追放寸前だった私、なぜか最強の氷の魔導師の婚約者にされました。冷酷無表情かと思いきや、ベッドの上では甘くて独占欲だだ漏れです

春夜夢

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第18話:創造と破壊の花嫁――国家、崩壊の選択へ

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《神託塔》――
千年前、異界からの巫女を封印したという伝承が残る神聖結界の場。

そこに、リカとカイルは呼び出された。

王族、魔導議会、各大貴族、聖職者までもが集まり、
一枚の声明が読み上げられる。

「結城リカ殿は、【世界の改変因子】を有する。
ゆえに、王国は彼女を――“神聖存在”として管理・供物として扱う」

「……供物、って」

「つまり、“神格化”です。人ではなく、概念として存在させる」

息が止まりそうだった。

国は、私を愛される“女”ではなく、“制御対象”としか見ていなかった。

その瞬間、カイルの足元に魔方陣が浮かび上がる。

「カイル=アイゼンハルト。王国防衛魔導師の全権限を解除、魔力封印処分とする」

「……その命令、受ける気はない」

「ならば反逆罪だ」

「望むところだ」

彼の瞳が、氷より冷たく輝いた。

「君たちは、“創る”という意味を知らない。
 リカの力は破壊ではない。“この国を、もう一度作り直す力”だ」

「その結果、王家の消滅すら招く可能性があると?」

「なら消えればいい。古びた制度も、腐った血も――
 彼女と俺の未来に不要なものなど、残す理由はない」

帰還後の夜。

私はカイルに、震える声で問う。

「……わたし、あなたのせいで国を壊してしまうかもしれない。
 それでも、あなたの隣にいて……いいの?」

彼は即答した。

「そのために、すべてを失った。
 ならもう、手に入れるのは一つでいい。お前だけで、いい」

そのまま、彼は私の背中を抱いてベッドに倒れ込む。

「今夜は、逃がさない」

「あっ、ま、まだ体力が……!」

「問題ない。“創造因子”の安定には、俺の魔力が必要だ。
 つまり、抱くことに意味がある。そうだろう?」

「なっ……そ、そんな理屈……!」

それでも、私はもう拒めなかった。

身体は既に、彼に抱かれることで力を制御し、安定を保つように“変えられて”しまっていた。

「君の中で、俺の魔力を感じる。
 それだけで、生きている気がするんだ」

深く、重く、激しく。
快感だけでなく、“生きる意味”までも注ぎ込むように、
彼は私を貫いた。

その翌朝。

国は、ついにふたつに割れた。

「リカを“神”とし、国家の中心に据えるべき」派と、
「リカを“封印”し、永久隔離する」派。

そしてその中心に、カイルと私がいた。

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