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第二十九章 最終章①ライブ開催編
第91話‐2 ガニュメデスの過去
しおりを挟むアレスは、ヒュアキントスとアドニスがかつて大罪を犯したことを世間に暴露する計画を進めていた。
(証拠を入手する必要があるな)
だが簡単に手に入るものではないだろう……とアレスは思ったが、それでもやるしかないと思い行動に出た。
自分の権限を使い、ヒュアキントスとアドニスが以前犯した罪を調べ上げたのだ。
(ふん……こんなものか)
2人の過去の罪を暴くための調査書を作成すると、それを匿名で告発することにしたのである。
(これで奴等は終わりだな)
アレスは自分の勝利を確信してほくそ笑んだ。
***
「やあ諸君。こうして集まるのは久しぶりだね」
美少年達B-PROJECTのプロデューサーであるロキは、全員集合したメンバーを見渡して言った。
「まさか君達がここまで来るとは。天界に地球のアイドル文化を広めることを目的として『天界アイドルプロジェクト』を始めたが、僕の予想を遥かに越えてくれた。シリウスでは君達を知らない者はいないほど人気を博すことに成功した。これは、シリウスに留まらず他の星に進出しても成功するだろうね」
ロキの言葉にメンバーは嬉しそうな表情を浮かべる。
「今後は、君達の後を追いかける後輩アイドルの育成も進めていくつもりだよ。その点はヘルメス君と共同で行う予定だ」
ユニット対決ではライバルとして争った2人だが、当初の約束通り、今後は共存していくようだ。
「さて。君達だが。先日のユニット対決で勝者には褒美を与えたが、敗者には何も与えられていない。だがここまで頑張ってくれた君達の努力を汲んで、次の企画を最終地点にしようと思う」
その言葉に全員が息を呑む。
ついに自分達が望んでいたものが実現される時が来たのかもしれないからだ。
「恋愛禁止令も解除され、当初君達が提示した願いも叶えようと思う。次の企画は……」
ゴクリと唾を飲み込む音が部屋に響いた気がした。
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