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それから数日すると、真っ青な顔のエリクソン子爵夫妻がトーマスを連れ我が家にやってきた。
その顔色からやっと現状を理解したのかと思ったが、あの愚か者は未だに分かっていないようで、不機嫌だと言わんばかりの顔で父親に引き摺られながらやって来た。
帰れ。塩でも撒くか?
「こ、この度は愚息が大変ーー」
「こんな所でする話しではないだろう。どうぞ中へ」
今日も今日とて素敵な微笑みのお父様は見ているだけで癒されるわねぇ。
写真に残して部屋に飾りたい。
お父様に手を引かれるまま部屋へ向かえば、テーブルを挟みエリクソン子爵たちも腰かける。
「たっ、大変申し訳ありませんでした!」
全身を震わせながらも頭を下げる子爵に、隣りでは同じく夫人も真っ青な顔色で頭を下げていた。
「…………」
いや、お前も謝れよ。
ただ一人、のほほんと出されたお茶を啜る愚か者は謝る気がないらしい。
というか、謝る理由が分かっていないのだろう。バカだから。
「父上、母上何を謝ることがあるのです。確かにフィーとは婚約は破棄になりましたが、侯爵も同意の上だったのですから何も問題はないでしょう?」
「「「「「…………」」」」」
はい、バカ~~。
「それにいずれはこの侯爵家も私が継ぐのです。ならば将来義理の息子ともなる僕に侯爵も広い心で許してくれるに決まっているではないですか」
「「「「「…………」」」」」
はい、バカ~~。パート2
あまりに身勝手であり、愚かな発言に皆空いた口が塞がらない。
あ、私は笑いを堪えるのに必死で閉じてましたけど。
なぜこのバカは我が家を継げると思っているのか。
それはあれか?我が家の乗っ取りでも考えたのか?その頭で?
やめてよ、笑いが止まんないじゃない。あんたバカだから無理よ。
「ト、トーマス、お前何を言っているんだ?」
「はい?何のことです?」
本当に、本当に分からないという顔で父親を見るバカは最早人間なのか疑わしくなってくる。
チンパンジーの方がまだマシなのでは?
「お前はソフィア嬢と婚約破棄したのだぞ?それをどうしてこのまま侯爵家を継げるなどと思っているのだ?」
え?いや、それもちょっと違うんだけど……
「口を挟んで申し訳ないが彼は婿養子であったため、あのまま結婚していたとしてもこの侯爵家当主にはなれなかった」
「「「え?」」」
流石はお父様。
私がツッコミを入れる前に言って下さって嬉しいですわ。
そして御三方、貴方達どこまでバカなの?もういい大人でしょ?
「何を驚いているんだ?この侯爵家を継ぐのは初めからソフィアだと決まっている」
本当にどうしたらそんな勘違いができるのか、バカはこの侯爵家の血を一滴も継いでもいないのに。
「は?で、ですが、フィーは女です!だからこそ僕を婿養子として受け入れーー」
「女だからなんだい?君がどう勘違いしていたかは知らないが、現在では女性でも家は継げるんだよ。異議を唱えるなら陛下に申し上げるんだな。あと君も貴族なら女性を下に見るような発言は控えた方がいい」
あと私のこともうフィーって呼ぶんじゃねぇよ。私はお前のことクズって呼ぶぞ。バカでもいいかもしれない。
「そ、そんな……」
ガクリと力尽きたように床に手をつくバカ。
このバカそんなことも知らず生きてきたのか。
そしてバカの親2人、アンタたちも知らんかったんかい!
「大体継ぐつもりだったというが君は何もしていなかったじゃないか。そのための勉強もそうだが、学園での成績も見られたものじゃないと報告があったが?周りとの付き合いも全くしていなかったんだろう?」
貴族社会は勉強も大事だが、何より人付き合いが物を言う。
いくら頭がよくても人付き合いが出来ない者はこうして手を離されるしかないのだ。
終わったな、トーマス。
笑っちゃうぜ、トーマス。
バカは治らなかったな、トーマス。
お父様だーい好き!
その顔色からやっと現状を理解したのかと思ったが、あの愚か者は未だに分かっていないようで、不機嫌だと言わんばかりの顔で父親に引き摺られながらやって来た。
帰れ。塩でも撒くか?
「こ、この度は愚息が大変ーー」
「こんな所でする話しではないだろう。どうぞ中へ」
今日も今日とて素敵な微笑みのお父様は見ているだけで癒されるわねぇ。
写真に残して部屋に飾りたい。
お父様に手を引かれるまま部屋へ向かえば、テーブルを挟みエリクソン子爵たちも腰かける。
「たっ、大変申し訳ありませんでした!」
全身を震わせながらも頭を下げる子爵に、隣りでは同じく夫人も真っ青な顔色で頭を下げていた。
「…………」
いや、お前も謝れよ。
ただ一人、のほほんと出されたお茶を啜る愚か者は謝る気がないらしい。
というか、謝る理由が分かっていないのだろう。バカだから。
「父上、母上何を謝ることがあるのです。確かにフィーとは婚約は破棄になりましたが、侯爵も同意の上だったのですから何も問題はないでしょう?」
「「「「「…………」」」」」
はい、バカ~~。
「それにいずれはこの侯爵家も私が継ぐのです。ならば将来義理の息子ともなる僕に侯爵も広い心で許してくれるに決まっているではないですか」
「「「「「…………」」」」」
はい、バカ~~。パート2
あまりに身勝手であり、愚かな発言に皆空いた口が塞がらない。
あ、私は笑いを堪えるのに必死で閉じてましたけど。
なぜこのバカは我が家を継げると思っているのか。
それはあれか?我が家の乗っ取りでも考えたのか?その頭で?
やめてよ、笑いが止まんないじゃない。あんたバカだから無理よ。
「ト、トーマス、お前何を言っているんだ?」
「はい?何のことです?」
本当に、本当に分からないという顔で父親を見るバカは最早人間なのか疑わしくなってくる。
チンパンジーの方がまだマシなのでは?
「お前はソフィア嬢と婚約破棄したのだぞ?それをどうしてこのまま侯爵家を継げるなどと思っているのだ?」
え?いや、それもちょっと違うんだけど……
「口を挟んで申し訳ないが彼は婿養子であったため、あのまま結婚していたとしてもこの侯爵家当主にはなれなかった」
「「「え?」」」
流石はお父様。
私がツッコミを入れる前に言って下さって嬉しいですわ。
そして御三方、貴方達どこまでバカなの?もういい大人でしょ?
「何を驚いているんだ?この侯爵家を継ぐのは初めからソフィアだと決まっている」
本当にどうしたらそんな勘違いができるのか、バカはこの侯爵家の血を一滴も継いでもいないのに。
「は?で、ですが、フィーは女です!だからこそ僕を婿養子として受け入れーー」
「女だからなんだい?君がどう勘違いしていたかは知らないが、現在では女性でも家は継げるんだよ。異議を唱えるなら陛下に申し上げるんだな。あと君も貴族なら女性を下に見るような発言は控えた方がいい」
あと私のこともうフィーって呼ぶんじゃねぇよ。私はお前のことクズって呼ぶぞ。バカでもいいかもしれない。
「そ、そんな……」
ガクリと力尽きたように床に手をつくバカ。
このバカそんなことも知らず生きてきたのか。
そしてバカの親2人、アンタたちも知らんかったんかい!
「大体継ぐつもりだったというが君は何もしていなかったじゃないか。そのための勉強もそうだが、学園での成績も見られたものじゃないと報告があったが?周りとの付き合いも全くしていなかったんだろう?」
貴族社会は勉強も大事だが、何より人付き合いが物を言う。
いくら頭がよくても人付き合いが出来ない者はこうして手を離されるしかないのだ。
終わったな、トーマス。
笑っちゃうぜ、トーマス。
バカは治らなかったな、トーマス。
お父様だーい好き!
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