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第5話:魔力の疼きと、彼の本能――私の中の何かが、今、目覚めようとしている
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あの夜から、何かが変わった。
カイルに何度も深く抱かれ、魔力が流れ込み、身体の芯まで彼で満たされたあの夜。
私は、確かに“何か”を得た気がした。
それが愛なのか、それとも依存なのか。
まだ自分でもよく分からない。
けれど――
「リカ、魔力の流れが以前と違う。……身体に違和感は?」
「うん、なんか……熱っぽい。触れられると、奥がうずくっていうか……」
彼の指先が、私の首筋に触れた瞬間――びくっと身体が跳ねた。
「……やっぱり、反応してる。君の魔力は、俺の魔力に強く引き寄せられている」
その言葉の通り、私の身体は彼に触れられるたびに震え、
欲望と魔力が混ざり合うような疼きを覚えていた。
「これって、魔力の影響……?」
「一部は。だが、全部ではない。
君自身が、俺を求めている。……それが、“魔法契約”の進行だ」
「……“契約”? 私、なにかされてるの?」
カイルは少しだけ眉をひそめ、静かに言った。
「俺と君の魔力が重なり合うことで、潜在的な契約が形成されつつある。
それは本来、長い儀式と時間をかけて行うものだ。
だが、俺たちは――すでに“身体”で、魔力を交わしてしまった」
「…………」
(それってつまり……あの夜のことが、もう……契約に近いってこと?)
ドクンと心臓が跳ねた。
「……大丈夫だ。俺が責任を取る」
その言葉が、なぜか怖かった。
嬉しいのに、不安だった。
カイルの“責任”が、果たして“愛”と同じなのか、まだ分からなかったから。
その夜、カイルはいつもよりも優しかった。
熱く、ゆっくりと私の身体を愛撫して、魔力の震えが落ち着くまで、
ひとつになって、長く、何度も、重ねてくれた。
「……リカ、どうしてそんなに可愛いんだ」
「わかんない……あなたが、そう言うから……っ」
「もっと乱れて。もっと俺を欲しがって。……君の全部、壊れるまで愛してやる」
彼の中で、私は溶かされていった。
快感と魔力に溺れながら――この人を、信じてもいいのかもしれないと、そう思った。
カイルに何度も深く抱かれ、魔力が流れ込み、身体の芯まで彼で満たされたあの夜。
私は、確かに“何か”を得た気がした。
それが愛なのか、それとも依存なのか。
まだ自分でもよく分からない。
けれど――
「リカ、魔力の流れが以前と違う。……身体に違和感は?」
「うん、なんか……熱っぽい。触れられると、奥がうずくっていうか……」
彼の指先が、私の首筋に触れた瞬間――びくっと身体が跳ねた。
「……やっぱり、反応してる。君の魔力は、俺の魔力に強く引き寄せられている」
その言葉の通り、私の身体は彼に触れられるたびに震え、
欲望と魔力が混ざり合うような疼きを覚えていた。
「これって、魔力の影響……?」
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「俺と君の魔力が重なり合うことで、潜在的な契約が形成されつつある。
それは本来、長い儀式と時間をかけて行うものだ。
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「…………」
(それってつまり……あの夜のことが、もう……契約に近いってこと?)
ドクンと心臓が跳ねた。
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その言葉が、なぜか怖かった。
嬉しいのに、不安だった。
カイルの“責任”が、果たして“愛”と同じなのか、まだ分からなかったから。
その夜、カイルはいつもよりも優しかった。
熱く、ゆっくりと私の身体を愛撫して、魔力の震えが落ち着くまで、
ひとつになって、長く、何度も、重ねてくれた。
「……リカ、どうしてそんなに可愛いんだ」
「わかんない……あなたが、そう言うから……っ」
「もっと乱れて。もっと俺を欲しがって。……君の全部、壊れるまで愛してやる」
彼の中で、私は溶かされていった。
快感と魔力に溺れながら――この人を、信じてもいいのかもしれないと、そう思った。
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