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月の下で
四、
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「すみません、お庭を汚してしまい……」
「そうだね。……責任は、ちゃんととってね」
そう言って天藍は急に蝶を抱き上げ、そのまま歩き始めた。
「旦那様……?!」
何事だと思ったが、蝶は自分の足にはっきりと、天藍の質量を持った真ん中のソレが当たっていることに気づき、ため息をついた。
「何、興奮してるんですか? 変態ですね」
「だって、あんなに可愛い姿を見せられたら、ねえ?」
そう答える天藍の足は、屋台のあった場所とは反対側に向く。
着いたのは、紫陽花畑の真ん中の、小さな広間。そこには金属製の白い小さな丸テーブルと、二つの椅子が固定されてある。
天藍はそのテーブルの上に、蝶の上体をうつ伏せに倒す。
そして蝶の衣服をまくり上げ、下着を脱がせ、その白い肌を外気に晒した。
それには、さすがの蝶も動揺を隠せない。
「何を……?」
天藍は懐から何かの小瓶を取り出し、中身を掌に溢す。
そして蝶は、臀部に近い太ももの内側に、ぬるりと何かが塗られたのを感じた。
「あ、あの、ちょっ……?!」
それが潤滑剤なのだと気づき、蝶は天藍が何をするつもりなのかようやく理解し、顔を赤くし慌てて声を上げた。
「旦那様!!」
「しー、あんまりうるさくすると、誰か来るよ」
蝶は上体を起こそうとしたが、天藍に片手で背中を押さえられ、潤滑剤を男性器の先まで塗られる。
天藍は自分の下履をずらし、そのしっかりと芯を持った、並の人間と比べればかなり大きな男性器を、蝶の太腿の間に入れた。
それは簡単に蝶の男性器まで滑り、その裏筋を撫でる。
所謂、擬似性行と呼ばれるその行為に、蝶はどっと冷や汗が出た。
「こ、こんなこと、お外ですることでは……!」
「君だって、外でしたじゃない」
「あ……あれは、その、お手洗いまで我慢できず、仕方なく……」
口籠る蝶に天藍は被さり、その耳元で言った。
「僕もそうだけど?」
そのまま、天藍は蝶の肩を押さえつけ、太腿の間で性器を出し挿れする。
蝶は抵抗したくても、天藍には腕力で勝てず、次第に下半身を擦られる刺激が快感として伝わり、じわじわと頭の中が熱くなっていった。
屋台から遠いこの辺りは静かで、お互いの息遣いと、衣服の擦れる音、そして肌と肌の当たる音が響いていた。
「はあッ……も、誰かに見られても、知らないですからね……!」
蝶は抵抗を諦め、その快感に身を委ねた。
しかし蝶の心配は杞憂に終わり、最後まで広間に人は来ず、二人は達した。
「……すごく、気持ちが悪いのですが」
衣服を整えた後、天藍と来た道を戻りながら、蝶は呟く。
時刻は二十二時五十分。あと十分で、祭りが終わる。
衣服に隠れて外からは見えないが、蝶の太腿は未だ潤滑剤と精液によりぬめり気がある。その上、先ほど漏らしてしまったせいで下着がまだ濡れており、下半身がとても不快だった。
「迷子の女の子、ちゃんと親御さんと会えたかなあ。あのあとどうなったか、柳に聞いてみないとだね」
「私の話聞いてます?!」
全く違う話をし始めた天藍に、蝶はついに怒った。
しかし天藍は晴れやかに微笑み、
「本当に気持ち悪い? 蝶だってイってたじゃないか」
「そ、それは行為自体は……いや、良くないです。大体何故あんな都合よく潤滑剤を所持してらしたんですか」
「ああ、あれはさっきの晩餐会で試供品をもらったんだよ。滑りが良い加減でよかったよね」
そう話してるうちに、先ほどの食事会場の前まで着いた。そこには既に参加者が全員席についていて、鳳梨や蝶の嫌いな男の姿もある。
「あら天藍、やっと来たわねぇ。三十分も迷子の面倒を見ていたの?」
「ごめんごめん、色々あって」
咎める鳳梨に、天藍は朗らかにそう答えて、蝶を連れて席についた。そうして天藍は、晩餐会の締めに入る。
この三十分で、天藍と蝶の間に起こった出来事を知る者は、誰もいない。
「そうだね。……責任は、ちゃんととってね」
そう言って天藍は急に蝶を抱き上げ、そのまま歩き始めた。
「旦那様……?!」
何事だと思ったが、蝶は自分の足にはっきりと、天藍の質量を持った真ん中のソレが当たっていることに気づき、ため息をついた。
「何、興奮してるんですか? 変態ですね」
「だって、あんなに可愛い姿を見せられたら、ねえ?」
そう答える天藍の足は、屋台のあった場所とは反対側に向く。
着いたのは、紫陽花畑の真ん中の、小さな広間。そこには金属製の白い小さな丸テーブルと、二つの椅子が固定されてある。
天藍はそのテーブルの上に、蝶の上体をうつ伏せに倒す。
そして蝶の衣服をまくり上げ、下着を脱がせ、その白い肌を外気に晒した。
それには、さすがの蝶も動揺を隠せない。
「何を……?」
天藍は懐から何かの小瓶を取り出し、中身を掌に溢す。
そして蝶は、臀部に近い太ももの内側に、ぬるりと何かが塗られたのを感じた。
「あ、あの、ちょっ……?!」
それが潤滑剤なのだと気づき、蝶は天藍が何をするつもりなのかようやく理解し、顔を赤くし慌てて声を上げた。
「旦那様!!」
「しー、あんまりうるさくすると、誰か来るよ」
蝶は上体を起こそうとしたが、天藍に片手で背中を押さえられ、潤滑剤を男性器の先まで塗られる。
天藍は自分の下履をずらし、そのしっかりと芯を持った、並の人間と比べればかなり大きな男性器を、蝶の太腿の間に入れた。
それは簡単に蝶の男性器まで滑り、その裏筋を撫でる。
所謂、擬似性行と呼ばれるその行為に、蝶はどっと冷や汗が出た。
「こ、こんなこと、お外ですることでは……!」
「君だって、外でしたじゃない」
「あ……あれは、その、お手洗いまで我慢できず、仕方なく……」
口籠る蝶に天藍は被さり、その耳元で言った。
「僕もそうだけど?」
そのまま、天藍は蝶の肩を押さえつけ、太腿の間で性器を出し挿れする。
蝶は抵抗したくても、天藍には腕力で勝てず、次第に下半身を擦られる刺激が快感として伝わり、じわじわと頭の中が熱くなっていった。
屋台から遠いこの辺りは静かで、お互いの息遣いと、衣服の擦れる音、そして肌と肌の当たる音が響いていた。
「はあッ……も、誰かに見られても、知らないですからね……!」
蝶は抵抗を諦め、その快感に身を委ねた。
しかし蝶の心配は杞憂に終わり、最後まで広間に人は来ず、二人は達した。
「……すごく、気持ちが悪いのですが」
衣服を整えた後、天藍と来た道を戻りながら、蝶は呟く。
時刻は二十二時五十分。あと十分で、祭りが終わる。
衣服に隠れて外からは見えないが、蝶の太腿は未だ潤滑剤と精液によりぬめり気がある。その上、先ほど漏らしてしまったせいで下着がまだ濡れており、下半身がとても不快だった。
「迷子の女の子、ちゃんと親御さんと会えたかなあ。あのあとどうなったか、柳に聞いてみないとだね」
「私の話聞いてます?!」
全く違う話をし始めた天藍に、蝶はついに怒った。
しかし天藍は晴れやかに微笑み、
「本当に気持ち悪い? 蝶だってイってたじゃないか」
「そ、それは行為自体は……いや、良くないです。大体何故あんな都合よく潤滑剤を所持してらしたんですか」
「ああ、あれはさっきの晩餐会で試供品をもらったんだよ。滑りが良い加減でよかったよね」
そう話してるうちに、先ほどの食事会場の前まで着いた。そこには既に参加者が全員席についていて、鳳梨や蝶の嫌いな男の姿もある。
「あら天藍、やっと来たわねぇ。三十分も迷子の面倒を見ていたの?」
「ごめんごめん、色々あって」
咎める鳳梨に、天藍は朗らかにそう答えて、蝶を連れて席についた。そうして天藍は、晩餐会の締めに入る。
この三十分で、天藍と蝶の間に起こった出来事を知る者は、誰もいない。
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