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第二十四章 ユニット対決開始編
第76話‐2 処女神達の鑑賞
しおりを挟むその日、アテナはヘスティアとアルテミスの3人で会っていた。
この3人は処女神であるが、恋愛をしない性的指向であり、それもあり気が合う仲間であった。
アルテミスはこの3人の中では若輩者なのもあり、後輩として2人を慕っていた。
「ねえ、お姉さま方、お願いがあるの」
かしこまった様子で、おずおずと切り出すアルテミス。
普段は明るく天真爛漫な性格なのだが、今は神妙な面持ちをしていた。
「どうしたんだ?改まって……」
「何かあったの?」
2人は心配そうに問いかけた。
すると、アルテミスは意を決してこう言った。
「この前の会議で、美少年グループの件なんだけど。私は賛成派なの。ねえ、お姉さま方も賛成派になって!!」
その言葉に、思わず顔を見合わせるアテナとヘスティア。
2人とも驚きのあまり、言葉を失っていたのだ。
彼女達はどちらかというと男性に対しては無関心であることが多かったためだ。
そんな彼女達が美少年グループを贔屓にして賛同するなど、前代未聞のことだったからである。
「……冷静なあなたがそんなに肩入れするなんて珍しいわね」
ヘスティアはいつものように優しく微笑みながら言った。
だが、その表情とは裏腹に、内心ではかなり驚いていた。
「済まない。アルテミス。私は温情で決めるつもりはない」
一方、アテナはいつもと同じく厳格な口調で、きっぱりと断った。
彼女は真面目で堅物なところがあり、自分の信念に反することは決してしなかった。
「きちんと彼らのパフォーマンスを見て決めさせてもらう。更生に価するのかどうか、公平に決めるのが我々の役目だからな」
そう諭すように言うと、アルテミスはしゅんとした表情で俯いてしまった。
それに続いてヘスティアも発言した。
「アルテミス。可愛い貴方の頼みだからできれば聞いてあげたいけど、私もアテナと同じ意見よ。直接ステージを見ないと何とも言えないわ」
そう言って申し訳なさそうに微笑んだ。
それに対して、しょんぼりしながら頷くアルテミスだったが、すぐに顔をあげて笑顔で答えた。
「分かったわ!じゃあ、今度一緒に観に行ってくれる!?」
彼女の表情からは、まだ諦めきれないといった様子がうかがえた。
「ああ、いいだろう。ただし、あくまで公正な目で判断させて貰うからな!」
3人はこうして約束を取り付けることになったのだったーーー
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