落ちこぼれ予言者と、世界を救うただの少年

春夜夢

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第三層・神の問いと、世界の試練

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塔の第三層──そこは、これまでのどの層とも異なっていた。
 壁も天井も存在せず、無限に広がる白い空間。
 まるで、世界そのものから切り離された“概念の中”にいるような感覚。

「……ここが、最終試練の場……?」

 フィノが呟いたそのとき、空間に声が響いた。

『器と導き手、共に至りし時──最後の問いを与える』

 どこからともなく現れたのは、光で形作られた“神の幻影”。

『世界とは、何のために存在するか。
 答えよ、レント・フィノ。汝らが選ぶ未来に、世界の理を重ねよう』

 二人は言葉を失った。
 それは、単なる正解の有無ではない。“信念”を試す問い。

「世界が……何のために?」

 レントが、そっと呟く。

 思い浮かぶのは、これまで出会った人々の笑顔。
 滅びかけた村。フィノと過ごした日々。
 選んできたすべての記憶。

 「僕にとっての世界は……“誰かと生きる”ためにある」

 その言葉に、フィノも静かに頷いた。

「私にとっての世界は、“可能性を信じる”ためにある。
 ──誰かを救いたいって願う気持ちが、未来をつくっていくと思うから」

 幻影が光を放つ。
 その言葉は、真っすぐに空間に刻まれていく。

『汝らの答え──認証完了』

 ──ゴゴゴ……

 空間が震え、無数の“扉”が出現する。
 それぞれが異なる未来へと繋がる道。その中で、ひとつだけが“器の選択に応じた道”となる。

『次なる選択──進むべき未来を、選べ』

 その声と同時に、ゼインの気配が空間に現れた。

「……ここでまた会うとはな。だが、もう止めはせん」

 レントが振り返ると、ゼインは静かに言った。

「俺は……あの記録を見た。
 君たちが選ぶ未来には、確かに希望がある。だが、それは“恐ろしく脆い”」

「だからこそ、守ってみせます」
「選び続ける限り、僕たちは未来を作れる」

 二人の言葉に、ゼインは短く笑った。

「ならば──進め。
 ただし、どんな未来であっても、最後まで“選び抜け”」

 光が満ちる。
 レントとフィノは、迷わず一つの扉を開いた。

 その先にあるのは、“選んだ未来の姿”──。
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