天界アイドル～ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら～

第二十四章 ユニット対決開始編

第78話‐3 ユニット対決第一段 勝敗結果

数日後。

ライブイベントの投票集計が終わり、いよいよ結果発表の時が来た。

結果発表は彼らのオフィシャルサイトで発表されることになっていた。
その告知を見てファン達は固唾を呑んで待っていた。
そしてついにその瞬間がやってきた。

勝者に輝いたのはーーー



ガニュメデス・アドニス組「GAIA」だった！


この結果はすぐさま各メディアによって報道され、シリウス中に知れ渡った。

約6割がアドニス組に投票していて、残り4割がヒュアキントス組だった。


やはり実力差は歴然としていて、アドニスとガニュメデス組に心を動かされたファンが多かったようだ。
しかし、ヒュアキントスとナルキッソス組も攻めたコンセプトや凝った演出が評価されて、一部では熱狂的な支持もあったようである。

こうして、ヒュアキントスとナルキッソス組の健闘虚しく、敗北という結果に終わったのだった。


***

(結果は見る前からわかってた。だけど、こうして実際に突きつけられるときついものがあるな……）

ヒュアキントスは少し落ち込んでいる様子だった。
負けた悔しさよりも、自分が何も出来なかったことに対して無力さを感じていたからだ。

そんな彼に対して、ナルキッソスは何も声をかけることが出来なかった。
2人とも悔しくて仕方がなかったのだ。

(このまま負けてばかりじゃいられない…！)

ヒュアキントスとナルキッソス組は、アドニス達と比べると負けず嫌いの意識が薄く、競争心に欠けるところがあった。
それが今の実力差を生んでしまったのだろうと彼らは感じていた。


だがこのままでは終われないという気持ちが強かったので、この敗戦を糧にして再び頑張ろうと思ったのである。

今初めて、仲間であるアドニス達をライバルとして認識した瞬間でもあった。
ヒュアキントスとナルキッソス組は、やっと闘志を燃やし始めたのであった。

***

翌日。
ヒュアキントスはさっそく行動を起こすことにした。

彼はある男神に連絡を取っていた。
それは彼の広告主でもある西風の神ゼピュロスだったーーー


第79話に続く・・・