落ちこぼれ予言者と、世界を救うただの少年

春夜夢

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二人目の落ちこぼれと、選ばれし鍵

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「……君、どうして私たちのことを?」

 フィノが問いかけると、白いローブの青年──セリオスはにやりと笑った。

「君たちが“遺跡”に入ることは、だいたい予想できてたさ。
 なにせ、あそこには“神話の初期記録”が眠っている。滅びの器が動き出せば、必ず接触する場所だ」

「“滅びの器”って……僕のこと、か?」

 レントが眉をひそめると、セリオスは軽く頷いた。

「君は、生まれながらにして“選ばれてしまった”存在。
 ……おそらく君の中には、“裁定の因子”が埋め込まれている」

「因子……?」

「神々が残した“世界選別の鍵”さ。
 この世界が“続くか終わるか”を、君が持ってるんだ」

 衝撃に目を見開くレント。
 そしてフィノもまた、薄々感じていたことに、言葉という形で触れられて動揺を隠せなかった。

「君たちはきっと、これから多くの“勢力”に狙われる。
 王都も、導律騎士団も、神殿も、そして──僕のような、規格外の落ちこぼれたちにも」

 セリオスは、ポケットから古びた石版の欠片を取り出した。
 そこには、あの遺跡にあった文様と一致する図形が刻まれていた。

「これは、僕がまだ“預言士見習い”だった頃に拾ったものだよ。
 この図形が示すのは、“選ばれし者が集う聖地”。──そこに行けば、答えが見つかるかもしれない」

 差し出された欠片を、レントが恐る恐る受け取る。

「君にだけ渡す。君の選択が、世界を決めるんだから」

 静かな森の風が吹いた。
 セリオスは背を向け、歩き出しながら振り返る。

「……ただし、忘れないで。未来は“予言”されていても、
 “選ぶのは君たち自身”だってことを」

 そう言い残して、彼は森の奥へと消えていった。

 レントは、手の中の欠片を強く握りしめる。

「……フィノ。僕、やっぱり“ただの少年”じゃなかったみたいだ」

 その言葉に、フィノはそっと微笑んだ。

「うん。でも、私にとっては“外した未来”のきっかけになった人。それだけで、十分だよ」

 二人は、これから始まる長い旅の“本当の第一歩”を踏み出していた。
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