天界アイドル~ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら~

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第二十章 ユニット組分け編

第59話‐2 ユニット組分け決定

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翌日、ガニュメデスは寮に戻ってきた。
4人での寮生活が再開したのだ。

美少年達は皆、どこか上の空だった。
仲間同士でのユニット対決のこと、そしてユニットの組み合わせをどうするか悩んでいるのだろう。


(ヘルメス様はナルキッソスを指名、そしてマスターはガニュメデスを指名…話し合って決めろと言われても、どうやって決めたらいいんだ)

ヒュアキントスは悩んでいた。
それはアドニスも同じだった。

だがーー彼らが悩む間、残りの2人は決めていたのだった・・・



その夜、アドニスは寮のベランダで星を眺めていた。
夜空には満天の星空が広がっている。


ふと、後ろから声を掛けられる。
振り向くとそこにはガニュメデスがいた。

「やあ。一緒してもいいかな?」
彼はそう言うと、少し離れた場所でアドニスの隣に並び立つ。


2人に少しの間沈黙が訪れる。
先に口を開いたのはガニュメデスの方だった。


「君だけだったね。僕が怪しいことに気付いてたのは」
「んー…。俺ってけっこう勘が良い方なんだよな。お前のこと、正直最初は苦手だった」

その言葉に、ガニュメデスは思わず苦笑する。

「けどお前って実はみんなのこと考えてくれてるし、真面目だし。悪い奴じゃないってのは分かってたからさ」


そう答えると、少し驚いた顔をした後、ガニュメデスは嬉しそうに笑った。
そして、少し恥ずかしそうに話し出す。

それは初めて見せる表情だ。

少し照れくさそうで、でも嬉しそうな顔。
そんな笑顔を向けられたのは初めてのことだった。


「ねえ、アドニス」

彼は、アドニスに向かって手を差し伸べて、こう告げた。

「一緒に組もう。僕達なら最高のユニットにできるはずだよ!」




差し出された手を見つめながら、アドニスは考えた。

「ああ。俺も、お前と組みたいって思ってたんだ」
そう言って、彼の手を握り返した。


2人は力強く握手を交わした。
その時、一筋の流れ星が煌めいたのだった・・・


***

一方、ヒュアキントスは寮の自室にいた。
今日もアポロンと携帯端末で通話することになっていた。

だが、ノックがして、ナルキッソスが部屋を訪ねてきたのだ。
ナルキッソスはヒュアキントスの部屋に入るなり、間髪入れずにこう告げた。

「僕はお前が良い」
その突然の言葉に驚くヒュアキントス。


「え!?どうしたの、突然…」
「僕達で話し合って誰と誰が組むか決めるんだろ。僕はお前と組みたい。お前はどうだ?」
そう言われて、驚きつつも嬉しくなる。

何故なら彼もまた、同じ気持ちだったからだ。

ガニュメデスも大事な仲間だが、ナルキッソスとは深い心の交流があったからだ。



だから迷うことなく答えた。
もちろん答えは決まっていたから・・・。


そして、お互いに笑い合う2人の姿があったのだったーーー


こうして、2組のユニット分けが決定したのだった。


第60話に続く・・・
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