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第十七章 グループの分裂編
第49話‐1 去っていく仲間
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『僕は実は運営側だった。仲間でいる資格はないから、脱退することにする』
グループの絶対的センターであり、人気を支えているガニュメデスのあまりに衝撃的な告白に、美少年達はそれぞれ複雑な思いを抱いていた。
そしてそれは、当の本人であるガニュメデスも同じだった。
(これで……いいんですよね。ゼウス様…)
***
その頃、伝令の神ヘルメスは自社の自室でファッション雑誌を眺めていた。
(ナルキッソス君、ついに表紙になったのか。モデルは皆容姿端麗だが、あの子の美貌はやはり別格だね。さすが私の見込んだ子だ)
モデルとしても活動しているナルキッソスだが、今となっては人気アーティストの仲間入りで有名になっていた。
当然、彼が起用されているファッション雑誌も彼を全面に押し出しているようだ。
(ああ、どの写真もいいなあ。あの子は普段は引っ込み思案なようだが、カメラの前では堂々としていて実に素晴らしいよ!やはり彼には華があるね)
そして、今日のことを思い返していた。
(あの子、キスは初めてなようだな。微かに震えてて…初々しい反応だったな♡)
「ふっふふふふふ・・・」
ヘルメスは思わず笑みを漏らした。 彼はナルキッソスのことを気に入っているのだ。
(おっといけない、つい興奮してしまったようだ。さて、そろそろ次の段階に移行するかな♡)
***
翌朝。
ガニュメデスは寮にはいないようだった。
さすがにいたたまれないのか、昨日は別の場所に泊まったようだ。
彼は今は寮に住んでいるが、自分の屋敷を所有しているのでそちらにいるのだろう。
いつものように朝のランニングをしていたヒュアキントスは、朝練をしているナルキッソスと遭遇した。
「おはよう。……昨日は驚いたね」
グループの要であるガニュメデスが脱退するかもしれないのだ。
2人はそのことについて話すことにした。
「僕は本音を言えば許せない気持ちがある。仲間のふりをして、僕達を査定していたってことだろ?裏切られたような気分だ」
「...そうだね。だけど、何か事情があるかもしれない」
「そういえば、アドニスは何も言ってなかったな。あいつなら怒りそうなのに」
ナルキッソスはそう訝しんだ。
するとヒュアキントスは少し考えてこう言った。
「アドニスは、ああ見えて仲間思いだからね。それに、あの2人はお互い良いライバルだと思ってるんじゃないかな?」
それを聞いて、ナルキッソスも納得したように頷いた。
「あいつも入れて話し合った方が良さそうだな.」
「そうだね!」
(ナルキッソス、ほんとに変わったなあ。やっぱり君は良い奴だよね)
口には出さなかったが、ヒュアキントスは内心微笑ましく思っていた。
だがナルキッソスは複雑な心境だった。
ヘルメスからソロデビューを打診されたことなど、とても言い出せない状況だと思った。
(もしガニュメデスが脱退したら…3人でセンター争いをすることになるのか?こいつらと争わないといけないのか?)
そして、アイドル活動をする当初の目的であった「自分しか愛せない呪いを解除すること」が、今すでに叶いつつあることも、彼の心を混乱させていた。
(僕はどうしたらいいんだろう…)
グループの絶対的センターであり、人気を支えているガニュメデスのあまりに衝撃的な告白に、美少年達はそれぞれ複雑な思いを抱いていた。
そしてそれは、当の本人であるガニュメデスも同じだった。
(これで……いいんですよね。ゼウス様…)
***
その頃、伝令の神ヘルメスは自社の自室でファッション雑誌を眺めていた。
(ナルキッソス君、ついに表紙になったのか。モデルは皆容姿端麗だが、あの子の美貌はやはり別格だね。さすが私の見込んだ子だ)
モデルとしても活動しているナルキッソスだが、今となっては人気アーティストの仲間入りで有名になっていた。
当然、彼が起用されているファッション雑誌も彼を全面に押し出しているようだ。
(ああ、どの写真もいいなあ。あの子は普段は引っ込み思案なようだが、カメラの前では堂々としていて実に素晴らしいよ!やはり彼には華があるね)
そして、今日のことを思い返していた。
(あの子、キスは初めてなようだな。微かに震えてて…初々しい反応だったな♡)
「ふっふふふふふ・・・」
ヘルメスは思わず笑みを漏らした。 彼はナルキッソスのことを気に入っているのだ。
(おっといけない、つい興奮してしまったようだ。さて、そろそろ次の段階に移行するかな♡)
***
翌朝。
ガニュメデスは寮にはいないようだった。
さすがにいたたまれないのか、昨日は別の場所に泊まったようだ。
彼は今は寮に住んでいるが、自分の屋敷を所有しているのでそちらにいるのだろう。
いつものように朝のランニングをしていたヒュアキントスは、朝練をしているナルキッソスと遭遇した。
「おはよう。……昨日は驚いたね」
グループの要であるガニュメデスが脱退するかもしれないのだ。
2人はそのことについて話すことにした。
「僕は本音を言えば許せない気持ちがある。仲間のふりをして、僕達を査定していたってことだろ?裏切られたような気分だ」
「...そうだね。だけど、何か事情があるかもしれない」
「そういえば、アドニスは何も言ってなかったな。あいつなら怒りそうなのに」
ナルキッソスはそう訝しんだ。
するとヒュアキントスは少し考えてこう言った。
「アドニスは、ああ見えて仲間思いだからね。それに、あの2人はお互い良いライバルだと思ってるんじゃないかな?」
それを聞いて、ナルキッソスも納得したように頷いた。
「あいつも入れて話し合った方が良さそうだな.」
「そうだね!」
(ナルキッソス、ほんとに変わったなあ。やっぱり君は良い奴だよね)
口には出さなかったが、ヒュアキントスは内心微笑ましく思っていた。
だがナルキッソスは複雑な心境だった。
ヘルメスからソロデビューを打診されたことなど、とても言い出せない状況だと思った。
(もしガニュメデスが脱退したら…3人でセンター争いをすることになるのか?こいつらと争わないといけないのか?)
そして、アイドル活動をする当初の目的であった「自分しか愛せない呪いを解除すること」が、今すでに叶いつつあることも、彼の心を混乱させていた。
(僕はどうしたらいいんだろう…)
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