ニコニコしながら答える彼に困惑しながらも断る理由もないので承諾したのだった。すると、今度はこんなことを言ってきたのだ。
「ありがとう!前は断られちゃったけど、少しは私のことを信用してくれたのかな?嬉しいよ。また後日改めて話をしよう」
「は、はい」
「じゃあ、よろしく頼んだよー」
そう言うとウィンクをして颯爽と去っていったのだった。相変わらず掴みどころのない男性だと思いながら、ナルキッソスは去っていくヘルメスの背中を見つめていたのだった。
だがこの時の彼はまだ知らなかった。
ヘルメスから想像もつかないような依頼を持ちかけられるということをーーーー
第47話に続く・・・
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