『スキル0の俺が“女神の代行者”に指名されて、気づけば世界最強ハーレムでした』

春夜夢

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第11話『聖教会の予言と、“第七の花嫁”』

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王都滞在三日目。
宮廷魔導士団との面会、貴族議会への挨拶、そして貴族令嬢との“契約”――と、怒涛のスケジュールをこなした俺は、リュミエールから新たな連絡を受けていた。

「聖教会から、あなたに面会の申し出があったの」

「……教会って、あの?」

「世界創生の神を信仰する最大宗派。
 そして“代行者”の存在を、古くから予言していた組織でもあるわ」

「つまり、俺の存在を知ってる……?」

「ええ。そして、こう言ってきた。“第七の花嫁を連れて行く”と」

「花嫁……? え、ちょっと待って、何人目だ今」

ノア、アリア、セリナ、アイリス、リュミエール、エリザベート――もう6人いる。

「だから“第七”」

「その前提、どうにかならないの!?」


---

聖教会の大聖堂は、白い石と蒼いステンドグラスで彩られた荘厳な空間だった。
その中央で、俺を待っていたのは――

「……リク・アークライト様ですね。お会いできて光栄です」

澄んだ声と共に現れたのは、
修道服に身を包んだ清楚な少女だった。

白銀の髪、金の瞳、薄く微笑む横顔。

「わたくしの名は、ミシェル=セラフィム。
 この教会が“未来視”によって定めた、あなたの“第七の花嫁”です」

「…………は?」

「はい、予言により決まっておりますので」

「いや、そもそも花嫁システムやめよう!?」

「ですが、すでに“他の6名”が枠を埋めておられます。私は少々、出遅れました」

(出遅れ問題じゃない!)


---

「ミシェル。なぜ君は、そんなに当然のように俺と……」

「……リク様にお仕えすることは、わたくしの生まれた意味です」

「重っ……」

「予言は、未来を決めるものではありません。
 でも、“向かうべき道”を指し示す羅針盤。
 わたくしはそれを選びました。貴方に、心を捧げる道を」

そう言って、ミシェルは、膝をついて祈るように頭を垂れた。

「お願いです。“契約の鍵”を――わたくしに」

「いやいや、出会って30分で契約要求するな!」

「ちなみに、儀式の際は“神殿で婚姻の誓いを交わす形式”になります」

「やっぱり花嫁じゃねーか!」


---

その夜。

教会から用意された宿にて、ミシェルとふたりきりの部屋。

「……なぜ一緒の部屋に?」

「予言では“初夜は共に過ごすべし”と」

「もう予言滅びてくれ」

「では、準備を整えますね」

ミシェルが修道服を静かに脱ぎ始める。

「うわあああ待て待てストップ!」

「“すべてを預けよ”と教えにございます」

その瞬間、部屋の扉が吹き飛んだ。

「リクさま~~~! 今度ばかりは怒りますからねっ!」(ノア)
「また増えたのか貴様ぁぁ!」(アリア)
「神に誓おうが、私が許さん!」(セリナ)

こうして、俺の“第七の花嫁”は、
しれっとハーレム戦争に突入していくこととなった――。


---

◆次回予告
第12話『聖なる契約と、はじめての“口づけ”』
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