天界アイドル~ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら~

B-pro@神話創作してます

文字の大きさ
223 / 295
第二十五章 再スポンサー編

第79話-1 鍛冶の神ヘパイストス

しおりを挟む
第79話「鍛冶の神ヘパイストス」

美少年達「B-PROJECT」内のユニット対決の第一段対決である、ライブイベント対決の勝敗結果が発表された。

検討空しく敗北を喫したヒュアキントスとナルキッソス組は、アドニスとガニュメデス組の急成長ぶりと実力差を見せつけられ、悔しい思いをする結果となった。

そんな中、ヒュアキントスはある男神と連絡を取り合っていた。

その男神はゼピュロスといい、ヒュアキントスを最初にスカウトした広告主でもあった。

風の神は風にまつわる事業の他に、情報流通にも長けている。
彼であれば芸能関係にも詳しく、相談相手としては適任だろうと踏んだのだ。

早速彼と会うことになった。



「やあ、ヒュアキントス。久しぶりだね。君達のことはシリウス中で話題だから、よく知ってるよ」
「お久しぶりです、ゼピュロス様」

ゼピュロスはいつも通り、爽やかな笑顔で挨拶をした。
それに対してヒュアキントスも礼儀正しくお辞儀をした。


「君はずいぶん忙しそうだったから、控えていたが、連絡をくれて嬉しいよ。何か悩み事かい?」
「……はい、実は……」

ヒュアキントスは少し言いづらそうにしながらも、意を決して彼に打ち明けることにした。
すると、それを聞いたゼピュロスは真剣な表情になった。


「なるほど…。私もそのライブイベントは観たよ。確かにガニメデ達は一際目を引くものがあった。あれには圧倒されるよね。だが、私は君達も良いと思ったよ。恋愛を連想させる演出も魅力的だし、君達の演技力の高さも感じられたからね。それに、何よりも観客を楽しませようという熱意が伝わってきた」
「ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです」

「ガニメデ達は正統派といったところだな。実力差があるのは否めないとしても、別の路線で勝負すれば良いのではないかな?そして…」
「そして……?」
「君にはもう一つ、武器があるだろう?」
「えっ!?」

武器と言われても何のことかわからず、戸惑うヒュアキントス。
そんな彼を他所に、ゼピュロスはさらに続ける。



「正攻法だけが必ずしも正しいとは限らないということだ。例えば…コネクションというのも立派な武器になる。君は一番愛嬌があって、高位の神に一番可愛がられるタイプだ。支援者を見つけるというのも方法の一つとしてある」

「な、なるほど……!」
ヒュアキントスは思わず納得してしまった。

たしかに、自分はまだ若くて経験も少ないため、後ろ盾が少ない状態だ。
そこで、自分を応援してくれる神を増やしていくことで、ユニット対決に勝つという戦略もあることに気が付いたのだ。

「だが、コネならガニメデも強い。うーむ…そうだな。彼なんか良いかもしれない…」

そう言うと、彼は何やら思案し始めた。
どうやら思い当たる節があるようだ。

「私から紹介してあげよう。だが…彼は一筋縄ではいかない相手だ。それに彼は美男を特段嫌い、女性しか広告に使わない主義でね。それもごく限られた者のみだ。だが、彼を味方にできれば、強力な援軍になるだろう。ただし、条件として君が直接交渉し、気に入られる必要がある。もし失敗すれば、その時は諦めてくれ。私でも無理だからね。それでもやるかい?」
「やります!」

ヒュアキントスは一瞬たりとも迷うことなく即答した。
彼は一度決めたことは曲げない性格なのだ。

たとえ困難であろうと、それを乗り越えようとする精神力の強さを持っているのである。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...