天界アイドル~ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら~

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第二十章 ユニット組分け編

第61話‐2 ヒュアキントス組side

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「さすがヘルメス様だねー!あの短時間でここまで段取りしてくれるなんてさ!僕達の売り出し方も完璧だし、これなら人気が出ること間違いなしだよ!!」

興奮気味に話すヒュアキントスに対し、ナルキッソスはどこか上の空だった。

「ねえ、さっきから何ぼーっとしてるの?」

ヒュアキントスは何気なく訊いてみたが、ナルキッソスは彼の服の裾を掴みながら言った。


「……お前に話したいことがある」
「え、どうしたの!?」

いつにも増して深刻な表情を見せる彼に驚くヒュアキントスだが、2人は公園のベンチに座り、話し始めた。



「……実は、僕の呪いが解除されつつあるみたいなんだ」
「え!?それって…」

『自分しか愛せない呪い』

精霊から逆恨みされてかけられた、その忌まわしい呪いを解除するのが目的で、ナルキッソスはアイドル活動を決めていた。

その呪いが解除されるということは……つまり……


「だがアイドルの活動はやめるつもりはない。表現することが楽しいと思えるようになったし、お前達と過ごす日々は悪くないからな」
そう言って彼はフッと笑った。

それを聞いて安心したのだが、彼はなぜか浮かない顔をしている。

「何か悩んでることがあるの?」
そう尋ねると、ナルキッソスは小さく頷いた。


「……僕を愛する気持ち、それがなくなるんじゃないかって。矛盾するようだけど、僕を愛する気持ちが消えるのが怖いんだ・・・」

自分のことを好きになれないのが本当の自分だったのにーーー

忌まわしい呪いであると同時に、自分を好きになれて強気にもなれた。

また、以前の自分を好きになれない弱い自分に戻るのが、何より怖かったのだ。


だがそれを聞いた瞬間、ヒュアキントスは彼の手を強く握った。
そしてまっすぐ目を見つめながら言った。



「そんなことないんじゃないな?」
「………え?」
「君が君を愛する気持ちは消えないと思う。呪いがなくたって、君は君のことを好きだと僕は思うよ」

ヒュアキントスの言葉にハッとしたように目を見開く彼だったが、すぐに微笑んだ。

「そうだな・・・ありがとう、ヒュアキントス」

その言葉にヒュアキントスも嬉しそうに笑ったのだった。

***

一方、ロキから相談を受けた知恵の神エンキはある神の元を訪ねていた。
それはあの愛の神エロスだった。

「ロキから聞いたよ。彼と一緒に事業をしてるんだって?それも…地球由来の『アイドル文化』を天界に広める事業だってね」

エンキはいつものように穏やかだ。
だが、その瞳の奥は笑っていない。

「ああ。君も知ってるだろうが、1万3千年前に大罪を犯して処分を保留にしたままの植物神2人が関わっている」
「ロキも面白いことを考える。君にとっては遊戯に過ぎないのだろう?」
「さぁね。だが、アポロンが勝負を申し出て来てね。彼らが僕の心を動かせば彼らの勝ちらしい」

エロスは楽しそうに微笑んでいる。満更でもなさそうだ。

「おやおや。ねえ、どうせならもっと面白くしたいと思わないかい?私も、地球には思い入れがあるしね」

エンキは企むような笑みを浮かべ、そう持ち掛けてきた。
2人の神は妖しく笑い合ったのだった。


第62話に続く・・・
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