天界アイドル~ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら~

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第二十六章 ユニット対決第二弾前編

第84話‐1 地球人を作った神

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第84話

「地球人を作ったアヌンナキの1人」とエロスに呼ばれたエンキは、ただ笑みを浮かべていた。

遥か昔、地球は天界に存在する二ビル星の神々“アヌンナキ”に支配されていた。

アヌンナキは高度な遺伝子技術を有しており、彼らは地球上の生物を遺伝子改造し、人類の祖先となる人間を生み出したのだ。

アヌンナキが人間を作ったことは地球の「シュメール神話」において神話として作り変えられ、伝承されている。

各世界の神話で神による世界の創造の物語は伝承されているが、大元はシュメール神話で伝承されているアヌンナキの伝説なのだった。

いわば人間が信仰してきた『神、創造神』とはアヌンナキだといっていいだろう。

そんなアヌンナキの1人であるエンキもまた、地球人を作った創造神での1人であったーーーー

「私は地球に思い入れがあるんだよ。地球人を作った神の1人だからね」
エンキはそう言って微笑んだ。


「なるほどね。それで地球人を使って実験しているというわけか」
「そうだよ。私の作った人類が、どこまで進化するのか興味があってね。私は人間の可能性を信じているんだ」
「だが、君が地球に関心を向けるのはそれだけではないのだろうーー?」

エンキはそう訊かれたがそれには答えず、こう続けた。




「地球人を作った遺伝子技術…我々アヌンナキは君からその技術を伝授された。なぜなら君は、愛の神・・・命を作ることができる存在でもある」

愛の神エロスは天界最高位の神であるが、彼は愛の神として遺伝子工学の始祖でもあり、遺伝子操作や生命の誕生に関しての知識を持っているのである。

そして天界の法律ーー銀河法典を司る神の1人であり、愛に関する法典を制定・管理しているのが、このエロスなのだ。

同性愛や複数愛も認め、また性愛を感じない性的指向も認め、様々な愛の形を認めるのが、彼の役割である。

同時に、生命の誕生や遺伝子工学について誰よりも知識があり、彼自身もそれを駆使して多くの新しい命を誕生させてきたという一面もあるのだ。

天界において自然分娩より体外受精や体外出産が主流になったのは、エロスが提唱したからだと言われているくらいだ。

「天界最高位である君が関わっているなら・・・彼らはただの低位の神ではないのだろうね」
「はは、さすがに鋭いな!まあ、僕も彼らの動向には注意しておくよ」
「ところで……例の計画はどうなっているんだい?順調に進んでいるのか?」
「ああ、もちろんだよ」
「それは楽しみだな」

エンキはそう言うとその場から立ち去った。

1人残されたエロスは、含み笑いを浮かべた。
「さあ、君達はどう動くのかな……?面白いゲームになりそうだ……」

そう言って彼もその場を後にしたのだった。
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