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第十九章 トリックスター編
第57話‐1 ユニット対決勃発
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第57話「ユニット対決勃発」
ガニュメデスの記者会見の場に唐突に現れ、主導権を奪ったのは伝令の神ヘルメスだった。
そして彼の口から驚くべき発表がされ、会場は騒然となった。
美少年達のグループ「B‐PROJECT」内で2組のユニットに分かれ、ユニット対決を行うという仲間内のライバル関係を作るというものだ。
さらに、1組はヘルメスがプロデュースするというのだから尚更のことである。
そして彼は会場で、直々にナルキッソスを指名したのだったーー
(これは一体どういうことなんだ……?)
アポロンはこの状況を飲み込めずにいた。
(まさか、これもあのエロスの差し金なのか……!?)
動揺するアポロンだったが、それは当の本人である美少年達も同様だった。
だがナルキッソスは彼らとは違う感情を感じていた。
(何だ、これ・・・何だ?この胸の高鳴りは……)
大勢の者たちが注目する中でヘルメスから指名され、ナルキッソスは戸惑うと同時に胸の高鳴りを抑えられなかった。
(動悸が止まらない。一体何なんだ、この人は……!)
今まで感じたことのない感覚に戸惑いを隠せない様子のナルキッソスであったが、その一方で他の者達は別の意味で戸惑っていた。
そして、同じく会場に駆けつけていた、コーラスメンバーのエコーも複雑な表情で眺めていた。
(ナルキッソス……)
***
「おい、ヘルメス!一体どういうことだ!?」
記者会見が終わった後、アポロンはすぐにヘルメスに詰め寄った。
詰め寄られた側の本人はと言うと、相変わらずの飄々とした態度で答えた。
「実はロキさんと組むことになってね。同じグループでライバル対決したら話題になりそうだから提案したんだ」
まるで悪びれる様子もない。
むしろこの状況を楽しんでいるかのようにさえ見えるほどだ。
それが余計に腹立たしく思えたのだが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
「エロスの差し金なのか……?」
そう尋ねると、ヘルメスはきょとんとした表情を浮かべた。
「エロス?何のこと??」
その表情からは嘘がなく彼は本当に知らないようだった。
(ただの偶然だというのか?しかし、ヘルメスに出し抜かれる形になってしまうとはな……)
思わず溜息が出る。
「ヘルメス。今はそんなことをしている場合ではないんだ。実は…」
アポロンは、エロスと勝負をすることになったいきさつを説明した。
だがヒュアキントスとアドニスが大罪を犯して処刑を保留されていることを、口外することは憚られる。
なので彼らの恋愛禁止令を解除するためだと方便をついた。
それを聞いたヘルメスは少し考えるような素振りを見せたが、すぐにいつもの笑顔に戻った。
「なるほどね。親友として君とヒュアキントス君を応援したいけど、今更白紙に戻せないよ。記者会見で発表までしたし。それに父上も乗り気でね」
ヘルメスの言う父上というのは、もちろんゼウスのことだ。
今回の記者会見に関してはゼウスの差し金でもあったらしい。
だから今回ばかりはどうすることもできないのだとヘルメスは言った。
ガニュメデスの記者会見の場に唐突に現れ、主導権を奪ったのは伝令の神ヘルメスだった。
そして彼の口から驚くべき発表がされ、会場は騒然となった。
美少年達のグループ「B‐PROJECT」内で2組のユニットに分かれ、ユニット対決を行うという仲間内のライバル関係を作るというものだ。
さらに、1組はヘルメスがプロデュースするというのだから尚更のことである。
そして彼は会場で、直々にナルキッソスを指名したのだったーー
(これは一体どういうことなんだ……?)
アポロンはこの状況を飲み込めずにいた。
(まさか、これもあのエロスの差し金なのか……!?)
動揺するアポロンだったが、それは当の本人である美少年達も同様だった。
だがナルキッソスは彼らとは違う感情を感じていた。
(何だ、これ・・・何だ?この胸の高鳴りは……)
大勢の者たちが注目する中でヘルメスから指名され、ナルキッソスは戸惑うと同時に胸の高鳴りを抑えられなかった。
(動悸が止まらない。一体何なんだ、この人は……!)
今まで感じたことのない感覚に戸惑いを隠せない様子のナルキッソスであったが、その一方で他の者達は別の意味で戸惑っていた。
そして、同じく会場に駆けつけていた、コーラスメンバーのエコーも複雑な表情で眺めていた。
(ナルキッソス……)
***
「おい、ヘルメス!一体どういうことだ!?」
記者会見が終わった後、アポロンはすぐにヘルメスに詰め寄った。
詰め寄られた側の本人はと言うと、相変わらずの飄々とした態度で答えた。
「実はロキさんと組むことになってね。同じグループでライバル対決したら話題になりそうだから提案したんだ」
まるで悪びれる様子もない。
むしろこの状況を楽しんでいるかのようにさえ見えるほどだ。
それが余計に腹立たしく思えたのだが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
「エロスの差し金なのか……?」
そう尋ねると、ヘルメスはきょとんとした表情を浮かべた。
「エロス?何のこと??」
その表情からは嘘がなく彼は本当に知らないようだった。
(ただの偶然だというのか?しかし、ヘルメスに出し抜かれる形になってしまうとはな……)
思わず溜息が出る。
「ヘルメス。今はそんなことをしている場合ではないんだ。実は…」
アポロンは、エロスと勝負をすることになったいきさつを説明した。
だがヒュアキントスとアドニスが大罪を犯して処刑を保留されていることを、口外することは憚られる。
なので彼らの恋愛禁止令を解除するためだと方便をついた。
それを聞いたヘルメスは少し考えるような素振りを見せたが、すぐにいつもの笑顔に戻った。
「なるほどね。親友として君とヒュアキントス君を応援したいけど、今更白紙に戻せないよ。記者会見で発表までしたし。それに父上も乗り気でね」
ヘルメスの言う父上というのは、もちろんゼウスのことだ。
今回の記者会見に関してはゼウスの差し金でもあったらしい。
だから今回ばかりはどうすることもできないのだとヘルメスは言った。
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