2 / 10
2
しおりを挟む
「お父様」
「ああ、フィア本当にすまなかった。あんな愚か者を君の婚約者に推しただなんて。いくら謝っても足りないよ」
しゅんと落ち込み謝る姿はまるで捨てられた子犬のように可愛い。
まぁ成人どころか娘をもつ立派な大人なのだが、お父様大好きな娘から見たら子犬なのだ。
ふふふ、可愛い。
「もうよろしいですわ。ですが、こんなことになり私も少し落ち込みました。なので……」
「なので?」
「お父様の時間がある時で構いませんので私とデートして下さいませ」
お願いと腕に抱きつき言えば、それまでの子犬顔から一瞬にして笑顔に変わる。
その笑った顔も大好きですわ。
「勿論構わないよ!そうだね、あんな男なんて忘れて父様と出かけよう!」
私もそうとうのファザコンだが、お父様もお父様で娘が大大大好きなのよね。
ある意味両想いだわ。
親子の血の繋がりさえなければ即座にプロポーズして結婚しているわ。ふふふ。
「フィアはどこか行きたい所はあるかい?それとも街に出て久しぶりに買い物でもしようか?」
「お父様とならどこへでも構いませんわ」
2人でいられるならどんな場所だって幸せなんですもの。
「うぅ、娘が可愛い過ぎて辛い」
「あら、私はお父様のことが大好き過ぎて辛いですわ」
「うぅっ」
どうしたらいいんだと頭を抱え唸る父が可愛い過ぎる。
とまぁ、皆さんお気付きだと思いますけど私転生者ですわ。
何があってこんなことになったかは分かりませんけど、こんな素敵な父がいる娘に転生させてくれた方には全力で感謝を捧げたいくらい。
美しい銀髪に宝石のように美しい青い瞳、一見冷たく見えるが娘にはとことん甘い最早私にとっては理想の王子様のようなお父様。
まさに目の保養。
突然のことに慣れるまでは混乱と戸惑いはありましたけど、こんな理想的な男性が側にいてくれるのだもの、頑張ろうって思えるわ。
まぁ一つ文句があるとすれば、何故奥さんじゃなくて娘なんだよってところね。
まあ親子という立場を利用してガン見してても捕まることはないのは最高よ。
あ、お母様?お母様は私が小さい頃に病で亡くなったらしいわ。
私は瞳の色以外はお母様譲りの美人らしいけど、どうせならお父様と一緒が良かったなぁ。
だからこそ、なのかは分からないけどそれはもう大切に、本当に大切に育てられた。
それはお父様だけでは収まらず、執事や侍女、料理長などの使用人たちにも。
嫌われるよりはいいから私は構わないけど。
おかげでこれまで辛い思いもせず無事に生きてこれたし。
あ、いえ、あの元婚約者は別ね。マジで腐ってたわ。
あの後も何を思ったのか「ではまた」との謎の言葉を残して去っていったし。
婚約破棄した相手に言う言葉がそれ?と思ったし。友達かよ。
気分は最悪で、何か気分転換でもしないとやっていけない。
そう、お父様との癒しのひと時とか。
「そうですわ!今日は料理長に私の大好きなケーキをお願いしましたの。ですからお父様も一緒にお茶をして予定を立てませんか?」
何よりお父様が一番だが、女の子にとって甘いものは別腹なのだ。
ケーキ、ケーキ♫とご機嫌な私に、最早愚か者の存在など記憶の彼方に忘れ去れられているのだった。
むしろ投げ捨ててやるわ。
「それはとても魅力的なお誘いだ。勿論一緒にするとも」
ふふふ、お父様だーい好き!!
にっこにっこ笑顔の親子に周りも微笑ましそうにそれを眺めているのだった。
メアリー、貴方また目から汗が出てるわよ。
ボソリと「尊い」とか聴こえた気がするし、貴方は本当に私たち親子が大好きね!
私はお父様が大好き!
「ああ、フィア本当にすまなかった。あんな愚か者を君の婚約者に推しただなんて。いくら謝っても足りないよ」
しゅんと落ち込み謝る姿はまるで捨てられた子犬のように可愛い。
まぁ成人どころか娘をもつ立派な大人なのだが、お父様大好きな娘から見たら子犬なのだ。
ふふふ、可愛い。
「もうよろしいですわ。ですが、こんなことになり私も少し落ち込みました。なので……」
「なので?」
「お父様の時間がある時で構いませんので私とデートして下さいませ」
お願いと腕に抱きつき言えば、それまでの子犬顔から一瞬にして笑顔に変わる。
その笑った顔も大好きですわ。
「勿論構わないよ!そうだね、あんな男なんて忘れて父様と出かけよう!」
私もそうとうのファザコンだが、お父様もお父様で娘が大大大好きなのよね。
ある意味両想いだわ。
親子の血の繋がりさえなければ即座にプロポーズして結婚しているわ。ふふふ。
「フィアはどこか行きたい所はあるかい?それとも街に出て久しぶりに買い物でもしようか?」
「お父様とならどこへでも構いませんわ」
2人でいられるならどんな場所だって幸せなんですもの。
「うぅ、娘が可愛い過ぎて辛い」
「あら、私はお父様のことが大好き過ぎて辛いですわ」
「うぅっ」
どうしたらいいんだと頭を抱え唸る父が可愛い過ぎる。
とまぁ、皆さんお気付きだと思いますけど私転生者ですわ。
何があってこんなことになったかは分かりませんけど、こんな素敵な父がいる娘に転生させてくれた方には全力で感謝を捧げたいくらい。
美しい銀髪に宝石のように美しい青い瞳、一見冷たく見えるが娘にはとことん甘い最早私にとっては理想の王子様のようなお父様。
まさに目の保養。
突然のことに慣れるまでは混乱と戸惑いはありましたけど、こんな理想的な男性が側にいてくれるのだもの、頑張ろうって思えるわ。
まぁ一つ文句があるとすれば、何故奥さんじゃなくて娘なんだよってところね。
まあ親子という立場を利用してガン見してても捕まることはないのは最高よ。
あ、お母様?お母様は私が小さい頃に病で亡くなったらしいわ。
私は瞳の色以外はお母様譲りの美人らしいけど、どうせならお父様と一緒が良かったなぁ。
だからこそ、なのかは分からないけどそれはもう大切に、本当に大切に育てられた。
それはお父様だけでは収まらず、執事や侍女、料理長などの使用人たちにも。
嫌われるよりはいいから私は構わないけど。
おかげでこれまで辛い思いもせず無事に生きてこれたし。
あ、いえ、あの元婚約者は別ね。マジで腐ってたわ。
あの後も何を思ったのか「ではまた」との謎の言葉を残して去っていったし。
婚約破棄した相手に言う言葉がそれ?と思ったし。友達かよ。
気分は最悪で、何か気分転換でもしないとやっていけない。
そう、お父様との癒しのひと時とか。
「そうですわ!今日は料理長に私の大好きなケーキをお願いしましたの。ですからお父様も一緒にお茶をして予定を立てませんか?」
何よりお父様が一番だが、女の子にとって甘いものは別腹なのだ。
ケーキ、ケーキ♫とご機嫌な私に、最早愚か者の存在など記憶の彼方に忘れ去れられているのだった。
むしろ投げ捨ててやるわ。
「それはとても魅力的なお誘いだ。勿論一緒にするとも」
ふふふ、お父様だーい好き!!
にっこにっこ笑顔の親子に周りも微笑ましそうにそれを眺めているのだった。
メアリー、貴方また目から汗が出てるわよ。
ボソリと「尊い」とか聴こえた気がするし、貴方は本当に私たち親子が大好きね!
私はお父様が大好き!
2
あなたにおすすめの小説
婚約破棄、別れた二人の結末
四季
恋愛
学園一優秀と言われていたエレナ・アイベルン。
その婚約者であったアソンダソン。
婚約していた二人だが、正式に結ばれることはなく、まったく別の道を歩むこととなる……。
攻略対象の王子様は放置されました
蛇娥リコ
恋愛
……前回と違う。
お茶会で公爵令嬢の不在に、前回と前世を思い出した王子様。
今回の公爵令嬢は、どうも婚約を避けたい様子だ。
小説家になろうにも投稿してます。
貴方の幸せの為ならば
缶詰め精霊王
恋愛
主人公たちは幸せだった……あんなことが起きるまでは。
いつも通りに待ち合わせ場所にしていた所に行かなければ……彼を迎えに行ってれば。
後悔しても遅い。だって、もう過ぎたこと……
どうかそのまま真実の愛という幻想の中でいつまでもお幸せにお過ごし下さいね。
しげむろ ゆうき
恋愛
ある日、私は婚約者であるアルタール・ロクサーヌ殿下に婚約解消をされてしまう。
どうやら、殿下は真実の愛に目覚めたらしい……。
しかし、殿下のお相手は徐々に現実を理解し……。
全五話
悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした
ゆっこ
恋愛
豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
そう、これは断罪劇。
「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」
広間がざわめいた。
けれど私は、ただ静かに微笑んだ。
(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
それは本当に真実の愛なのかしら?
月樹《つき》
恋愛
公爵家の一人娘マルガリータと王太子エドワードは運命の出会いで結ばれた二人だった。
様々な人々の反対を押し切って、やっと婚約者になれた二人。
この愛こそが【真実の愛】だと信じて疑わなかった。
でも少しずつ自分から離れていくエドワード様…。
婚約してから10年の月日が経ち、もうすぐ結婚というのに、いつの間にか
2人の間には距離が出来ていて…
この作品は他サイトにも投稿しております。
冤罪で婚約破棄したくせに……今さらもう遅いです。
水垣するめ
恋愛
主人公サラ・ゴーマン公爵令嬢は第一王子のマイケル・フェネルと婚約していた。
しかしある日突然、サラはマイケルから婚約破棄される。
マイケルの隣には男爵家のララがくっついていて、「サラに脅された!」とマイケルに訴えていた。
当然冤罪だった。
以前ララに対して「あまり婚約しているマイケルに近づくのはやめたほうがいい」と忠告したのを、ララは「脅された!」と改変していた。
証拠は無い。
しかしマイケルはララの言葉を信じた。
マイケルは学園でサラを罪人として晒しあげる。
そしてサラの言い分を聞かずに一方的に婚約破棄を宣言した。
もちろん、ララの言い分は全て嘘だったため、後に冤罪が発覚することになりマイケルは周囲から非難される……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる