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追いかけっこを始めてしまったクライドさんとセオのことはひとまず置いておくとして、封印についてはどうするんだろう?

思わずいりこの人の顔を見ると、いりこの人は私の頭を撫でながらあの扉を見ていた。

「さて、封印どうするべきか………。」

………封印できる人を呼ぶんじゃないのか?

不思議そうにしている私に気付いたのかいりこの人は苦笑しながら頭を撫でた。

「それが出来れば簡単なのだがな…。」

ん?出来ないのか?

「封印のスキル持ちは今、一人しかいない。」

その人を呼べばいいじゃないか。

首を傾げながら思った。

「その人は………なんていうか…ははは(汗)。」

え、なんかいりこの人顔をひきつらせているぞ。一体どんな人だろう。その珍しいスキル持ちの人の名前ってなんだ?スゲー気になる。

「……………(苦笑)」

どうもいりこの人あまりその人の名前を口にしたくないらしい。

どうしてなんだろう?

とりあえずいりこの人の顔をじーーっと見る。


「…………………(苦笑)」

もうちょっと、じいぃーーーーーーーーー!

「…………………………。」

それじゃあこれはどうだ?

首をかしげてみる。

「にゃあ(教えて)!」

いりこの人の胸板に肉球でふみふみしつつ時折頭を押し付ける。そしていりこの人の顔を見てじいぃーーーーーーーーーっと見る。

「…………っ!」

………これはもうそろそろ言いそうだぞ!

しばらく考えてからいりこの人は言った。

「その人は王弟殿下の幼なじみだ。」

え、あの人幼なじみ何ているんだ?

なら、良かったじゃないか!基本あの人なんやかんや変人ではあるけど優しいから仲介してくれるかもしれないぜ。

「いや、それが問題じゃないんだ。」

ああ、もしかして多少変人なのか?
………でもそれなら王弟殿下ほどの変人はそうたくさんいたら困るし、案外普通の人なんじゃないか?王弟殿下よりは。

だが、いりこの人は顔をひきつらせなら首を左右に振った。いりこの人は顔を真っ青にしながら冷や汗をかいていた。

え、ちょ、それって…………………………。

「………………(目をそらす)」

マジか………。マジなのか…。王弟殿下よりすごいのか…………………………。

正直、王弟殿下よりすごいっていうのが全く想像できないぜ(汗)一体どんな人なんだ?王弟殿下の幼なじみって………。

頭のなかに思い浮かぶのは新作の薬両手にいろんな人をステキな笑顔で追いかけ回す王弟殿下。

あれよりすごいのか…………。

廊下にはクライドさんの怒鳴り声と逃げ回るセオの叫び声だけが響いていた。
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