落ちこぼれ予言者と、世界を救うただの少年

春夜夢

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器の覚醒と、導き手の誓い

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塔が軋み、空間そのものがざわめく。
 レントの周囲を包む光は、徐々に形を変え始めていた。

 「レント……その力、制御しないと──!」

 フィノが手を伸ばすが、レントの足元には円形の魔法陣が浮かび上がる。
 塔が“器の覚醒”に反応して、自動的に封印解除のプロセスを開始していた。

 「僕は……僕の中に、何か“別の意志”を感じる……!
 でも……これは僕じゃない! 僕の声じゃないんだ!」

 ──ドンッ!

 光の衝撃が周囲を押しのけ、ゼインですら距離を取る。

「……暴走か。やはり器は、心を持てば壊れる」

 ゼインの冷静な声に、フィノは叫ぶ。

「レントは壊れてなんかいない!!」

 彼女は、決意を込めて目を閉じた。
 そして──

 「“未来視・強制発動”!」

 彼女の能力が、極限まで引き出された。
 一瞬にして、数百もの未来が流れ込んでくる。成功、失敗、滅び、生存……そのすべてを。

 ──そして見つけた。

 唯一、“レントを救い、力を安定させる未来”。

「レント! 聞こえる!? 私の声を、ちゃんと聞いて!!」

 暴走の光の中で、レントの表情が少し揺れる。

「私があなたに出会ったあの日から、ずっと思ってる。
 あなたの選んだことが、どんな結果になっても──私は、あなたのそばにいる!」

 ──バァンッ!!

 世界が閃光に包まれたその瞬間、
 レントの暴走する力が、収束を始めた。

 光が静まり、中央に立っていたのは、淡い蒼光をまとうレント。

「……ありがとう、フィノ」

 彼はゆっくりと歩み寄り、手を差し出す。

「僕はもう、怖くない。選び続けることも、間違えることも。
 君が、ちゃんと隣にいてくれるから」

 フィノもまた、彼の手を握り返す。

「うん。ずっと一緒に、選んでいこう」

 その瞬間、塔の結界が震え──
 第三層への道が、開かれた。
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