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第3章 1 ポストに謎のプレゼント
伝説のスポーツドリンク
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そして、待ちに待った一週間後。
早朝――というか太陽もまだ出ていない時間に、俺はミライにたたき起こされた。
「……んんん、なんだよこんな時間に。早すぎだろ」
「いいから起きてください。伝説のスポーツドリンクを作る準備が整ったので、すぐに飲ませてあげたいと思いまして」
興奮した様子のミライに急かされる。
すぐに飲ませたいってことは、徹夜で作っていたのか?
深夜テンションだから、そんなにも興奮しているのか?
「でもなぁ、にしたってまだ朝にもなってないだろ」
「いいから早く起きてください。さぁ、早く! どうせ作っている最中に眠気は冷めますから」
「……わかったよ」
深夜テンションのミライの強引さに負け、俺はしぶしぶベッドから出る。
昨日は俺も夜遅くまでトレーニングしていたから眠いしだるいんだけどなぁ。
「ちなみに、スポーツドリンクの名前は『激しい運動で弱っている誠道さんのを元気にするドリンク』です」
「ただの下ネタじゃねぇか! なんで『の』を入れちゃったんだよ!
「じゃあ、『激しい運動で弱っている誠道さんのをたちあがらせるドリンク』で!」
「だから下ネタ! なんで『の』を入れるの?」
「さっきから下ネタ下ネタうるさいですよ。いったいどこが下ネタなんですか? 詳しく説明してください」
「絶対わかってるよなぁ! 俺に恥かかせようとしてるだけだよなぁ!」
「そんなことありません。ですが、引きこもりが妄想力豊かなことを忘れていました。だって引きこもっていたら、自家発電くらいしか娯楽はないですもんね。そりゃあそういう下系の妄想力は高まりますよね」
「だから絶対からかってるよなぁ!」
「普通の言葉を下ネタと受け取ってしまう、誠道さんの心が下ネタなのではないですか?」
「もう意味わかんなくなってきてるぞ」
ああ、この不毛で無遠慮なやり取りのせいで? おかげで? 完全に目が覚めたよ。
ミライと一緒に階段を下りて、リビングに向かう。
でも、異世界にきてスポーツドリンクが飲めるなんて思いもしなかったから、本当に感動だ。
「さぁ、これがさいっこうにおいしい伝説のスポーツドリンクを作るために必要なものです」
リビングの中央に置かれているものを自慢げに紹介するミライ。
「必要なもの……って、まだ作ってないのかよ」
だったらまだ寝られただろ。
せっかく頑張ったから、作る過程も見せたいって気持ちはわかるけどさぁ。
ミライが伝説のスポーツドリンクを作るために要したものは、大きめのたらいに、なにやら怪しげな白い粉、そして氷と水。
その他、なにかわからないけれど白っぽいものがいっぱいあった。
「こんなに必要なのか」
「はい。必要です」
即座にうなずくミライ。
「じゃあ、さらに準備がありますので、誠道さんは座ってお待ちください」
俺は、ミライに促されるままソファに座る。
眠気がぶり返してきたため、すぐにうとうとしてしまった。
「さぁ、ようやく準備できました」
うとうと、うとうと。
「誠道さん。こちらへ」
うとうと、うとうと。
「そのまま、そのままですよ。服は脱がなくてもいいので、この氷水でいっぱいのたらいの中に入ってください」
「……ああ、わかっ――――たっていうところだったわ!」
間一髪のところで俺は正気に戻ることができた。
うとうとしていて危うく氷水の中に入っちゃうところだった。
「ちょっと誠道さん! 抵抗しないでください!」
「抵抗するわ! なんで朝から氷水で体を清めなきゃいけないんだよ!」
「むしろ体を清めない理由の方がないかと」
「俺は修行僧じゃねぇしサウナ後でもねぇぞ! 風邪ひくだろうが!」
「え? 私はむしろ誠道さんに風邪をひいてほしいと思っているのですが」
「はい爆弾発言飛び出したぁ。俺を支援する立場にあるまじき発言飛び出したぁ」
ミライに期待した俺がバカだったよ。
というか、早朝に起こされた段階でこのクソ展開が起こる可能性に気づくべきだった。
「なにを言っているんですか。私は熱を出してほしいんですよ。熱が出ているときのスポーツドリンクのおいしさは異常じゃないですか! あれこそまさに伝説のスポーツドリンクです!」
「なんで飲む人間に創意工夫を施そうとすんだよ! ドリンクの方にもっと創意工夫を与えろ!」
「逆転の発想ですよ。ささ、誠道さん。いいから早く風邪をひいてください!」
「嫌に決まってるだろうが」
「どうしてですか? 最近筋トレをバカみたいにしているんですから、はやくバカみたいに風邪をひいてくださいよ」
「筋トレしてるから風邪もひけるっていう考えが理解できないわ」
「ああ、そういえばバカは風邪をひかないって言葉がありましたね」
「俺をバカ扱いしたなこの野郎!」
「そんなことどうでもいいので、はやく氷水に入ってください!」
氷水が入ったたらいの中に俺を強引に押し込もうとするミライ。
が、俺は必死にそれを拒む。
「抵抗しないでください! 早朝、疲れ気味で寝不足、氷水、風邪をひくための三種の神器が揃っているんです! いまが絶好のチャンスなんですよ!」
「いますぐ天照大神に謝れ!」
そんな三種の神器の使い方、赦されるわけねぇだろ。
「むむむ、まだ抵抗しますか。こうなったら、かくなる上は鞭で縛って強引に」
「いいかげんにしろ! 俺はまた寝るからな!」
はぁ……。
自称優秀なメイドに任せた俺がバカだったよ。
早朝――というか太陽もまだ出ていない時間に、俺はミライにたたき起こされた。
「……んんん、なんだよこんな時間に。早すぎだろ」
「いいから起きてください。伝説のスポーツドリンクを作る準備が整ったので、すぐに飲ませてあげたいと思いまして」
興奮した様子のミライに急かされる。
すぐに飲ませたいってことは、徹夜で作っていたのか?
深夜テンションだから、そんなにも興奮しているのか?
「でもなぁ、にしたってまだ朝にもなってないだろ」
「いいから早く起きてください。さぁ、早く! どうせ作っている最中に眠気は冷めますから」
「……わかったよ」
深夜テンションのミライの強引さに負け、俺はしぶしぶベッドから出る。
昨日は俺も夜遅くまでトレーニングしていたから眠いしだるいんだけどなぁ。
「ちなみに、スポーツドリンクの名前は『激しい運動で弱っている誠道さんのを元気にするドリンク』です」
「ただの下ネタじゃねぇか! なんで『の』を入れちゃったんだよ!
「じゃあ、『激しい運動で弱っている誠道さんのをたちあがらせるドリンク』で!」
「だから下ネタ! なんで『の』を入れるの?」
「さっきから下ネタ下ネタうるさいですよ。いったいどこが下ネタなんですか? 詳しく説明してください」
「絶対わかってるよなぁ! 俺に恥かかせようとしてるだけだよなぁ!」
「そんなことありません。ですが、引きこもりが妄想力豊かなことを忘れていました。だって引きこもっていたら、自家発電くらいしか娯楽はないですもんね。そりゃあそういう下系の妄想力は高まりますよね」
「だから絶対からかってるよなぁ!」
「普通の言葉を下ネタと受け取ってしまう、誠道さんの心が下ネタなのではないですか?」
「もう意味わかんなくなってきてるぞ」
ああ、この不毛で無遠慮なやり取りのせいで? おかげで? 完全に目が覚めたよ。
ミライと一緒に階段を下りて、リビングに向かう。
でも、異世界にきてスポーツドリンクが飲めるなんて思いもしなかったから、本当に感動だ。
「さぁ、これがさいっこうにおいしい伝説のスポーツドリンクを作るために必要なものです」
リビングの中央に置かれているものを自慢げに紹介するミライ。
「必要なもの……って、まだ作ってないのかよ」
だったらまだ寝られただろ。
せっかく頑張ったから、作る過程も見せたいって気持ちはわかるけどさぁ。
ミライが伝説のスポーツドリンクを作るために要したものは、大きめのたらいに、なにやら怪しげな白い粉、そして氷と水。
その他、なにかわからないけれど白っぽいものがいっぱいあった。
「こんなに必要なのか」
「はい。必要です」
即座にうなずくミライ。
「じゃあ、さらに準備がありますので、誠道さんは座ってお待ちください」
俺は、ミライに促されるままソファに座る。
眠気がぶり返してきたため、すぐにうとうとしてしまった。
「さぁ、ようやく準備できました」
うとうと、うとうと。
「誠道さん。こちらへ」
うとうと、うとうと。
「そのまま、そのままですよ。服は脱がなくてもいいので、この氷水でいっぱいのたらいの中に入ってください」
「……ああ、わかっ――――たっていうところだったわ!」
間一髪のところで俺は正気に戻ることができた。
うとうとしていて危うく氷水の中に入っちゃうところだった。
「ちょっと誠道さん! 抵抗しないでください!」
「抵抗するわ! なんで朝から氷水で体を清めなきゃいけないんだよ!」
「むしろ体を清めない理由の方がないかと」
「俺は修行僧じゃねぇしサウナ後でもねぇぞ! 風邪ひくだろうが!」
「え? 私はむしろ誠道さんに風邪をひいてほしいと思っているのですが」
「はい爆弾発言飛び出したぁ。俺を支援する立場にあるまじき発言飛び出したぁ」
ミライに期待した俺がバカだったよ。
というか、早朝に起こされた段階でこのクソ展開が起こる可能性に気づくべきだった。
「なにを言っているんですか。私は熱を出してほしいんですよ。熱が出ているときのスポーツドリンクのおいしさは異常じゃないですか! あれこそまさに伝説のスポーツドリンクです!」
「なんで飲む人間に創意工夫を施そうとすんだよ! ドリンクの方にもっと創意工夫を与えろ!」
「逆転の発想ですよ。ささ、誠道さん。いいから早く風邪をひいてください!」
「嫌に決まってるだろうが」
「どうしてですか? 最近筋トレをバカみたいにしているんですから、はやくバカみたいに風邪をひいてくださいよ」
「筋トレしてるから風邪もひけるっていう考えが理解できないわ」
「ああ、そういえばバカは風邪をひかないって言葉がありましたね」
「俺をバカ扱いしたなこの野郎!」
「そんなことどうでもいいので、はやく氷水に入ってください!」
氷水が入ったたらいの中に俺を強引に押し込もうとするミライ。
が、俺は必死にそれを拒む。
「抵抗しないでください! 早朝、疲れ気味で寝不足、氷水、風邪をひくための三種の神器が揃っているんです! いまが絶好のチャンスなんですよ!」
「いますぐ天照大神に謝れ!」
そんな三種の神器の使い方、赦されるわけねぇだろ。
「むむむ、まだ抵抗しますか。こうなったら、かくなる上は鞭で縛って強引に」
「いいかげんにしろ! 俺はまた寝るからな!」
はぁ……。
自称優秀なメイドに任せた俺がバカだったよ。
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