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新たな疑惑が生まれたようです。
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「なるほど……王様が魔石に祈りを捧げているのが鏡に映っていたのですか」
私は今リア様の部屋に来て、先程鏡の中に現れた映像を伝えている。魔石の場所を教えてと鏡に聞いて見えてきたのは、ある部屋の中の祭壇に魔石が飾ってあり、そこに祈りを捧げている男性が居た。
その男性というのが、何とこの国の王様だったのだ。国王とは何回か王宮であったことがあるので間違いない。
いつもだったらすぐにミラー様に相談するのだが、見えたのが国王……つまりミラー様のお父様であった為、ミラー様に話すことが憚られ、リア様に相談することにしたのだ。
「それで国王が祈りを捧げていることと、昼間の神殿の疑惑のことを考えると、国王側も何か疑惑があるんじゃないかと思って、私に聞いてきたのですね」
「はい、仰る通りです。もし国王側も魔王の力を利用しようとしているとしたら、もう誰を信じて良いか分からなくて……。ユーリもこの件に関しては、感情的になり過ぎているから話さないほうが良いと思って、リア様にまずは相談すべきかなと思って。こんなこととても1人で抱えられる問題じゃないし、迷惑かけてすみません」
「いえ、頼ってもらえて嬉しいですよ。その予想からミラー様に話さなかったことも、今この情報だけで判断する選択肢としては正しい。確かにユーリ様はこの件に関して冷静ではないですからね。聖女様とは境遇が同じだから、つい感情移入してしまうんでしょう」
「境遇?」
私がそう尋ねても、リア様は微笑むだけで答えを返してくれない。
「気になるのでしたら聞いて下さい。あなたになら答えてくれると思いますよ。こういう話は当事者以外から聞くとややこしくなるだけですからね」
そう言われてしまっては本人に聞くしかない。リア様はいったいいくつなのだろう。本当にこういう話をする姿はとても落ち着いていて、悟りを開いているようにも思えてしまう。
「それであなたが予想している疑惑ですが、王様の真意は分からないですが、ミラー様のことは信じてもらって大丈夫ですよ。彼はユーリ殿と一心同体……だからミラー様がユーリ殿を裏切ることはないです。例え国を敵に回したとしても彼らは魔王を倒すために生まれたのですから」
「魔王を倒す為に生まれた……?」
「スキルの話ですけどね。彼らは魔王を倒す為に特化した特別なスキルですから!! スキルというのは本当に人の数だけ内容が違うんです。ですが唯一のスキルというのは彼らしか持っていないのですよ!! 本当に彼らは特別で、何千年に1人の……」
そういうとリア様はスキルについて語り始めた。……リア様の話はかなり長く、時には拳を握り締めながら語るのでそろそろ止めに入る。
「分かりました。同じ種類のスキルはあっても、個人によって能力レベルの差や、威力が違ったりするのですね。それが彼らと同じ種類のスキルを持つ人は誰も居ないと」
「ええそうです。私のスキル『鑑定』持ちでも、私みたいに全てを鑑定できるタイプから、スキルの判定のみ、宝石の鑑定しか出来ない等、同じスキルでも人によって個人差があるのです。それが普通なのに、彼らは同じスキルが誰も居ない。唯一無二の、魔王を倒すために生まれたとしか言いようがないのです」
「分かりました。ミラー様がその為に裏切らないというのも分かりました。……それで結局どうすれば良いのでしょうか」
「そうでした。話が脱線しましたね」
……誰のせいで脱線したか分かっているのか。全く悪びれた素振りもなく話し始めるリア様を責めるように見ると、少しびっくとなりながらも話続ける。
「えーーっと、そうですね。王様のことはやはりミラー様に調べてもらった方が良いでしょう。今日はもう遅いですから明日もう一度集まって今回のことを話しましょう」
「明日も集まって神殿側に怪しまれないですかね?」
「まあ大丈夫でしょう。昨日の今日ですし、何か聞かれても言い訳が出来ますから」
「分かりました。明日の朝食はみんなで取るんですよね? その時にみんなに集まるように伝えますね」
「ええ、それで大丈夫ですよ。では転移してあなたの部屋に戻って頂けますか?」
「?? 転移しなくてもすぐ上の階ですよ? 歩いて行けます」
「こんな夜遅くに私の部屋から出るのを見られる方がよっぽど不味い展開になりますよ。変な誤解を生まない為にも転移で移動して下さい」
「私とリア様なのに誤解なんて……っつ」
そう言った瞬間目の前にリア様の顔があった。リア様の吐息が顔にかかる。あと一歩近づいたら唇が触れそうな距離だ。
「……忘れているみたいですが、僕も一応男ですよ? その気になったらあなたを襲うことも簡単です」
「……でもリア様は私にそんなことはしないですよね?」
キス魔のユーリじゃあるまいし。そうリア様を見つめ返すとため息をついてリア様の顔が離れていく。
「はぁ。本当にあなたは……とにかく危機感を持って下さいということです。今回は私が部屋に呼んでしまいましたが、本来は断らなきゃダメなんですからね」
「はい、リア様以外の部屋には簡単には行きません」
「……だから私の部屋もダメです。分かりましたか?」
「はい……」
「噂の一つで揚げ足を取られたりするんですから気をつけて下さい? もしあなたが私の恋人だと思われたら、神殿に人質として捕われる可能性もあるのですよ。それで脅迫されて私に嘘の鑑定をさせるとか、あなたのスキルを悪用するとか色々利用価値はあるんですから」
「確かに、そういう危険はあるかもですね。ちゃんと気をつけます」
私がそう納得すると、ため息をつきながらも微笑んでくれる。リア様にお礼を告げて部屋へと転移した私は、疲れもあったのかすぐに眠りについた。
「……まったく、人の気も知らないで困った人ですね」
私は今リア様の部屋に来て、先程鏡の中に現れた映像を伝えている。魔石の場所を教えてと鏡に聞いて見えてきたのは、ある部屋の中の祭壇に魔石が飾ってあり、そこに祈りを捧げている男性が居た。
その男性というのが、何とこの国の王様だったのだ。国王とは何回か王宮であったことがあるので間違いない。
いつもだったらすぐにミラー様に相談するのだが、見えたのが国王……つまりミラー様のお父様であった為、ミラー様に話すことが憚られ、リア様に相談することにしたのだ。
「それで国王が祈りを捧げていることと、昼間の神殿の疑惑のことを考えると、国王側も何か疑惑があるんじゃないかと思って、私に聞いてきたのですね」
「はい、仰る通りです。もし国王側も魔王の力を利用しようとしているとしたら、もう誰を信じて良いか分からなくて……。ユーリもこの件に関しては、感情的になり過ぎているから話さないほうが良いと思って、リア様にまずは相談すべきかなと思って。こんなこととても1人で抱えられる問題じゃないし、迷惑かけてすみません」
「いえ、頼ってもらえて嬉しいですよ。その予想からミラー様に話さなかったことも、今この情報だけで判断する選択肢としては正しい。確かにユーリ様はこの件に関して冷静ではないですからね。聖女様とは境遇が同じだから、つい感情移入してしまうんでしょう」
「境遇?」
私がそう尋ねても、リア様は微笑むだけで答えを返してくれない。
「気になるのでしたら聞いて下さい。あなたになら答えてくれると思いますよ。こういう話は当事者以外から聞くとややこしくなるだけですからね」
そう言われてしまっては本人に聞くしかない。リア様はいったいいくつなのだろう。本当にこういう話をする姿はとても落ち着いていて、悟りを開いているようにも思えてしまう。
「それであなたが予想している疑惑ですが、王様の真意は分からないですが、ミラー様のことは信じてもらって大丈夫ですよ。彼はユーリ殿と一心同体……だからミラー様がユーリ殿を裏切ることはないです。例え国を敵に回したとしても彼らは魔王を倒すために生まれたのですから」
「魔王を倒す為に生まれた……?」
「スキルの話ですけどね。彼らは魔王を倒す為に特化した特別なスキルですから!! スキルというのは本当に人の数だけ内容が違うんです。ですが唯一のスキルというのは彼らしか持っていないのですよ!! 本当に彼らは特別で、何千年に1人の……」
そういうとリア様はスキルについて語り始めた。……リア様の話はかなり長く、時には拳を握り締めながら語るのでそろそろ止めに入る。
「分かりました。同じ種類のスキルはあっても、個人によって能力レベルの差や、威力が違ったりするのですね。それが彼らと同じ種類のスキルを持つ人は誰も居ないと」
「ええそうです。私のスキル『鑑定』持ちでも、私みたいに全てを鑑定できるタイプから、スキルの判定のみ、宝石の鑑定しか出来ない等、同じスキルでも人によって個人差があるのです。それが普通なのに、彼らは同じスキルが誰も居ない。唯一無二の、魔王を倒すために生まれたとしか言いようがないのです」
「分かりました。ミラー様がその為に裏切らないというのも分かりました。……それで結局どうすれば良いのでしょうか」
「そうでした。話が脱線しましたね」
……誰のせいで脱線したか分かっているのか。全く悪びれた素振りもなく話し始めるリア様を責めるように見ると、少しびっくとなりながらも話続ける。
「えーーっと、そうですね。王様のことはやはりミラー様に調べてもらった方が良いでしょう。今日はもう遅いですから明日もう一度集まって今回のことを話しましょう」
「明日も集まって神殿側に怪しまれないですかね?」
「まあ大丈夫でしょう。昨日の今日ですし、何か聞かれても言い訳が出来ますから」
「分かりました。明日の朝食はみんなで取るんですよね? その時にみんなに集まるように伝えますね」
「ええ、それで大丈夫ですよ。では転移してあなたの部屋に戻って頂けますか?」
「?? 転移しなくてもすぐ上の階ですよ? 歩いて行けます」
「こんな夜遅くに私の部屋から出るのを見られる方がよっぽど不味い展開になりますよ。変な誤解を生まない為にも転移で移動して下さい」
「私とリア様なのに誤解なんて……っつ」
そう言った瞬間目の前にリア様の顔があった。リア様の吐息が顔にかかる。あと一歩近づいたら唇が触れそうな距離だ。
「……忘れているみたいですが、僕も一応男ですよ? その気になったらあなたを襲うことも簡単です」
「……でもリア様は私にそんなことはしないですよね?」
キス魔のユーリじゃあるまいし。そうリア様を見つめ返すとため息をついてリア様の顔が離れていく。
「はぁ。本当にあなたは……とにかく危機感を持って下さいということです。今回は私が部屋に呼んでしまいましたが、本来は断らなきゃダメなんですからね」
「はい、リア様以外の部屋には簡単には行きません」
「……だから私の部屋もダメです。分かりましたか?」
「はい……」
「噂の一つで揚げ足を取られたりするんですから気をつけて下さい? もしあなたが私の恋人だと思われたら、神殿に人質として捕われる可能性もあるのですよ。それで脅迫されて私に嘘の鑑定をさせるとか、あなたのスキルを悪用するとか色々利用価値はあるんですから」
「確かに、そういう危険はあるかもですね。ちゃんと気をつけます」
私がそう納得すると、ため息をつきながらも微笑んでくれる。リア様にお礼を告げて部屋へと転移した私は、疲れもあったのかすぐに眠りについた。
「……まったく、人の気も知らないで困った人ですね」
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