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おまけ
ハッピーバレンタイン
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*チョコプレイをするおはなし
「おはよう守くん今日はバレンタインだねチョコレートプレイをしよう!」
「断る」
朝。まことは俺の顔を見るなりそう言ってきて、俺は秒で断った。
今日は2月14日、バレンタインデー。世間はどこもそわそわしている。
「僕、チョコレート好きなんだ。好きなチョコレートと好きな守くんを一緒に食べられるなんて、最高じゃない?」
俺はまことを無視して、イヤホンを耳につけた。
「ねえ、音楽じゃなくて、僕の話聞いてよ。何聞いてるの?チョコレートディスコ?」
「んな可愛い曲聞くかよ。ロックだよロック」
「僕も聞いてみたいな」
「……じゃあ、一つ貸す」
そう言って、有線イヤホンの片耳をまことにあげた。
「……良い歌詞だね」
「だろ」
バレンタインデーの雰囲気のかけらもない曲を二人で聞きながら、雪が積もる通学路を歩いた。
けど、これでいい。
俺の人生に、季節のイベントなんて関係ない。
……そう思っていたのだが。
「さあ、チョコレートプレイの準備をしよう」
「マジでやるのかよ」
夕方、俺の家。まことが台所でそう言って見せたのは、今日こいつが色んなクラスの女子からもらって集まった、大量のチョコレートだ。
「これをぜーんぶとかして、守くんをチョコレートにするんだ!」
「いや……は……? まず少しはあげた人の気持ちを考えろよ」
「えー、もっと美味しく食べられるなら、チョコをくれたみんなも喜んでくれると思うんだけど?」
まことはそう言って可愛らしく首を傾げる。
だめだ、こいつなんとかしないと。手遅れか。
もらったチョコを、楽しそうに鼻歌を歌いながら容赦なく刻んで鍋に投入していくまことを、半歩下がって引いた目で見ていた。
「さあ、できたよ!」
まことはそう言って、どこから用意してきたのかわからない絞り袋に、溶かしたチョコレートを入れたものを見せた。
今、ベッドの上に向き合って半裸で座っている。
「それで何を……っ、」
一体何をするのだろうと思っていたら、まことは俺を押し倒した。
そして俺の腹に、そのチョコレートでハートを描いた。
「見てみて、可愛いよ!」
なるほどな……袋の先を細く切って、チョコペンみたいにしたのか。
何だ、普通に楽しそうだな。全然エロくない。
俺はまことを見上げて聞いた。
「俺も描いていいか?」
「いいよ。あとでね」
まことはそう言って……俺の腹についたチョコレートを、舌で舐めとった。
「んっ…!?」
ぬるりとした生温かい感触に、びくつく。
まことは腹のチョコレートを全て舐めとってから、自分の唇を、妖艶にぺろりと舐めた。
「ん、すごくおいしい」
「………っ」
かあっと、体が熱くなる。
まことは微笑み、そして俺の足をあげた。
「次はこっち」
「はっ……?!」
いったいどこの話を……と思っていたら、俺の左の太ももに何かを書き出した。
くすぐったい。
「よし、上手く描けた! って、見えないか。撮るね」
「は?」
ピコンとシャッター音がした。まことはスマホの画面を俺に見せた。
『←まこと専用』と書かれている。
「ふざけんな!!」
「あっ、動かないで、シーツが汚れちゃう」
ベッドから落とそうとしたが、まことにそう言われて、思わず動きを止める。
すると、まことは俺の太ももを押さえて、舐め出した。
「ん、んっ……!」
生温かい舌が、俺の太ももを舐め上げていく。
やばい。どうしよう、気持ちいい……。
まことは満足げな顔をしてから、俺をみて、そしてキスをしてきた。
……チョコレートの甘い味がする。
「次はこっちね」
惚けている隙に、まことは俺の下着を下げた。
その後、さんざんチョコをかけられ、舐められ、口移しでも味わされ……俺もまことの手にチョコを載せたりとか……まあその他諸々、人には言えないようなことをしまくり、とんだ頭のハッピーなバレンタインを過ごした。
そして翌日。
「おでこにニキビができた……」
「あんだけチョコ食ってたら、自業自得」
悲しそうな顔をするまことに、呆れてため息をつく。
「……ホワイトデーはハチミツにしようかな」
「少しは懲りろ」
おわり
「おはよう守くん今日はバレンタインだねチョコレートプレイをしよう!」
「断る」
朝。まことは俺の顔を見るなりそう言ってきて、俺は秒で断った。
今日は2月14日、バレンタインデー。世間はどこもそわそわしている。
「僕、チョコレート好きなんだ。好きなチョコレートと好きな守くんを一緒に食べられるなんて、最高じゃない?」
俺はまことを無視して、イヤホンを耳につけた。
「ねえ、音楽じゃなくて、僕の話聞いてよ。何聞いてるの?チョコレートディスコ?」
「んな可愛い曲聞くかよ。ロックだよロック」
「僕も聞いてみたいな」
「……じゃあ、一つ貸す」
そう言って、有線イヤホンの片耳をまことにあげた。
「……良い歌詞だね」
「だろ」
バレンタインデーの雰囲気のかけらもない曲を二人で聞きながら、雪が積もる通学路を歩いた。
けど、これでいい。
俺の人生に、季節のイベントなんて関係ない。
……そう思っていたのだが。
「さあ、チョコレートプレイの準備をしよう」
「マジでやるのかよ」
夕方、俺の家。まことが台所でそう言って見せたのは、今日こいつが色んなクラスの女子からもらって集まった、大量のチョコレートだ。
「これをぜーんぶとかして、守くんをチョコレートにするんだ!」
「いや……は……? まず少しはあげた人の気持ちを考えろよ」
「えー、もっと美味しく食べられるなら、チョコをくれたみんなも喜んでくれると思うんだけど?」
まことはそう言って可愛らしく首を傾げる。
だめだ、こいつなんとかしないと。手遅れか。
もらったチョコを、楽しそうに鼻歌を歌いながら容赦なく刻んで鍋に投入していくまことを、半歩下がって引いた目で見ていた。
「さあ、できたよ!」
まことはそう言って、どこから用意してきたのかわからない絞り袋に、溶かしたチョコレートを入れたものを見せた。
今、ベッドの上に向き合って半裸で座っている。
「それで何を……っ、」
一体何をするのだろうと思っていたら、まことは俺を押し倒した。
そして俺の腹に、そのチョコレートでハートを描いた。
「見てみて、可愛いよ!」
なるほどな……袋の先を細く切って、チョコペンみたいにしたのか。
何だ、普通に楽しそうだな。全然エロくない。
俺はまことを見上げて聞いた。
「俺も描いていいか?」
「いいよ。あとでね」
まことはそう言って……俺の腹についたチョコレートを、舌で舐めとった。
「んっ…!?」
ぬるりとした生温かい感触に、びくつく。
まことは腹のチョコレートを全て舐めとってから、自分の唇を、妖艶にぺろりと舐めた。
「ん、すごくおいしい」
「………っ」
かあっと、体が熱くなる。
まことは微笑み、そして俺の足をあげた。
「次はこっち」
「はっ……?!」
いったいどこの話を……と思っていたら、俺の左の太ももに何かを書き出した。
くすぐったい。
「よし、上手く描けた! って、見えないか。撮るね」
「は?」
ピコンとシャッター音がした。まことはスマホの画面を俺に見せた。
『←まこと専用』と書かれている。
「ふざけんな!!」
「あっ、動かないで、シーツが汚れちゃう」
ベッドから落とそうとしたが、まことにそう言われて、思わず動きを止める。
すると、まことは俺の太ももを押さえて、舐め出した。
「ん、んっ……!」
生温かい舌が、俺の太ももを舐め上げていく。
やばい。どうしよう、気持ちいい……。
まことは満足げな顔をしてから、俺をみて、そしてキスをしてきた。
……チョコレートの甘い味がする。
「次はこっちね」
惚けている隙に、まことは俺の下着を下げた。
その後、さんざんチョコをかけられ、舐められ、口移しでも味わされ……俺もまことの手にチョコを載せたりとか……まあその他諸々、人には言えないようなことをしまくり、とんだ頭のハッピーなバレンタインを過ごした。
そして翌日。
「おでこにニキビができた……」
「あんだけチョコ食ってたら、自業自得」
悲しそうな顔をするまことに、呆れてため息をつく。
「……ホワイトデーはハチミツにしようかな」
「少しは懲りろ」
おわり
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