大姪と私

クライングフリーマン

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25.新聞の時代

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 ==== この物語はあくまでもフィクションです =========
 私の名前は野本由起夫。姪の名前は如月来夢(らむ)。
 私は、脊柱管狭窄症が進み、車椅子生活になった。私と大姪との同居生活が始まったのだ。
 母が亡くなった後、私は徹底して『終活片づけ』をしていたので、大姪(妹の孫)は2階に居住した。
 私が母と同居していた時の名残の『ナースコール』を復活して、私は必要時に大姪を呼ぶことになった。

 夕方。私が新聞屋と話していると、大姪は帰ってきた。
「ただいまー。」
 彼女は、気を利かせて2階に消えた。
 新聞屋が帰ると、大姪は降りて来た。
「新聞、止めるの?」「うん。もう契約更新はしない。ひい婆ちゃんの頃からお世話になったけどね。値上げ値上げで、紙は薄っぺらい。あそこの新聞社は一番マシだけど、偏向報道するし。ニュースは、スマホ1つあれば情報ゲットだからな。」
「何か困ることは?」「ない。何かこぼした時に使う分くらいはストックがある。テレビはもう観ていないし。昔は、何でも新聞だったけどね。畳の下の虫除けも新聞、トイレットペーパーも新聞、お店で買ったものの包装紙も新聞。」
「そんな字時代もあったんだ。」
「カルチャーショックか?」
「ううん。それくらいは知ってる。あ、箒で掃く前に、濡れた新聞紙巻いたんだよね。」
「ああ。もう違うんだ、昔と。昔のニュースも、図書館行かなくても、ネットである程度分かる。そうだ。梱包の『詰め物』も新聞紙だった。割れたガラスや陶器もくるんでいたな。」

 話をする内、うとうとしてしまった。
「あ。キスしたら起きた。眠りのオッチャン。」
「え?」
「夕飯、作ったよ、レトルトカレー。」
「ありがとう。」
「今日、お風呂入ろうね。私を見ないようにしてるけど、反応してるでしょ。」
「してる。」
「スケベ。さっき、『キスしたら』って私が言った時も反応してたでしょ。」
「してた。ごめんなさい。」
「謝らなくていい。本能だものね。オトコはみんなスケベで変態だ。」
 変な定義だが、敢えて逆らわない。
 この子は、オンナ親に似た。
 決して『隔世遺伝』ではない。

 半時間もすると、支度を終えた大姪は、Tシャツをホットパンツで現れた。
 挑発してる?後で尋ねるな。「反応した?」
 私は、敏感なのかな?

 ―完―



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