落ちこぼれ予言者と、世界を救うただの少年

春夜夢

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抗う意志と、絶望の預言

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塔の第二層が変貌する。

 宙に浮かぶ足場、ゆらめく光の壁、空間そのものが意思を持ったように戦場へと姿を変えていた。

 フィノとレントが身構える中、ゼインの黒衣が大きく広がる。

「見せてもらおう。君たちが、“希望”を名乗る資格があるかどうかを」

 ──バシュン!

 ゼインが放ったのは、影を束ねたような刃。
 レントがとっさに前へ出る。右手を構えた瞬間、彼の掌から光の壁が展開された。

 (……これは、僕の力!?)

「やっぱり、“器”には防御の概念がある……!」

 フィノが驚きつつも魔法陣を展開する。

「──光よ、導きの道を!」

 放たれた魔法がゼインの足場を砕くが、彼は影を使って空中を跳躍しながらかわす。

「器と導き手。両方が揃って、ようやく神々の想定外。だが──」

 ゼインの背後に、塔の壁が裂け、そこから幻影のような文字が浮かび上がる。

『予言:器が真に覚醒せしとき、全ては滅びの選択へと帰結する』

「……!」

 塔が突如、預言記録を読み上げ始めた。

 フィノが血の気を引かせる。

「これは……旧世界の“禁じられた預言”。器が完全に力を解放すれば、世界は均衡を失う──」

「嘘だ……そんなの……!」

 レントの瞳が揺れる。
 塔の言葉は、彼の心に“疑念”という名の影を落とした。

 ──選んだ先に滅びがあるなら、自分はやはり“存在してはいけない”のか?

 ゼインが刃を構える。

「見ろ、それが“自我”の限界だ。器に心など不要。
 君のその揺らぎが、世界を壊す引き金となる」

「……違う!」

 レントの隣で、フィノが叫ぶ。

「揺らいでいい! 迷っていい!
 そのたびに選び直せるのが、“意志を持つ存在”なんだよ!」

 その声に、レントが目を見開いた。

 ──たとえ預言が“滅び”を告げようとも、今、選びたい未来がある。

 「……僕は、誰かに預けられた運命じゃなくて、僕自身の“選択”を、信じたい!」

 その言葉とともに、レントの身体に新たな光が宿る。

 ──ギィィィィン!

 塔の足場が崩れ、戦場が激しく揺れる中、
 “器”の力が、初めて“未来を塗り替える力”として目覚め始めていた──!
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