天界アイドル～ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら～

第三十一章 最終章③ 真相の開示編

第99話-3 エロスの本心

「そこには闇の宇宙種族の企みもあった。そのおかげで、アトランティスも崩壊し、多くの人間が死んだ。私は悔しかったよ。何故こんなことになってしまったのか……」

エンキの表情は暗いものだった。
その表情からは深い後悔の念を感じることができた。


「あの…アドニスとヒュアキントスが実験体というのは、どういう意味ですか……？」

ガニュメデスが疑問を呈す。
すると今度はエロスが口を開いた。


「君達には到底信じられない話かもしれない。実は……ヒュアキントスとアドニス、君達2人は実験により作り出された神なんだ。つまり、かつて地球人を作った時のように、遺伝子技術により生まれた実験生命体という訳さ」
「「！？」」
「そんな馬鹿な！」
美少年達は驚愕のあまり叫び声を上げた。

「信じられないのも無理はない。だけど本当なんだ。君たちは、僕とアヌンナキによって作られた存在なんだよ」
「でも…僕達には記憶があります！僕もアドニスも、かつてシリウスにいた孤児で、施設で育ちました。そしてデメテル様が僕達を迎え入れてくれたんです……！」
「それは君達の記憶を書き換えたからだ。君達2人には、親は存在しない。そして……」

あまりに想定外の衝撃的な話にショックを受けるヒュアキントスとアドニスだったが、さらに追い打ちをかけるようにエロスは続ける。


「君達の雛形は……ガニュメデスだったんだ。ガニュメデスのDNAを改造して、それを人工子宮に移植することで誕生したのが、君達だ」
「えっ！？」
「何だって！？」

突然の告白に動揺を隠せない美少年たちに対し、エロスは淡々と語り続けた。

「ガニュメデスは特別な存在だった。元々闇の宇宙種族に誘拐された子供だったが、光の種族による救出活動により、ゼウスがガニュメデスを保護したが、その美しさは最も美しい少年だと形容してもいいほどだった。ガニュメデスのような美しさを持つ特別な少年神を、人造的に作ることができれば、更なる発展に繋がるのではないか？そう考えた我々は、ガニュメデスを実験台にすることを決意したのだ」
「「・・・」」

美少年達は驚きのあまり言葉を失うしかなかった。


第100話に続く・・・