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ん?あれ?何故かホールの音が全部消えた。話し声一つしてない。

「ぶっ」

………?

「あ~っはっはっはダメこれ笑いが止まらないっ」

いつの間にか隣に皇太子殿下。いつからいたのですか殿下。
「キミが気付かなかっただけで最初から」
え?最初って?
「休憩所の机の下」
え"っ!まじ?
「マジです(笑)」
……というか私心読まれてる?
「顔に出てるから(笑)」

どうやら私が休憩所に来たときとっさに言い寄られるのを危惧して隠れたらしい。その後私も 殿下がいるのに気付かず第二王子と男爵令嬢を回避するため机の下に入ってきたと。ついでに言うと二人が部屋から出た後も机の下にいたときの私の顔が面白かったらしくてそのままついてきていたらしい。しかも私の側にいると周りが自分を皇太子だと気付かないので遠慮なく人避けがわりにしていたらしい。
クソ殿下め。そして存在感が薄い自分が憎い。
「ちなみにキミが入った休憩室王家専用だったり」
…クソ殿下と言ってごめんなさい。というかあいつら王家専用で致していたのかよ。
笑いが収まりそうにない殿下はさておきもう一つ。うめぇ。あいらぶ肉。こうなりゃこのパーティーの骨付き肉全部食ってやるぞ。モグモグ。

結局私の心の声が漏れてしまった件と殿下の爆笑で第二王子と男爵令嬢の醜聞は忘れ去られることに。思いっきり目立ってしまった私としては複雑である。王家専用休憩室での件含めて。

パーティー終了後、王様と王妃様から呼び出されて何故かお礼を言われたことは解せぬ。もちろんエスコート役として一緒に来ていたのに何故か危険を察知したのかいつの間にか離れていた兄ロベルトを無理やり引きずっていき巻き込むことも忘れない。
第二王子と男爵令嬢の醜聞は堪えたらしい。王家専用休憩室無断侵入の件はお咎めなしとなり、口止め料としてなにかくれるということだったので兄に押し付けてやった。面倒は御免である。そもそも見てしまったアレは口に出したくもない。あーやだやだ。
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