After story/under the snow

黒羽 雪音来

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16.4-8 裏側エピソード その5

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 南の大陸の勇者。ソフィ。
 彼女は聖剣に選ばれていない、魔力を持たない人間である。
 南の大陸で最も強い魔神と戦いたい。それだけで聖剣を強引に引き抜いた・・・・・・もとい、数年かけて穴を広げて台座から外した。
 魔力がないから聖剣の力は全く使えないが、鍛えた筋肉で聖剣をぶん回し、戦いにおける勘の鋭さは西や東の勇者より群を抜いて高い。そんな変わり者である。

 振り回しているだけに見えるが隙がない。1撃受けたら、象に潰された蟻みたいになる。実際そうなった眷族もいる。
 あれは勇者じゃない破壊の申し子だと、南の魔神には理解できないことを言い出して、恐怖でガタガタと震え出す眷族が増えていった。
 

 南の大陸の聖女。サフワ。
 歴代の南の聖女の中では、最小年で選ばれるほどの優秀。勇者のみのサポーターだけでなく、全体的にサポーター・ディフェンス・ヒール・アタッカーを全てこなす実績を持っている。しかし聖女の優秀者より、高い正義心が仇となってたびたび問題を起こしては解決していく方で有名になった変わり者である。

 彼女が5歳の時にぼこぼこにされた南の魔神の眷族達は、それがトラウマとなってしばらく引きこもりになった。あれは聖女じゃない破壊の女神だと、南の魔神には理解できないことを言い出して、恐怖でガタガタと震え出す眷族が増えていった。

 南の魔神の眷族全員が「彼女たちと戦いたくない」と泣き叫び懇願するほど、人間とは思えないほどの高い戦闘能力を持っているのだ。
 他の同行者のいない若き2人は、実力だけなら西の大陸や東の大陸の勇者一行より強いという噂まで流れていた。

 南の大陸であれば、彼女たちの破天荒な旅路と手に汗握る戦闘が描かれていただろう。
 だが、ここは北の大陸。
 そして、これは勇者と魔神の戦いではない。
 彼女たちはただの人間で、場外の存在であった。

 ここから先に立ち会うことも、知ることも許されない。
 
 

 1人で走れるほどソフィは回復し、サフワの鞄に入っていた予備の服を着終えた時、教会にいた狼が通り過ぎる姿を目撃した。
 サフワが急かしたこともあり、ソフィはその狼を追いかけ始めた。 
 そして、聖剣を咥える狼と、召喚するように魔物を招くウォール大賢者を目撃した。

 こちらに投げ飛ばされた聖剣を見て、ソフィはそれを掴んで攻撃に出た。

 得体の知れない魔物という存在を率いる不審者。癒やしをくれたモフモフ狼を殺した動物虐待最低お爺ちゃん。ソフィにはそんな悪者に見えたのだ。


 峰打ちを狙って振った剣を受け止められて、その見方考え方が間違っていることに気付いた。
 教会の地下にいた熊の毛皮を被った4本腕の男性(普通に話すし人間っぽすぎて多肢症の魔法使いと勘違いしていた)と、全く同じ方法とタイミングと動きで防御を取ったのだ。


 木の鎧姿の魔神はこう言っていた。
「本来の俺はそこの毛皮の本体にねちねちとバトルを挑まれて動けないから──」
 他にも何か言っていた気がするが、ソフィにとって重要なのはこの部分のみ。
 毛皮の本体。その本体がこの不審者最低お爺ちゃん。
 そう脳筋の直感で答えを導き出した。


 その瞬間。バトルジャンキーとしてのソフィの心が、別の意味で爆発した。
 悪役で自由で適当でろくでなしと自称しながらも、実は真面目で戦いでは正面からぶつかって相手してくれる最強の 南の魔神を独り占めしている悪い人。
 もっともっと南の魔神と戦って、隠している本気を引き出してさらに戦いたい。その夢を妨害する悪い人。
 この人が独り占めするから戦えない。そんな悲しさとせつなさと悔しさと怒りを、爆破の衝撃の如くに聖剣を立て続けに振るってぶつけていく。
 
 その心が疲れを感じさせず、むしろ剣撃の強さと速さが上がっていく。攻撃に対する思考は研ぎ澄まされ、ウォール大賢者の防御を押していく。攻撃を聖剣で弾き飛ばして追撃を加えていく。

 今までの戦いの経験から、魔法を使う悪者は近距離から戦った方が勝てると知っていた。
 聖剣が届く範囲を死守しながら、大賢者を追い詰めていく。

 ここまでで見れば、ソフィの方が優位に立っていた。
 南の魔神の眷族には猛者もいる。そんな眷族すら恐怖で震え上がらせるほど、ソフィは強い。

 しかし、ウォール大賢者は別格だ。
 本気を出せば、その眷族を1撃あるいは2撃で消滅させられるほどだ。 

 魔力があれば、魔力を感じる力あれば、ウォール大賢者がまだ手加減していたことに気づけた。
 杖を手にしてやや本気を出した時点で、彼女たちの敗北は決まっていた。


「はあぁぁぁああああ!!」
 ソフィは雄叫びを上げ、聖剣を下から振り上げる。

 ウォール大賢者は受け止めずに寸の所で躱すと、右手を横に広げる。
 投げ飛ばした杖が戻ってきた。杖の先端を地面に当てる。
 ソフィの足下に、奇怪な紋章が一瞬で現れる。
 拳ほどの光球がいくつも浮かび上がり爆発する。ウォール大賢者共々ソフィの体が煙に隠れる。
 
 先に煙から出たのはウォール大賢者。彼は着地と同時に杖を着く。
 その手前で、横からの回し蹴りが杖をへし折った。

「っ、舐めんなっ!!」
 杖を折ったサフワが、蹴りの勢いを生かしたまま、右の拳を胴体に叩き込む。

 クリティカルヒット。
 なのに、その体はくの字に曲がらない。
 その体は鋼でできているのではと勘違いするほどの金剛で、聖女の術で補強したサフワの拳の方が真っ赤に腫れた。血が流れる。 

 ウォール大賢者は何事もなかったかのように、杖を手放して掌を上に向ける。
 別の杖が、突然現れた。
 先程の杖とは全く違い、先端は槍として使うこともでき、頭の部分は三角形をいくつも重ねたような不思議な構造をしている。下に長い十字架のようなその造形から神秘的な美しさがあった。

 さらなる魔法を使われる前に、と。サフワは左の拳を顔面に向けて放つ。
 聖女だからこそ、気付いていた。
 ウォール大賢者が使っているのは、魔法とは似て非なる術。人の扱えるものではない。

 これでも手加減されている。
 こちらを見下している今が好機だ、とサフワはそう捉えた。
 南の魔神やその眷族と戦ってきた経験から、この拳は絶対に当たると確信した。  

 だが、現実はそれを嘲笑っていた。
 たたの人間が、人間が扱えない力を持った存在に勝てるはずない、と。

 目の前に極光の点があった。
 それは突然現れた。そういうふうにサフワには見えていた。
 その正体が、ウォール大賢者が持つ杖の槍先だとも気づけなかった。

 左の拳を振るうより先に、その鋭利な先端をサフワに向けていたのだ。
 何もなければ、拳が届く前にサフワの顔を貫いてた。
 その先端が届く前に、ソフィが聖剣を間に入れる形で防いだ。

 カンっと。鉄と鉄を軽く当てた、短く高い音が鳴る。

 ただの杖と聖剣。それならどちらに軍配が上がるのか誰でもわかった。
 相手がウォール大賢者でなければ、ただの杖でなければ、の話だ。 
 

 ソフィとサフワが後ろに吹き飛ばされた。
 防げたのは貫通のみ。
 鳴った音とは違い、人間では持てないような巨大な鎚で殴られたような強力な衝撃があった。
 声を上げる間もなく、体勢を整える間もなく、受け身をとる間もなくその衝撃を受けた。

 それでもまだ運が良かった。
 これが聖剣でなければ、その衝撃は緩和しきれなかった。本来の衝撃に2人の体は陶器の容器を割り叩いたように粉々になっていただろう。

 なにより意識がまだあった。
 瓦礫や建物に当たる前に、サフワが結界を発動させる。
 

 結界に包まれた2人の体が瓦礫や建物、さらに地面に何度もぶつかる。
 まるで、いくつも置かれた爆弾が時間をずらして爆発するかのように、空気を破るような破砕音が響き、灰色の煙が場所をずらして何度も立ち上がる。


 ウォール大賢者はその間に杖の先端を地面に当てた。
 
 結界に包まれた2人が飛ぶ方向の地面に、再び奇怪な紋章が現れる。
 
 再び、あの爆発する光球が出現する。
 先程と同じなら、ソフィを守ったこの結界でも防ぐことは可能である。
 だが、その奇怪な紋章は幾重にも重なって、大きさを変えて出現していた。
 足場などない。そう言うかのように光球の数も増えた。
 
 サフワ自身、疲労の色が濃い。
 治癒は、結界や強化よりも魔力の消費が激しい。追加で聖女の力を使える余裕などない。
 結界だけでは防げず、2人仲良く光球の爆発で殺される。

「それは困るってもんだ」
 陽気でしゃがれた声が聞こえた。
 
 ソフィとサフワ、そしてウォール大賢者が同時に驚く。
 だが、その姿は見当たらない。
 まるで、空気がその声を発しているかのようだった。

「こっちの勇者と聖女を同時に失うと儀式に支障が出ちまう」
 雪の大陸に不釣り合いな砂漠の砂が、どこからともなく地面を覆う。
「さすがに御免被るぜ。ストーカー野郎ぅ!」

 その砂は生き物ように大地を走り、光球を次々と呑み込むんでいった。
 離れていたウォール大賢者の方へ向かい、大きな口を開けるように襲いかかった。

 ウォール大賢者は杖の頭を向ける。いくつも重なった三角形の間から極光が生まれ、それが一直線に放たれた。
 砂に小さな穴ができたと思えばすぐに大きく広がり、その1撃で命を失ったように崩れ出す。

 その中から、呑み込んだ光球全てが降って来た。

 しかも、爆発寸前で。

「!!」

「そんぐれぇで驚くなよっ!!」

 声の主──南の魔神に支配権を奪われた時点で、もうウォール大賢者の技ではなくなった。

 教会にいたゴーレムだろうが、作り出した分身であろうが、生きている生き物であろうが関係なく、南の魔神自ら触れ、あるいは手の延長として砂で呑み込んだ対象全てを支配下に書き換える。
 声の主にとっては、朝飯前の作業であった。

 人間なら目が焼けるほどの眩しさと熱を持った爆発に、ウォール大賢者は巻き込まれた。


 その爆発の範囲外。
 吹き飛ばされていた勢いが落ち、ソフィとサフワは地面に削られるように滑っていく。
 結界があったから無傷で済んだが、サフワは術ひとつも使えない状態まで疲労した。
 サフワの体が前によろける。
 すぐにソフィが支えた。
「サフワちゃん大丈夫!?」
 サフワは俯いたまま、何度も短い喘息を吐きながらも頷いた。

「いやいや~。喋れない時点でもうムリっしょ~」
 
 2人の横に、白くてふわふわした影が降り立った。
「よぉ」
 後ろ足で立ち、上げた右手から小さな肉球をみせるコナユキ猫がいた。
 その声は南の魔神だ。

 ソフィの目がキラキラと輝き出す。
「南の魔神さん~!!」
「はいはーい。南の魔神さんですよぉ~」
 大人が小さな子供に「いないいないばあ」をするかのように、魔神は両手を顔の位置まで上げた。

「その姿も魔神さんも強いですか~!?」
「全然弱いぞ~。教会で会った狼の俺や木の鎧の俺より弱いぞ~」
 魔神は楽しそうに言いながら、両手の肉球を見せつけるかのように、開いたり閉じたりを繰り返している。

「そ、そんな~・・・・・・あれ? 狼って・・・・・・まさかあの声って!?」
「ん~~。いつもみたいにサフワの嬢ちゃんが仕切ってくれないから全然話が進まねぇ・・・・・・」

 サフワはジトッと、魔神を睨み付けた。

「でも、本当は強いっていう可能性も──」
「ねぇから諦めてくれソフィの嬢ちゃんつかあいつ抑えるおくのしんどいからそろそろ本題に入らせてぇ!!」
 
 必死に懇願するかのように、魔神は一息かつ早口で告げた。
 魔神は手を叩くように、何度も右の肉球と左の肉球をあわせる。

「ここから南の方角にある港町に送ってやるからとっとと帰れ」
 それは、本題というより親が子に言いつけるようだった。

「ちゃーんと南の大陸に帰ってくっから。その時戦おうぜぇ」
 にっこりと笑う魔神の背後から、人影が飛び出してきた。
 両手の肉球を強く押し付けるように地面に当てる。

「──っ、!!」
「待ってくださ──!!」
 サフワとソフィを包み込むように砂嵐が覆い隠して消えた。

 それと同時に、魔神の背後に水の膜が出現した。
 その膜に、背後をとったウォール大賢者が刺し向けた杖の先端は弾かれた。
 槍先の金属部分の極光も消えた。

 それはあまりにも不自然な光だった。
 空は曇っていた。明りになるものは近くにない。
 なにより。人工的に与えられた衝撃で消える発光現象など、自然界に存在しない。

 それがなんなのか。魔神は知っていた。
 
「・・・・・・お前はやり過ぎなんだよぉ。初代法皇さんよぉ」
 魔神の声から、先程までの陽気さが薄れた。その分、ぐつぐつと燃えるマグマのような怒りが籠もっていた。
 教会で聞いた声ではなく、南の魔神そのものの声だ。
 教会で聞いたあの声の雰囲気とは違うのに、ウォール大賢者はぞわりと体を震わせた。 

「そりゃ上から命令されたら黙って従うのが下の役目だ。そこだけは共感してやる。──が、それでも節度ってもんがあるだろ?」

 目の前にいるのは、北の魔神のような複製体ではない。
 本物の魔神だ。
 南の大陸の悪役。勇者は怯えながらも、正義心という勇気を奮い立たせ、多くの人の期待と責任を背負って、倒さねばならない脅威の存在。
 本能が訴える。勇者でないのだから逃げろと警鐘を鳴らす。

「最後の1個。最高傑作とも言える成功作だけが見当たんねぇのは当たり前だわ。馬鹿だろ? 自身の体にくっつけるなんざ自壊行為でしかねぇからな」

 この魔神は本性を隠していたのだ。
 何度も妨害してきた本体と木の鎧の姿も本気ではなかったと、今更思い知らされた。

「悪ぃ。馬鹿だったわお前。『あいつ』の馬鹿が移っちまった哀れな奴だったわぁ。『聖剣の苗床』に干渉するのにもってこいってだけで、それに手を出してんだからなぁ」
 
 それでも、敵前逃亡は絶対にしてはならない。
 これから来る未来で、『主』を先頭に、共に戦うことになる敵だからだ。

「馬鹿なお前のせいで説明がさらに渋滞しちまったじゃねぇか。どうしてくれんだよ。これ? 説明する気ねぇんなら謎だけばらまくのやめろ。責任もって伏線回収と事態の収拾もできねぇんなら、命令であってもやるんじゃねぇ。正直言って、俺から北の勇者に今回の件、説明したくねぇんだよ」

 くるりと。魔神が後ろを振り返る。
 顔を見せるように、水の膜が音を立てて弾け落ちた。 
 
 真っ白い毛に覆われた、見た目可愛らしい白い猫。
 その目には、見ているだけで相手を畏怖させるほどの獰猛で悍ましい光が灯っていた。

「処刑方法を一存で変えてんじゃねぇよ。どんな理由があれ、南の勇者と南の聖女を殺す発想と行動止めろ。南の大陸と全面戦争になるぞ」

 猫の姿を被った、異なる肉食獣の姿がいた。 
 ふわふわの白い毛に覆われた小さな手を上から下に速く動かしただけで、凶器としか言い表せない鋭く分厚い爪に変わり、体そのものを引き裂かれる。そんなありえない死を実現させるほどの殺気を飛ばしている。
 少しでも動けば避けられない運命のように、ウォール大賢者を待ち構えていた。 

「もっといろいろ苦情言いてぇが・・・・・・こっちの代行の仕事に便乗して『使徒』増やしやがって。しかもほとんどが『魔物』落ち。神の御使いとして人々を導いていた法皇の名誉はどこに落としてきた? それとも人間辞めてからドブに捨てちまったか?」
 
 それであっても、教会の時と同じように嫌な言葉を選んでくる。

「貴様───」

「随分前から知ってるって鎧の俺が言っただろ?」
 また、魔神は心を読んで答えを先に口にした。

「今までみたいに見逃してやるつもりはねぇぞ」
 それが合図だったかのように、城の方から、水の波紋のようにマナが広がり増えていく。
 すぐに人間が生存できないほどの量に達した。

 音を聞きつけ近づいてきた魔物達が、苦しいと訴えるように激しく喉を掻きむしり、目を剥き、口から泡を吹き出し、音を立てて倒れてそのまま亡くなった。


 空気が激しく振動する。
 王都という地面に、翼を生やした巨大な生き物の影が走る。
 マナの発生源である城の方を覆い隠すように、水の渦が空に向かって伸びていく。
 その振動を起こしたふたつの気配は、目の前にいる小さな姿の魔神よりも強大だった。
 その気配で、猫の姿の魔神が放つ殺気が上書きされるように薄まった。

 殺気に監視されたいたウォール大賢者は、自由を取り戻した。
 影の持ち主で王都の上空を飛行する、いるはずのない存在に向けて杖を向ける。

 だが、砂嵐によって視界を妨害された。 
 その砂嵐は、ウォール大賢者を取り囲んでいた。

「南の魔神プレゼンツ!」
 再び、陽気な口調に戻った魔神の声が砂嵐の中に響く。  
「復讐のファイナルステージへご案内ぃ!!」
 砂嵐と共に、ウォール大賢者と猫の姿の魔神の姿も消えた。 
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