天界アイドル~ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら~

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第二十章 ユニット組分け編

第59話‐1 ユニット組分け決定

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第59話「ユニット組分け決定」

グループの脱退宣言をしたガニュメデスが戻ってきた。
ひと悶着あったものの4人は和解を果たし、改めてグループとしてやっていくことを決めたのだった。


夜更け過ぎ、寮に帰ったヒュアキントスとアドニスは2人で話していた。
話題はもちろん、突然宣告された「グループ内でのユニット対決」についてだ。

「僕とアドニスは別々になっちゃうね・・・」
「ああ。それに…対決しないといけないんだな」

2人は複雑な心境だった。
1万3千年前から親友で、同じ罪を共有し、同じ時期に目を覚ました運命共同体でもあるからだ。


「仲間同士で対決するとか複雑だけど、どうせなら楽しもうぜ!」
アドニスは明るく言った。

「そうだね。もう決まったことだし。負けないよ!」

対するヒュアキンスも笑顔で返す。
こうして彼らは決戦に向けて決意を固めたのだった。



「ねえ、アドニス。君も恋愛禁止令に違反してたってエロス様は言ってたけど…。君って恋愛してたの?」

ヒュアキントスはずっと気になっていたことを思い切って聞いてみた。
ずっと聞きたくて聞けなかったことだったからだ。

すると、意外にもすんなり答えてくれた。
しかも意外な内容だったのだ。
アドニスは照れ臭そうに答える。


「ああ。アフロディーテ様だよ。まだ付き合ってはないけど、もうエッチはしちゃったんだ」



衝撃的な告白を聞いてしまった・・・。

だがさらに衝撃的な言葉が返ってくる。
それは予想もしないことだった。


「お前だから言うけど、他にも何人もエッチした女の子がいるんだぜ」
まさかの発言である。


ショックな気持ちもあるが、ヒュアキントスは訊いてみた。

なぜアドニスがそんなことをしているのか・・・ それを聞くと彼はこう答えた。

どうやら最初は成り行きでそういう雰囲気になり、流れでそういうことになってしまったらしい。
つまり行きずりの女遊びということだ。

ただ、その女たちとは体だけの関係で、心は通っていないという。

要するにワンナイトラブということなのだろう。


『誰にでも遊びたくなる時期はあるんだよ』

以前、ロキが言っていた言葉を思い出した。彼にとってその時期なのだろうか。

それに天界では複数愛はタブーではない。性的趣向として認められている。彼も複数愛者にカウントされるわけだ。


「恋愛禁止なのにさすがにそれはまずいよ…」
ヒュアキントスは呆れた顔で呟いた。


「全部向こうから誘われたんだよ。けどさすがにまずかったよな……反省してるよ」
アドニスは申し訳なさそうに謝る。


そして最後にこう言った。


その言葉は本心だと分かったから・・・ とても重く響いたのだ。
心からの言葉なのだと分かるほどにーーー その声は悲痛に満ちていたのだった。


「俺は女遊びする資格もないのにな…アトランティス人達を、結局助けられなかったんだから・・・」

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