天界アイドル~ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら~

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第二十四章 ユニット対決開始編

第77話‐3 アテナの審判

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その後、ガニュメデスとアドニスのペアも無事に歌いきり、2人で肩を組んで笑顔を見せて観客たちに手を振っている様子がモニターに映されていた。

どうやら無事、全ての演目を歌い終わったらしい。
観客たちはまだ現実に戻ってこれないのか、茫然としたまま拍手をすることすら忘れていた。


だが、間を置いて盛大な拍手と歓声が巻き起こり、ようやく我に返ったようだった。

アンコールの声も鳴り止まなかった。
それに応えるように2人は再度登場し、一際大きな歓声が上がるのだったーーー



思わず魅入っていたアルテミスだが、ふと我に返ると、隣にいるアテナに視線を向けた。

(え!?あのアテナ姉さまが……)


そこには笑顔を浮かべてステージを観ている女神の姿があった。

普段のアテナは凛々しく男勝りな性格もあり、笑顔を見せることも少ない。
このような鑑賞を楽しむ時も、無表情で冷静に見ていることが多いのだが、この時は違っていた。


おそらく本人は気付いてないのだろうが、楽しそうに笑った顔を浮かべていたのだーー
そして微かに頬が紅潮した様子からも、彼女が高揚していることは明らかであった。



「なあ、アルテミス」

アテナがふいに声をかけてきた。

「良いものを観させてもらった。ありがとう」

彼女はアルテミスに向かって優しく微笑んだ。

「えっ!?」
普段あまり見られない彼女の表情に、アルテミスは驚きを隠せなかった。

「私の負けだ。別にお前と勝負をしていたわけではないがな。彼らを認めよう」
「!!」

アルテミスはその言葉に驚いたが、すぐに嬉しそうな笑顔を返した。




「ありがとう!アテナ姉さま!」
「うふふ…。私も認めるわ、アルテミス。彼らはこれだけの人を楽しませて、喜びを与えているんだってね」

ヘスティアも優しい微笑みを浮かべながらそう言った。


「うん!!やったあ~っ!!」
アルテミスは飛び跳ねんばかりに喜んだ。
そんな妹分の姿を、アテナとヘスティアは微笑ましく見つめていた。


(これで8人が賛成派…!あと、3人を賛成派にできれば……)

美少年達B-PROJECTがオリンポス12神とエロスを入れた13人の内、11人以上を認めさせることができれば、ヒュアキントスとアドニスの更生は認められ、処罰を回避することができるという勝負。

まず中立派だったアテナとヘスティアを認めさせることができたようだ。

そしてそれは温情ではなく、美少年達のパフォーマンスや実力を認めた上での発言であるということも分かっている。
彼女達が認めたということはつまり、美少年達はそれだけの力を持っているということに他ならないのだから。

(よし……!あとは残りの3人だ……!)

アルテミスは再び気合いを入れ直し、ステージを見つめたのだったーーー 


第78話に続く・・・

★現時点の賛成派・反対派・中立派

賛成派:ゼウス アポロン アルテミス ヘルメス デメテル アフロディーテ アテナ ヘスティア
中立派:ヘラ 
反対派:ポセイドン アレス ヘパイストス
不明:エロス


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