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敗因は恋人
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不運が重なり限界までおしっこを我慢していた受けが、攻めにちょっかい出されて漏らさせられる話です。
登場人物
一芽(はじめ)
受け。22歳。可愛いとかっこいいの間。
見た目はチャラいけどピュアで一途。
攻めのことが好きすぎてよく病むタイプ。
征一(せいいち)
攻め。24歳。知的なイケメン。
見た目は真面目でいつもは優しいけど、本当は経験人数豊富でドのつくS。
一芽からはせーちゃんと呼ばれてる。
※「隣の夜は青い」と同じキャラです。
-------
それは、オレと恋人のせーちゃんがある日の夜、二人で出かけたときのことだった。
午後から出かけて、服を買って、飲み屋に行って。ラブホに行く前に、深夜まで空いているジェラートが食べられるお店に来た。
「コーヒーあるんだ。ならアイスとホットコーヒーかな……いや、カプチーノか」
「迷うね~、ゆっくり決めていいよ」
店頭で迷うせーちゃんにそう促すけれど、オレは内心焦っていた。
(…早くトイレ行きたい…)
オレは、飲み屋ですでに感じていた尿意を抑えて、平静を装って十五分間歩いて、やっとこのカフェに着いたばかりだった。
本当は、飲み屋でトイレに行こうとした。
でも、男子トイレの前に治安の悪そうな人たちが数人いたから、オレはこのカフェまで我慢してきた。
思い返せば、今日2時に家を出てから今夜10時まで、一度もトイレに行ってない気がする。オレはせーちゃんと違ってお酒も結構飲んでいたし、行きたくなるのも当たり前だった。
5分後、ようやく買ってきたアイスを、横並びの席に置く。
「せーちゃん、先食べてて。オレ、トイレ行ってくる」
そう声をかけてる間も、腰が引けてゆらゆら揺れてしまう。ほんとにヤバい。
「ん、わかった」
せーちゃんはそう答えて、ポケットから携帯を取り出す。
それを確認して、足早にトイレのある店の奥に向かった。
トイレの前につく。急いでドアノブを引こうとした。
けれど……その一つだけあるドアの鍵は、赤になっていた。
(……え……誰か入ってる……)
背筋がひんやりした。
立ってじっとしていると、おしっこしたい気持ちが我慢できなくなってきて、思わずその場で足をトントンする。
「……っ」
意味もなくズボンの位置を直す。
普段なら諦めて席に戻っているところだった。でもオレは、かなり切羽詰まっていて、一刻も早くトイレに行きたかった。
それから、腰を揺らしたり太ももを擦ったりして、三分くらい待ってみたけれど、全然出てこなかった。
(せーちゃん待たせてるし……アイス溶けちゃう……)
かなりおしっこしたいけど……もう少しだけなら、我慢できそうだった。
……しょうがない。我慢しよう。
「おかえり」
「ただいま」
そう答えて、せーちゃんの隣に座る。ぴったりと膝を閉じて腰を引かせると我慢しやすくなって、張り詰めたお腹が少し楽になった。
「……大丈夫?なんかあった?」
「え?」
オレが浮かない顔をしているのがわかったのか、せーちゃんは顔を覗き込んでそう聞いてきた。
誤魔化そうとも思ったけど、そんな余裕はなくて、オレは正直に答えた。
「その……トイレ、全然空かなくて戻ってきた」
「え?大丈夫?」
「あはは、大丈夫。まだ我慢できるよ」
そう言って笑って、アイスを食べ始めた。
それから、十分くらいが経過して、オレがアイスを食べ終わった頃。
「でさ、友達と久しぶりに会うことになったんだけど」
「へ~」
せーちゃんの話を聞きながら、さっき組み替えた足をまた逆方向に組み替える。
それでも落ち着かなくて、椅子に座り直し、前屈みに体勢を変えた。
(ど、どうしよう……全然我慢できない……っ)
元々おしっこがたっぷり溜まっていた膀胱には、さらにさっき飲んだお酒の水分がどんどん流れ込んできていた。
どんなに体勢を変えても、尿意の波が全然引かない。まださっきトイレに行こうとしてからそんなに時間は経ってないのに、早くおしっこがしたいことばかり考えてしまう。
「そしたら、その友達とシャツ色違いだったんだよ」
「マジ?あはは、ッ、んっ…!」
笑ったとき、つい出口が緩んで、おしっこが漏れかけた。
びくんと体が震えて、反射的にぎゅっと膝をくっつける。
その様子はもちろんせーちゃんに見られて、怪訝な顔をされた。
「どうした?」
「な、なんでもないっ。そ、それで……な、何の話だっけ?」
膝を擦って、貧乏ゆすりをして、必死に尿意に耐える。
きゅんきゅんっ
そうしていても、生理欲求を我慢している下腹が疼いて、もう会話どころじゃなかった。
(う~、おしっこしたい、早くおしっこしたい……っ)
そんなオレの様子を察したのか、せーちゃんはオレに言った。
「そういえば、トイレもう空いたんじゃないか?行ってきたら?」
「う、うん……行ってくるね」
オレが今めっちゃおしっこしたいの、せーちゃんにバレてる。恥ずかしい。
けれどもう我慢できなくて、オレは急いで立ち上がってトイレに行った。
でも、その一つしかないトイレには、相変わらず誰かが入ってた。
「っ~~~~……」
きゅぅう…っ
膀胱が疼いて、ゾクゾクッと背筋が寒くなる。太ももの横側をゴシゴシさすって誤魔化した。
ノックをすると、ノックが返ってきた。人が入ってるのは確からしい。
ちょうど死角で誰も見てないのを確認して、ギューっと前を押さえた。
「ふー……っ」
出口を強く揉み込みながら、一度深く息を吐く。そうするとお腹の疼きがおさまって、尿意の波が落ち着き、楽になった。
(大丈夫、まだ我慢できる、我慢できる…っ、がんばれオレ……!!)
すでに許容量を超えかけている膀胱にそう言い聞かせ、オレはトイレを離れた。
「いけた?」
「あはは、空いてなかった~」
そうわざと明るく言って、その出口を塞ぐように足を組んで座る。
「え?まじ?」
「大丈夫大丈夫、我慢できるから」
心配させないようにそう言うけど、その足はぷるぷる震えていた。
せーちゃんは首を傾げて聞いた。
「早めにホテル行く?そっちの方が早そう」
「……うん。そうする」
外に出ると、春のひんやりとした風が頬を撫でた。
その寒さに、再び膀胱が強く収縮して、強い尿意の波が来る。ゾクゾクと身体が震えた。
「っ、はぁっ……外、ちょっと寒いね?」
そう言って、寒いふりをして、その場で足踏みをする。
(お、おしっこ漏れる……ッ)
本当は前を抑え込みたいけれど、さすがに人通りの多い路上でそんなことはできない。膝同士を擦り合わせ、その気持ちを必死に誤魔化した。
「ホテル、場所決まってるの?」
「五分くらいで着くっぽい。もう少し我慢できる?」
「うん……っ」
そう頷いて、歩道を一緒に歩きはじめた。
歩き始めると、強い尿意は誤魔化されて、まだ我慢ができると気を取り直した。
けれど、途中の横断歩道の信号で止まったとき。
ずくんっ…
足を止めた途端、膀胱がおしっこを出そうと強く収縮しだした。
「ッ~~、ん、ふぅ……ッ」
一秒もじっとしていられなくて、片足を上げて揺らす。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫、我慢できるよ」
そわそわするのがみっともなくて、姿勢を正して足の動きを止めた。
…ずくんっ、ずくんっ…
けれど、そうすると膀胱が出口に向けて強くおしっこを押し出そうとしてくる。姿勢が正せなくて、腰が引ける。
(っ~~~、止まってたら、おしっこ出ちゃう……ッ)
足を何度もクロスさせて、周りを無意味に歩いたりして、必死に尿意を誤魔化す。
「………」
せーちゃんはオレを横目で見て、特に何も言わず、手元の携帯に目をやった。
……オレがもう限界なの、絶対バレてる。恥ずかしすぎる。
そうして、ようやくホテルに着いた。
「鍵をご用意しますので、少しお待ちください」
そう言ってカウンターの女の人は、奥に入っていく。
けれど、そのただ立って待っているだけの少しの時間が苦痛だった。
足を止めた途端、まるでトイレの中にいるくらい、強い尿意の波が襲ってきた。
(や、やば……もう、出ちゃう……っ)
カウンターの下で見えないように前を押さえて、落ち着きなく足を擦り合わせ、その生理的欲求に耐える。
けれど、いくら前を抑えても、尿意の波が引いてくれない。必死に閉じてる出口と、大量の液体を溜め込んで膨らんだお腹がジンジンして、もはや感覚がない。
「っ~……早くぅっ……」
思わず呟くと、隣でせーちゃんがオレの顔を覗き込んで、言った。
「頑張って、一芽。あともう少しだから」
「……っ、が、がんばる…っ」
恥ずかしくて、顔が熱い。けれど、もう余裕を取り繕えなかった。
エレベーターの到着を待つ間も、その場で足踏みを繰り返し、無駄にボタンを連打していた。
けれどなかなかエレベーターが降りてこなくて、じっと待つのが辛くて、涙目になる。
「っ、うー…も、膀胱爆発しちゃう…ッ」
膀胱はパンパンに膨らんでいるのに、一時間前に飲んだお酒とか、さっき食べたアイスとか、そこにさらなる水分が無理矢理詰め込まれてくる。
気を抜くとおしっこが飛び出てしまいそうで、冷や汗がすごい。括約筋を意識的に閉ざして、尿道を通ってくる液体を何度もお腹の中に押し戻していた。
多分、一リットル以上我慢している。お腹が重い。早くこの中身を出してしまいたくて、仕方なかった。
そうして、ようやくエレベーターが一階に着いて、俺たちは乗り込んだ。
扉が閉まった、その瞬間。
「…っ!!」
急に、おしっこが出口まで降りてきた感覚がした。
反射的に、ばっと前を強く押さえ込む。
「……大丈夫?」
「っ、あ、あはは、ごめん、オレ、もう限界で……ッ」
前屈みになって腰を揺らして、出口を揉み込んで、出そうなおしっこをお腹の中に必死に戻そうとする。
でも、お腹にそんな隙間はなくて、ついにつうっと熱いものが下着に染み出た感覚がした。
(ほ、本当に出ちゃう、もう無理ぃ……ッ!!)
きゅううっ きゅううっ きゅううっ
「ん…はぁっ…ぅっ……!」
暴れる膀胱を誤魔化すように、前を押さえながら、落ち着きなく体を揺らす。
「………………」
せーちゃんは何も言わない。呆れられてるんじゃないかと思って、怖かった。
でも、恥ずかしいとか言う気持ちより、おしっこが漏れないようにすることを優先するしかなかった。
「っ、はぁっ…ふぅ…っ、……」
エレベーターが到着し、廊下に誰もいないのをいいことに、痛いくらい前を揉み込んで、オレは何とか部屋にたどり着いた。
我慢できずに何度かおちびりしてしまって、パンツが少し濡れている感覚がする。泣きそう。
そうして、カードキーを当てて、予約していた部屋のドアが開いた。
「とっ、トイレどこ?!」
前を揉み込み続けながら、靴を脱ぎ捨て、バスルームの場所を探す。また、押さえ込んだ手の中でつうっと熱いものが溢れた感覚がした。
「一芽、こっち」
ぐい、とせーちゃんに手を引っ張られる。
そのまま、一瞬でベッドに押し倒された。
「……え?」
思考が追いつくより先に、せーちゃんはオレの足の上に自分の体を乗せて、オレが逃げられないように固定する。
そして、オレの顔を見て微笑んで……ぐーっと、オレのぱんぱんな膀胱を指二本で押してきた。
「っ~~~~!?!?!」
目の前が真っ白になる。じゅううっ、と手の中が熱くなった。
けれどそれは一回で収まらず、ぐっ、ぐっと、小刻みに膀胱を指で押して、虐め始めた。
「っ、ぁ、あ、やめ、やめてぇ、お腹壊れちゃうぅっ……!!」
おしっこが出ないように、必死に出口を手で押さえた。
それでもじゅわじゅわと、下着が熱くなる感覚が広がっていく。とうとうズボンが濡れた。
「……へえ?まだこんくらいしか出ないんだ。すごいじゃん」
服を着たまま、ベッドの上で、しかも恋人の目の前でおしっこをしてはいけないという理性だけで、大惨事を免れていた。
「ど、どうしてこんなこと……?!」
「俺さ、人がおしっこ我慢してるのとか、おもらししてるの見ると、めちゃくちゃ興奮するんだよね」
せーちゃんはそう言って、目を細めて笑った。
トントン、と指で膀胱をノックされる。それだけでビクビクと腰が震えて、また出口が熱くなった。
「んっ…ど、ドSすぎる……っ」
「だから……トイレじゃなくてここで漏らして」
再び、ぐっと指でお腹を押してくる。押された分だけおしっこが漏れてきて、慌てて出口をぎゅーっと抑えた。
「む、無理!トイレ行かせて、お願い…っ」
「はは、その顔最高。唆る」
泣きそうなオレを見て、せーちゃんは楽しそうに笑う。本当にドS。知ってたけど。
今度は服の中に手を入れて、オレの体を直接するすると撫でてきた。ひくひくと、押さえている出口が痙攣し出す。
「ひぃ……だめっ、も、ぁ、あ、」
「ほら、一芽くん。『しー』って」
耳元で囁かれ、反射的に出口が緩んだ。
ぷしゃぁっ
ダムが決壊して、手の中でおしっこが溢れ出した。
「くっ…っ、はぁ、はぁ……っ」
おしっこは三秒くらいで何とか止めたけど、スウェットにはすでに誤魔化しきれないサイズのしみができてしまった。
「……何で止めんの?」
「こ、こんなとこでするわけないじゃん……ッ」
少し出してしまうと、もっとしたくなって……。腰を揺らして必死に耐える。
「お願い、トイレ行かせて…ッ、」
「ダメ」
「シーツと床、びしょびしょになっちゃう…っ」
「いいから、ここでして」
そう言われて、下腹をつうっと、上から下に指で触れられる。
「こ、ここでなんて……んぅうう……!!」
きゅううううんっ
これ以上ないくらい、膀胱が収縮した。
一度決壊した出口はもう塞げられなくて、しゅううっと本格的に放尿してしまう。
とうとう指の隙間から、ぽたぽたとシーツの上に液体が溢れた。
「今出てる?」
「ちがっ、やだ、違う、見ないで、恥ずかしい……っ!!」
必死に先を揉み込んでおしっこを止めた。
「っ…ふ、はぁ…ッ」
こんなにおもらししたのに、まだお腹の中には8割くらいおしっこが残っている。
押さえている手の中で、出口がヒクヒクと痙攣する。出ないように我慢してるはずなのに、また勝手におしっこが出てきてしまって、指の隙間から溢れた。
「エロすぎ……まあいいや、じっくり楽しむか」
「っ……ほんとに、ドS……ッ」
寝ていた体勢から、ベッドに座る体勢に変えられて、後ろからホールドされた。
そして、お腹をぐりぐりと押しこまれながら、空いた首元を舐められた。
「んっ、んっ……まっ、待って……」
押さえつけているスウェットはもうぐしょぐしょで、股の部分はもう水を吸いきれない。
生ぬるい舌が首を這って、身体の力が抜ける。揉み込んで押さえているはずなのに、パクパクと出口が開いてしまう。
(も、もう、だめ、我慢できない……!!)
しゅううううううーーー
ベッドに座ったまま、服を着たままの状態で、放尿した。
シーツの上で水たまりがどんどん広がっていく。開放感に、頭がクラクラした。
「はぁ…はぁぁ……」
「めちゃくちゃおしっこでてる。えっろ」
「っ……もう、本当に変態……」
けれど、出口を熱い液体が勢いよく流れていく感覚は気持ちが良すぎて、もう止められなかった。
「けど、これからは外で限界までおしっこ我慢するのやめて」
お風呂に入って、部屋着に着替えた後。取り替えてもらったシーツの上で、せーちゃんはオレ言った。
申し訳なくて、布団を口まで被る。
「ごめんね、迷惑かけて」
「いやそうじゃなくて、俺が興奮しすぎてヤバいから」
「………………」
一拍置いて、さっきのせーちゃんの素っ気ない態度の理由に納得がいった。
「冷たかったのってそう言うこと?!」
「勃ちすぎてやばかった」
「ねえ?! オレこそめっちゃヤバかったんだよ?!」
そう文句を言いながら、オレは布団の中で、ぺたんこになった下腹を自分の指で触った。
限界まで我慢してからするのも、見られながらするのも、服を着たままするのも。
それに、おしっこ我慢してるときにここを押されるのも。
(すごく気持ちよかった……)
ドキドキと、変な気持ちが余韻を残していた。
「一芽、今度またやる?」
「……え?!な、なにを?」
せーちゃんにニヤッと笑ってそう言われて、オレはわからないふりをした。
登場人物
一芽(はじめ)
受け。22歳。可愛いとかっこいいの間。
見た目はチャラいけどピュアで一途。
攻めのことが好きすぎてよく病むタイプ。
征一(せいいち)
攻め。24歳。知的なイケメン。
見た目は真面目でいつもは優しいけど、本当は経験人数豊富でドのつくS。
一芽からはせーちゃんと呼ばれてる。
※「隣の夜は青い」と同じキャラです。
-------
それは、オレと恋人のせーちゃんがある日の夜、二人で出かけたときのことだった。
午後から出かけて、服を買って、飲み屋に行って。ラブホに行く前に、深夜まで空いているジェラートが食べられるお店に来た。
「コーヒーあるんだ。ならアイスとホットコーヒーかな……いや、カプチーノか」
「迷うね~、ゆっくり決めていいよ」
店頭で迷うせーちゃんにそう促すけれど、オレは内心焦っていた。
(…早くトイレ行きたい…)
オレは、飲み屋ですでに感じていた尿意を抑えて、平静を装って十五分間歩いて、やっとこのカフェに着いたばかりだった。
本当は、飲み屋でトイレに行こうとした。
でも、男子トイレの前に治安の悪そうな人たちが数人いたから、オレはこのカフェまで我慢してきた。
思い返せば、今日2時に家を出てから今夜10時まで、一度もトイレに行ってない気がする。オレはせーちゃんと違ってお酒も結構飲んでいたし、行きたくなるのも当たり前だった。
5分後、ようやく買ってきたアイスを、横並びの席に置く。
「せーちゃん、先食べてて。オレ、トイレ行ってくる」
そう声をかけてる間も、腰が引けてゆらゆら揺れてしまう。ほんとにヤバい。
「ん、わかった」
せーちゃんはそう答えて、ポケットから携帯を取り出す。
それを確認して、足早にトイレのある店の奥に向かった。
トイレの前につく。急いでドアノブを引こうとした。
けれど……その一つだけあるドアの鍵は、赤になっていた。
(……え……誰か入ってる……)
背筋がひんやりした。
立ってじっとしていると、おしっこしたい気持ちが我慢できなくなってきて、思わずその場で足をトントンする。
「……っ」
意味もなくズボンの位置を直す。
普段なら諦めて席に戻っているところだった。でもオレは、かなり切羽詰まっていて、一刻も早くトイレに行きたかった。
それから、腰を揺らしたり太ももを擦ったりして、三分くらい待ってみたけれど、全然出てこなかった。
(せーちゃん待たせてるし……アイス溶けちゃう……)
かなりおしっこしたいけど……もう少しだけなら、我慢できそうだった。
……しょうがない。我慢しよう。
「おかえり」
「ただいま」
そう答えて、せーちゃんの隣に座る。ぴったりと膝を閉じて腰を引かせると我慢しやすくなって、張り詰めたお腹が少し楽になった。
「……大丈夫?なんかあった?」
「え?」
オレが浮かない顔をしているのがわかったのか、せーちゃんは顔を覗き込んでそう聞いてきた。
誤魔化そうとも思ったけど、そんな余裕はなくて、オレは正直に答えた。
「その……トイレ、全然空かなくて戻ってきた」
「え?大丈夫?」
「あはは、大丈夫。まだ我慢できるよ」
そう言って笑って、アイスを食べ始めた。
それから、十分くらいが経過して、オレがアイスを食べ終わった頃。
「でさ、友達と久しぶりに会うことになったんだけど」
「へ~」
せーちゃんの話を聞きながら、さっき組み替えた足をまた逆方向に組み替える。
それでも落ち着かなくて、椅子に座り直し、前屈みに体勢を変えた。
(ど、どうしよう……全然我慢できない……っ)
元々おしっこがたっぷり溜まっていた膀胱には、さらにさっき飲んだお酒の水分がどんどん流れ込んできていた。
どんなに体勢を変えても、尿意の波が全然引かない。まださっきトイレに行こうとしてからそんなに時間は経ってないのに、早くおしっこがしたいことばかり考えてしまう。
「そしたら、その友達とシャツ色違いだったんだよ」
「マジ?あはは、ッ、んっ…!」
笑ったとき、つい出口が緩んで、おしっこが漏れかけた。
びくんと体が震えて、反射的にぎゅっと膝をくっつける。
その様子はもちろんせーちゃんに見られて、怪訝な顔をされた。
「どうした?」
「な、なんでもないっ。そ、それで……な、何の話だっけ?」
膝を擦って、貧乏ゆすりをして、必死に尿意に耐える。
きゅんきゅんっ
そうしていても、生理欲求を我慢している下腹が疼いて、もう会話どころじゃなかった。
(う~、おしっこしたい、早くおしっこしたい……っ)
そんなオレの様子を察したのか、せーちゃんはオレに言った。
「そういえば、トイレもう空いたんじゃないか?行ってきたら?」
「う、うん……行ってくるね」
オレが今めっちゃおしっこしたいの、せーちゃんにバレてる。恥ずかしい。
けれどもう我慢できなくて、オレは急いで立ち上がってトイレに行った。
でも、その一つしかないトイレには、相変わらず誰かが入ってた。
「っ~~~~……」
きゅぅう…っ
膀胱が疼いて、ゾクゾクッと背筋が寒くなる。太ももの横側をゴシゴシさすって誤魔化した。
ノックをすると、ノックが返ってきた。人が入ってるのは確からしい。
ちょうど死角で誰も見てないのを確認して、ギューっと前を押さえた。
「ふー……っ」
出口を強く揉み込みながら、一度深く息を吐く。そうするとお腹の疼きがおさまって、尿意の波が落ち着き、楽になった。
(大丈夫、まだ我慢できる、我慢できる…っ、がんばれオレ……!!)
すでに許容量を超えかけている膀胱にそう言い聞かせ、オレはトイレを離れた。
「いけた?」
「あはは、空いてなかった~」
そうわざと明るく言って、その出口を塞ぐように足を組んで座る。
「え?まじ?」
「大丈夫大丈夫、我慢できるから」
心配させないようにそう言うけど、その足はぷるぷる震えていた。
せーちゃんは首を傾げて聞いた。
「早めにホテル行く?そっちの方が早そう」
「……うん。そうする」
外に出ると、春のひんやりとした風が頬を撫でた。
その寒さに、再び膀胱が強く収縮して、強い尿意の波が来る。ゾクゾクと身体が震えた。
「っ、はぁっ……外、ちょっと寒いね?」
そう言って、寒いふりをして、その場で足踏みをする。
(お、おしっこ漏れる……ッ)
本当は前を抑え込みたいけれど、さすがに人通りの多い路上でそんなことはできない。膝同士を擦り合わせ、その気持ちを必死に誤魔化した。
「ホテル、場所決まってるの?」
「五分くらいで着くっぽい。もう少し我慢できる?」
「うん……っ」
そう頷いて、歩道を一緒に歩きはじめた。
歩き始めると、強い尿意は誤魔化されて、まだ我慢ができると気を取り直した。
けれど、途中の横断歩道の信号で止まったとき。
ずくんっ…
足を止めた途端、膀胱がおしっこを出そうと強く収縮しだした。
「ッ~~、ん、ふぅ……ッ」
一秒もじっとしていられなくて、片足を上げて揺らす。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫、我慢できるよ」
そわそわするのがみっともなくて、姿勢を正して足の動きを止めた。
…ずくんっ、ずくんっ…
けれど、そうすると膀胱が出口に向けて強くおしっこを押し出そうとしてくる。姿勢が正せなくて、腰が引ける。
(っ~~~、止まってたら、おしっこ出ちゃう……ッ)
足を何度もクロスさせて、周りを無意味に歩いたりして、必死に尿意を誤魔化す。
「………」
せーちゃんはオレを横目で見て、特に何も言わず、手元の携帯に目をやった。
……オレがもう限界なの、絶対バレてる。恥ずかしすぎる。
そうして、ようやくホテルに着いた。
「鍵をご用意しますので、少しお待ちください」
そう言ってカウンターの女の人は、奥に入っていく。
けれど、そのただ立って待っているだけの少しの時間が苦痛だった。
足を止めた途端、まるでトイレの中にいるくらい、強い尿意の波が襲ってきた。
(や、やば……もう、出ちゃう……っ)
カウンターの下で見えないように前を押さえて、落ち着きなく足を擦り合わせ、その生理的欲求に耐える。
けれど、いくら前を抑えても、尿意の波が引いてくれない。必死に閉じてる出口と、大量の液体を溜め込んで膨らんだお腹がジンジンして、もはや感覚がない。
「っ~……早くぅっ……」
思わず呟くと、隣でせーちゃんがオレの顔を覗き込んで、言った。
「頑張って、一芽。あともう少しだから」
「……っ、が、がんばる…っ」
恥ずかしくて、顔が熱い。けれど、もう余裕を取り繕えなかった。
エレベーターの到着を待つ間も、その場で足踏みを繰り返し、無駄にボタンを連打していた。
けれどなかなかエレベーターが降りてこなくて、じっと待つのが辛くて、涙目になる。
「っ、うー…も、膀胱爆発しちゃう…ッ」
膀胱はパンパンに膨らんでいるのに、一時間前に飲んだお酒とか、さっき食べたアイスとか、そこにさらなる水分が無理矢理詰め込まれてくる。
気を抜くとおしっこが飛び出てしまいそうで、冷や汗がすごい。括約筋を意識的に閉ざして、尿道を通ってくる液体を何度もお腹の中に押し戻していた。
多分、一リットル以上我慢している。お腹が重い。早くこの中身を出してしまいたくて、仕方なかった。
そうして、ようやくエレベーターが一階に着いて、俺たちは乗り込んだ。
扉が閉まった、その瞬間。
「…っ!!」
急に、おしっこが出口まで降りてきた感覚がした。
反射的に、ばっと前を強く押さえ込む。
「……大丈夫?」
「っ、あ、あはは、ごめん、オレ、もう限界で……ッ」
前屈みになって腰を揺らして、出口を揉み込んで、出そうなおしっこをお腹の中に必死に戻そうとする。
でも、お腹にそんな隙間はなくて、ついにつうっと熱いものが下着に染み出た感覚がした。
(ほ、本当に出ちゃう、もう無理ぃ……ッ!!)
きゅううっ きゅううっ きゅううっ
「ん…はぁっ…ぅっ……!」
暴れる膀胱を誤魔化すように、前を押さえながら、落ち着きなく体を揺らす。
「………………」
せーちゃんは何も言わない。呆れられてるんじゃないかと思って、怖かった。
でも、恥ずかしいとか言う気持ちより、おしっこが漏れないようにすることを優先するしかなかった。
「っ、はぁっ…ふぅ…っ、……」
エレベーターが到着し、廊下に誰もいないのをいいことに、痛いくらい前を揉み込んで、オレは何とか部屋にたどり着いた。
我慢できずに何度かおちびりしてしまって、パンツが少し濡れている感覚がする。泣きそう。
そうして、カードキーを当てて、予約していた部屋のドアが開いた。
「とっ、トイレどこ?!」
前を揉み込み続けながら、靴を脱ぎ捨て、バスルームの場所を探す。また、押さえ込んだ手の中でつうっと熱いものが溢れた感覚がした。
「一芽、こっち」
ぐい、とせーちゃんに手を引っ張られる。
そのまま、一瞬でベッドに押し倒された。
「……え?」
思考が追いつくより先に、せーちゃんはオレの足の上に自分の体を乗せて、オレが逃げられないように固定する。
そして、オレの顔を見て微笑んで……ぐーっと、オレのぱんぱんな膀胱を指二本で押してきた。
「っ~~~~!?!?!」
目の前が真っ白になる。じゅううっ、と手の中が熱くなった。
けれどそれは一回で収まらず、ぐっ、ぐっと、小刻みに膀胱を指で押して、虐め始めた。
「っ、ぁ、あ、やめ、やめてぇ、お腹壊れちゃうぅっ……!!」
おしっこが出ないように、必死に出口を手で押さえた。
それでもじゅわじゅわと、下着が熱くなる感覚が広がっていく。とうとうズボンが濡れた。
「……へえ?まだこんくらいしか出ないんだ。すごいじゃん」
服を着たまま、ベッドの上で、しかも恋人の目の前でおしっこをしてはいけないという理性だけで、大惨事を免れていた。
「ど、どうしてこんなこと……?!」
「俺さ、人がおしっこ我慢してるのとか、おもらししてるの見ると、めちゃくちゃ興奮するんだよね」
せーちゃんはそう言って、目を細めて笑った。
トントン、と指で膀胱をノックされる。それだけでビクビクと腰が震えて、また出口が熱くなった。
「んっ…ど、ドSすぎる……っ」
「だから……トイレじゃなくてここで漏らして」
再び、ぐっと指でお腹を押してくる。押された分だけおしっこが漏れてきて、慌てて出口をぎゅーっと抑えた。
「む、無理!トイレ行かせて、お願い…っ」
「はは、その顔最高。唆る」
泣きそうなオレを見て、せーちゃんは楽しそうに笑う。本当にドS。知ってたけど。
今度は服の中に手を入れて、オレの体を直接するすると撫でてきた。ひくひくと、押さえている出口が痙攣し出す。
「ひぃ……だめっ、も、ぁ、あ、」
「ほら、一芽くん。『しー』って」
耳元で囁かれ、反射的に出口が緩んだ。
ぷしゃぁっ
ダムが決壊して、手の中でおしっこが溢れ出した。
「くっ…っ、はぁ、はぁ……っ」
おしっこは三秒くらいで何とか止めたけど、スウェットにはすでに誤魔化しきれないサイズのしみができてしまった。
「……何で止めんの?」
「こ、こんなとこでするわけないじゃん……ッ」
少し出してしまうと、もっとしたくなって……。腰を揺らして必死に耐える。
「お願い、トイレ行かせて…ッ、」
「ダメ」
「シーツと床、びしょびしょになっちゃう…っ」
「いいから、ここでして」
そう言われて、下腹をつうっと、上から下に指で触れられる。
「こ、ここでなんて……んぅうう……!!」
きゅううううんっ
これ以上ないくらい、膀胱が収縮した。
一度決壊した出口はもう塞げられなくて、しゅううっと本格的に放尿してしまう。
とうとう指の隙間から、ぽたぽたとシーツの上に液体が溢れた。
「今出てる?」
「ちがっ、やだ、違う、見ないで、恥ずかしい……っ!!」
必死に先を揉み込んでおしっこを止めた。
「っ…ふ、はぁ…ッ」
こんなにおもらししたのに、まだお腹の中には8割くらいおしっこが残っている。
押さえている手の中で、出口がヒクヒクと痙攣する。出ないように我慢してるはずなのに、また勝手におしっこが出てきてしまって、指の隙間から溢れた。
「エロすぎ……まあいいや、じっくり楽しむか」
「っ……ほんとに、ドS……ッ」
寝ていた体勢から、ベッドに座る体勢に変えられて、後ろからホールドされた。
そして、お腹をぐりぐりと押しこまれながら、空いた首元を舐められた。
「んっ、んっ……まっ、待って……」
押さえつけているスウェットはもうぐしょぐしょで、股の部分はもう水を吸いきれない。
生ぬるい舌が首を這って、身体の力が抜ける。揉み込んで押さえているはずなのに、パクパクと出口が開いてしまう。
(も、もう、だめ、我慢できない……!!)
しゅううううううーーー
ベッドに座ったまま、服を着たままの状態で、放尿した。
シーツの上で水たまりがどんどん広がっていく。開放感に、頭がクラクラした。
「はぁ…はぁぁ……」
「めちゃくちゃおしっこでてる。えっろ」
「っ……もう、本当に変態……」
けれど、出口を熱い液体が勢いよく流れていく感覚は気持ちが良すぎて、もう止められなかった。
「けど、これからは外で限界までおしっこ我慢するのやめて」
お風呂に入って、部屋着に着替えた後。取り替えてもらったシーツの上で、せーちゃんはオレ言った。
申し訳なくて、布団を口まで被る。
「ごめんね、迷惑かけて」
「いやそうじゃなくて、俺が興奮しすぎてヤバいから」
「………………」
一拍置いて、さっきのせーちゃんの素っ気ない態度の理由に納得がいった。
「冷たかったのってそう言うこと?!」
「勃ちすぎてやばかった」
「ねえ?! オレこそめっちゃヤバかったんだよ?!」
そう文句を言いながら、オレは布団の中で、ぺたんこになった下腹を自分の指で触った。
限界まで我慢してからするのも、見られながらするのも、服を着たままするのも。
それに、おしっこ我慢してるときにここを押されるのも。
(すごく気持ちよかった……)
ドキドキと、変な気持ちが余韻を残していた。
「一芽、今度またやる?」
「……え?!な、なにを?」
せーちゃんにニヤッと笑ってそう言われて、オレはわからないふりをした。
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