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9.1‐4 閑話 好奇心の話
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拠点にいた頃。
猫の姿の魔神が、たまにその言葉を口にする。
気になって、その言葉の意味を尋ねてみた。
「・・・・・・好奇心は猫を殺す?」
聞き返されて、自分は頷いた。
「猫は9つの魂を持っていて簡単には死なない。が、そんな猫ですら、持ち前の好奇心が原因で9回も死んで命を落とす。簡単に言りゃ、好奇心で動くと簡単に死んじまうぞって意味だな。あと、猫に9つも命ないからなぁ~」
下級の魔族達は好奇心旺盛だ。
よく危険なことをする。そのたびに魔神に咎められていた。
「好奇心がなきゃ探究心も危機管理能力も育たないけどよぉ・・・・・・あのトリオはありすぎるんだよなぁ・・・・・・ちょっとだけでもいいから抑えてくんねぇかなぁ・・・・・・」
魔神はげんなりとした声を漏らした。
「これは人間にも言えるからな。知らなくていいことを知ろうとして命を落とす奴は多い。例えば、珍しい動物や昆虫、植物を見つけようと秘境の地に行った奴が戻ってこないでそのままお亡くなりになるとか・・・・・・」
北の大陸でそれを行ったら雪に埋もれて一生空を拝むことはできないな、と思った。
「あとは・・・・・・悪の組織を倒すために潜入した先で見なくていいものを見た、とか? この世に出してはならない凶悪な魔剣を作ろうとしている悪の組織を倒す正義の味方の物語あっただろ? あんな感じ?」
魔神に教材として押し付けられて読んだ。
その物語では、人間を虐げる悪の獣人が跋扈する世界。獣人達は世界を我が物にするために人間から魔力を奪って魔剣を作り出そうとしていた。獣人達の動きに気付き、魔剣の存在を知った主人公が、その計画を阻止し、同胞を助け出そうと奮闘する。そんな内容だ。
正直に告白する。その冒険活劇に興奮して胸が弾んだ。
復讐を誓った身でありながら、そんな感想を抱いてしまった自身が恥ずかしくなった。
すぐに返した。が、たまにこっそり読み返している。
「ま! 所詮、空想の物語だし、あれぐらいのありえないがちょうどいいんだよな~!」
その時の魔神は、とても楽しそうに笑っていた。
拠点にいた頃。
猫の姿の魔神が、たまにその言葉を口にする。
気になって、その言葉の意味を尋ねてみた。
「・・・・・・好奇心は猫を殺す?」
聞き返されて、自分は頷いた。
「猫は9つの魂を持っていて簡単には死なない。が、そんな猫ですら、持ち前の好奇心が原因で9回も死んで命を落とす。簡単に言りゃ、好奇心で動くと簡単に死んじまうぞって意味だな。あと、猫に9つも命ないからなぁ~」
下級の魔族達は好奇心旺盛だ。
よく危険なことをする。そのたびに魔神に咎められていた。
「好奇心がなきゃ探究心も危機管理能力も育たないけどよぉ・・・・・・あのトリオはありすぎるんだよなぁ・・・・・・ちょっとだけでもいいから抑えてくんねぇかなぁ・・・・・・」
魔神はげんなりとした声を漏らした。
「これは人間にも言えるからな。知らなくていいことを知ろうとして命を落とす奴は多い。例えば、珍しい動物や昆虫、植物を見つけようと秘境の地に行った奴が戻ってこないでそのままお亡くなりになるとか・・・・・・」
北の大陸でそれを行ったら雪に埋もれて一生空を拝むことはできないな、と思った。
「あとは・・・・・・悪の組織を倒すために潜入した先で見なくていいものを見た、とか? この世に出してはならない凶悪な魔剣を作ろうとしている悪の組織を倒す正義の味方の物語あっただろ? あんな感じ?」
魔神に教材として押し付けられて読んだ。
その物語では、人間を虐げる悪の獣人が跋扈する世界。獣人達は世界を我が物にするために人間から魔力を奪って魔剣を作り出そうとしていた。獣人達の動きに気付き、魔剣の存在を知った主人公が、その計画を阻止し、同胞を助け出そうと奮闘する。そんな内容だ。
正直に告白する。その冒険活劇に興奮して胸が弾んだ。
復讐を誓った身でありながら、そんな感想を抱いてしまった自身が恥ずかしくなった。
すぐに返した。が、たまにこっそり読み返している。
「ま! 所詮、空想の物語だし、あれぐらいのありえないがちょうどいいんだよな~!」
その時の魔神は、とても楽しそうに笑っていた。
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