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第二十九章 最終章①ライブ開催編
第91話‐1 ガニュメデスの過去
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第91話 ガニュメデスの過去
ヒュアキントスとアドニスの更生を認め、処刑が回避されるかの審判が、エロスとオリンポス12神の13人により行われることとなった。
更生が認められるには11人以上が賛成することが条件だった。
現状9人が賛成派となっているが、反対派でありアドニスに嫉妬しているアレスは、彼らを失墜させようと暴走しようとしていた。
***
「これはヘラ様!お久しぶりです!」
ガニュメデスは、自分の元を訪れたヘラを見て嬉しそうに笑った。
ガニュメデスはゼウスのお気に入りであるが、ヘラも彼を子供のように可愛がっていた。
「久しぶりねガニュメデス!元気にしてたかしら?」
「はい!お陰さまで!」
「貴方が音楽活動をするなんて驚いたけど、貴方、変わったようね。前より良い顔付きになったわ」
「ありがとうございます!大変なこともありますが、お陰様で楽しいです」
ガニュメデスは嬉しそうに笑う。
そんなガニュメデスの様子を見て、ヘラは思わず笑みを溢す。
彼女は優しい眼差しで彼を見つめていた。
「ところで今日はどのようなご用件でしょうか?」
「ガニュメデス。貴方は今幸せかしら?」
「え……?そうですね。以前の僕は愛を知らずに冷めていました。ですが今は、性愛感情はなくても愛という気持ちがどんなものかわかったように思います。今は、幸せだと感じてます」
「そう…。私はね、貴方を息子のように思っているわ。貴方はかつて孤児で……闇の宇宙種族に誘拐され、奴隷のような扱いを受けていた。そしてそんな子供はこの宇宙に多くいる……貴方が木星の衛星を欲しいといったのはそのことに関係があるのでしょう?」
「………。お見通しでしたか。はい。木星の衛星『ガニメデ』は僕の名前の由来となっている星でもあり、そしてこの宇宙に横行している、闇の宇宙種族による大量誘拐に対策するための基地でもある星です。僕は支援したいと思っています」
「そう。貴方にとって辛く、深いトラウマとなっている過去だけど、貴方は治療の際、その忌まわしい記憶を消さなかった。貴方は戦うつもりだったのね」
「はい。医者からは記憶を消すことを勧められましたが、忘れたくなかったんです。そして自分なりにできることをしたいと思ってます」
ヘラは涙ぐんで微笑んだ。
「貴方は愛を知らなかったと言っているけど、貴方にはすでに深い愛があったのよ。そうでなければ他者を救おうとは思わないもの……」
「ヘラ様……」
(私も、自分の沽券ばかり捉われていてはダメね…ガニュメデス、そしてあの少年達が教えてくれたわ……)
ヘラは心の中でそう思ったのだった。
ヒュアキントスとアドニスの更生を認め、処刑が回避されるかの審判が、エロスとオリンポス12神の13人により行われることとなった。
更生が認められるには11人以上が賛成することが条件だった。
現状9人が賛成派となっているが、反対派でありアドニスに嫉妬しているアレスは、彼らを失墜させようと暴走しようとしていた。
***
「これはヘラ様!お久しぶりです!」
ガニュメデスは、自分の元を訪れたヘラを見て嬉しそうに笑った。
ガニュメデスはゼウスのお気に入りであるが、ヘラも彼を子供のように可愛がっていた。
「久しぶりねガニュメデス!元気にしてたかしら?」
「はい!お陰さまで!」
「貴方が音楽活動をするなんて驚いたけど、貴方、変わったようね。前より良い顔付きになったわ」
「ありがとうございます!大変なこともありますが、お陰様で楽しいです」
ガニュメデスは嬉しそうに笑う。
そんなガニュメデスの様子を見て、ヘラは思わず笑みを溢す。
彼女は優しい眼差しで彼を見つめていた。
「ところで今日はどのようなご用件でしょうか?」
「ガニュメデス。貴方は今幸せかしら?」
「え……?そうですね。以前の僕は愛を知らずに冷めていました。ですが今は、性愛感情はなくても愛という気持ちがどんなものかわかったように思います。今は、幸せだと感じてます」
「そう…。私はね、貴方を息子のように思っているわ。貴方はかつて孤児で……闇の宇宙種族に誘拐され、奴隷のような扱いを受けていた。そしてそんな子供はこの宇宙に多くいる……貴方が木星の衛星を欲しいといったのはそのことに関係があるのでしょう?」
「………。お見通しでしたか。はい。木星の衛星『ガニメデ』は僕の名前の由来となっている星でもあり、そしてこの宇宙に横行している、闇の宇宙種族による大量誘拐に対策するための基地でもある星です。僕は支援したいと思っています」
「そう。貴方にとって辛く、深いトラウマとなっている過去だけど、貴方は治療の際、その忌まわしい記憶を消さなかった。貴方は戦うつもりだったのね」
「はい。医者からは記憶を消すことを勧められましたが、忘れたくなかったんです。そして自分なりにできることをしたいと思ってます」
ヘラは涙ぐんで微笑んだ。
「貴方は愛を知らなかったと言っているけど、貴方にはすでに深い愛があったのよ。そうでなければ他者を救おうとは思わないもの……」
「ヘラ様……」
(私も、自分の沽券ばかり捉われていてはダメね…ガニュメデス、そしてあの少年達が教えてくれたわ……)
ヘラは心の中でそう思ったのだった。
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