あの世で働き幾星霜~自由な次元の魔女~

蒼華 スー

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入学しました!

別人side

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─ヒロインside─


    私は、五歳の誕生日の翌日に前世の記憶を思い出したの!そしてその記憶により私は大ヒットした乙女ゲーム、[妖しき学園~命をかけた恋をしよう~]のヒロインだという事が分かったの!
    ふふふっ、待っていてね。イケメンのあやかしさん達。
    この世界は私の為にあるのよ。だから、この乙女ゲームの裏ルート、逆ハーエンドを目指す事にした。


    あぁ、高校が楽しみだわー!



    そうして、時が経って私は無事特待生として学園に入れた。は、いいんだけど……。


    なんで!私が主席入学者のはずでしょ!!??意味わかんない!!!届いた制服にもSクラスの証である刺繍がないじゃない!!!どうなっているのよ!
    ……そうよ!何かの間違いよ!


    私はすぐに学園に確認したわ!でも、主席入学者は別の人だって言うのよ!!


    なんなのよ!!!この世界は私の為にあるはずでしょ!!??誰よ!!私の初エンカウントのフラグ折ったのは!!


    まぁいいわ。他のフラグをことごとく立てればいいのよ!



    私は、そう思って学園へ向かったわ。
    そして無事、悪役令嬢の前で転んだの!
    ふふふっ、これでヴァンス様とのエンカウントはできるはずだわ!



    って思ってたのに、なんなのよあの子!!ヴァンス様とのエンカウント邪魔してんじゃないわよ!モブの癖に!!

    それに、なんでモブのあんたが悪役令嬢のレジィーナ達より綺麗なのよ!
    ってそうじゃなくて、ふざけないで!


    って、はぁああああー!!なんであんたがヴァンス様と話してるのよ!!しかもあんたが主席入学者ってどれだけ私のフラグ折ってんのよ!!!ふざけないで!!!



    そう思っていたら、またレストランでのフラグを折られたわ!!!ふざけないで!!!なんでよ!!それにつまみ出されるわ、なんなのよ!!!!!



    まぁ、次のフラグが一番の要だし次に行こうかしら。 


    って事で庭園の池に行ったらまたあの子が来た!ふざけないで!なんなのよ!!なんなのよあの子!!!








─紫苑side─


    私は五歳の誕生日の翌日、目が覚めたらこの世界が人気の乙女ゲームである[妖しき学園~命をかけた恋をしよう~]通称[妖恋]の世界だという事が分かった。
    それと同時に驚愕した。何故ならその乙女ゲームで私は悪役令嬢の一人として登場していたキャラと同じ名前、同じ家族構成だったからだ。しかも、死亡フラグ付きの。


    あぁ、死んだわ。
    ……いや、まだなんとかなるんじゃない?確か死亡フラグは、あやかし達との戦いだったはず……。
    よし。せめて自衛くらいはできる様に修行をつけてもらおう。幸い、環境は整っているし……。
    他の対策方法も考えなくちゃ。


    まず、学園に行かないっていうのも家の事情で無理だ。
    妖巫女と関わらないってのも難しいと思うからここの二つは覚悟しておこう。


    とか考えていたら、ふすまの向こうからお手伝いさんの林さんから声をかけられた。


    「お嬢様、おはようございます。朝食の準備が整いました。」
    「はーい。分かった。」



    いつも通り、五歳児の返事をした。


    ……くっ。案外精神的負担が……。まぁ仕方ない。急に大人びたら不思議がられるもんね。
    この事はご飯の後に考えよう。


    私は着替えを済ませ、朝食を食べに向かった。







    朝食後にいろいろ考えたが、やっぱり自分が強くなる方が一番いいと判断した。
    そこから私は、修行をしまくった。何年も何年も。


    そうしているうちに学園の中等部へ入学し、高等部へ入学した。


    高等部の校舎への道で悪役令嬢その2のレジィーナ達がいた。そして私の目の前を歩いていたレジィーナ達の前で妖巫女であるヒロインがコケた。

 
    あぁ、フラグがたったかな……。


やっぱり、ここはあの乙女ゲームの世界なんだと改めて思った。
    思わず、遠い目をしてしまったのは悪くないと思う。


    ……死亡フラグからは逃げられないのかな?



    とか思っていたら、ありえないものを見た。



    乙女ゲームには登場していなかったはずであるモブの一人が、あやかし達の中であらゆる面でトップクラスを誇る純血のヴァンパイアであるレジィーナよりも遥かに美しい容姿、立ち居振る舞いをしていたからだ。


    しかも、その人はレジィーナ達を軽くあしらいこちらへ向かってきた。……と思ったら、ヒロインである栗崎愛菜がその人に向かって怒鳴ってきた。



    えっ?なんで?ヒロインって明るくて優しい性格の子っていう設定じゃなかったけ?……ん?あの子も転生者なの!?
    ど、ど、ど、とういうこと!?



    私は軽くパニックになった。
    そうやって悩んでいるうちに栗崎さんも軽くあしらいこちらへやってきた。
    そして声をかけられた。


    心地よい声だった。そして目を見て驚愕した。その人の目は、まるで美しいオーロラみたいに色を変える鮮やかな虹色をしていたのだ。


    綺麗。


    ……はっ!そうだこっちも何か話さなきゃ。なるべく好印象になる様に……。


    慌てて返事をして話していると、不意に声をかけられた。声がした方をみると生徒会長がいた。


    な、な、な、なんで!?私、何かした!?


    とか思っていたら用があるのは蒼の方らしい。よかった。ホッ。
    (蒼って呼び捨てにしてもいいって言われたんだ。やったね。)

    ん?何やら蒼は視線で助けを求めている様だが、死亡フラグが立つかもしれない相手には近づきたくないからごめんと心の中で謝罪し、校舎へ入っていった。



    入学式を終えた後、また蒼と合流出来たのでそのまま蒼とレストランへ向かった。



    蒼との会話は楽しく、弾んだ。だが、また事件がおきた。
    レジィーナ達が絡んで来たのだ。
    蒼は、平然とした顔でレジィーナ達に返答をしていた。が、それはレジィーナ達の神経を逆撫でる事になった。だが、レジィーナ達が怒って顔を赤くしても、さらに平然と返答をしている蒼。



    やめて!蒼!!相手は純血のヴァンパイアなんだよ!!早く止めなきゃ蒼が死んじゃう!!けど、どうすれば?私にヴァンパイアを止めるだけの力があるかと聞かれると、分からない。けど……!!



    とか思っていたら、レジィーナが蒼のアイスティーを蒼にかけようとした。



    危ない!!!



    私は絶望した。せっかく友達になりたいと一目見た時から思った人を守る事が出来ない事と、蒼の命の危険を感じて。

    けど、その予想は覆された。
    蒼がレジィーナの手首を一瞬の内に掴んだのだ。


    すごい。


    普通の人間がヴァンパイアの手首を掴んだというありえない状況に思わず唖然としたのは仕方が無いだろう。
    その後のレジィーナ達の攻撃も軽くあしらい、普通の人間では出せないくらいの【殺気】を蒼が出した時は何が起こったのか始めは脳が処理出来なかった。


    そして生徒会メンバーが声をかけてきた。


    そしていろいろあって今、庭園の池の奥にあるベンチに座っている。


    ……なぜこうなった。


    という光景が目の前で起きていた。
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