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俺と彼女の、せいしをかけた戦い
せいしをかけた戦い⑤
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食事を終えた俺は、ソファの上でうつぶせに寝転んでいた。
「ま、マッサージしてあげますね」
と吉良坂さんから言われ、半ば強引に連れてこられたのだ。
「ん? なにこのいい香り」
「ああ、これはアロマです。イランイランっていう香りです。リラックスできて淫靡な気分になれる香りです」
うん。聞かなかったことにするよ。イランイランだから淫乱淫乱ってか。ツッコみがだいぶ雑になてきたな。
「それじゃあ……してあげますね。身体の力を抜いて、私に身を委ねてください」
マッサージを、ってちゃんと言おうなと思いながら、息を吐き出しつつ身体の力を抜いていく。俺の横で床の上に膝立ち状態の吉良坂さんは、まず俺の首に両手を乗せてゆっくりと圧をかけてきた。強すぎず、弱すぎず、ちょうどいいくらいの圧力だ。
「どうですか? 痛くないですか?」
「ああ。最高に気持ちいい」
「よかった。じゃあ、もっと気持ちよくさせてあげますね」
それから吉良坂さんは、カメがお散歩する速度で首から背中、お尻の上まで手を動かしていく。
彼女のマッサージは本当に気持ちよかった。
指の使い方が最高すぎる!
イランイランの香りも本当に心地よく……ああやべぇ。スッポンのせいで身体が火照り始めて変な気分に。
「それじゃあ次は、足をマッサージしていきますね」
吉良坂さんの手が足の裏に伸びる。足ツボマッサージは激痛が走ると聞いたことがあって少し怖かったが、吉良坂さんのマッサージは痛気持ちいいという最高の気分にさせてくれた。
一生懸命になっているのか、吉良坂さんの息遣いが「はぁ、はぁ」と荒くなっていく。やがてその手が、ふくらはぎ、太もも、太ももの付け根までやってきた。
「ち、ちょっと、そ、それ以上は」
「え、触れば気持ちいいはずなのに……いくじなし。じゃあ今度は仰向けになってください」
「はい……」
言われるがまま仰向けに体勢を変える。
吉良坂さんの頬は紅潮していた。
目は心なしかとろんとしている気がする。
「腕のマッサージをしていきますね」
「ああ……って」
心臓の鼓動が一気に早くなった。腕のマッサージをすると言ったはずなのに、なぜか吉良坂さんが俺の腰に跨って座ったからだ。
「どうして、跨る?」
「この方が、身体が安定してマッサージしやすいんです。腕を貸してください」
口にたまった唾を飲み込んでから、吉良坂さんへ向けて腕を伸ばす。おかしいだろこの状況! と頭で思っているはずなのに腰が吉良坂さんの重みを受け入れている。
「じゃあ……いきますね。気持ちよくしますね」
吉良坂さんが俺の手のひらを親指で優しく揉んでくれる。彼女の身体が上下して、俺の腰にほどよい刺激が伝わる。「はぁ、んっ」と彼女の息遣いがどんどん荒くなっていくんだけど、まあ、おかしくはないか。
「どう、ですか? 気持ちいですか?」
「ああ。すごく、気持ちがいい」
なんだか本当に変な気分になってきた。すべてがどうでもよくなってくるような、脳がトロトロに溶けていくような、現実と夢と快楽が混じり合っていくような。
「あの、宮田下くん」
「なんだ?」
「宮田下くんばかり気持ちよくなるのは、ずるいと思うのです」
「勝手にマッサージを始めたのはそっちだろ?」
「ですが、今日は、私の方が、宮田下君の言うこと、なんでも聞いてあげますよ?」
「どういうことだ?」
「私も、気持ちよくなってみたいってことです。宮田下くんと一緒に」
ああ、もうやめろ。
止まらなくなってしまうだろ。
なれもしないのに、なれるわけがないのに、一人の男になろうとしてしまうだろ。
理性のタガが壊れてしまいそうなんだよ。
「草飼も、今日はもうここには来ません。朝まで、二人きりで、秘密の時間です」
だからやめろって。
俺はそういう人間じゃないのに、吉良坂さんとなら男になれるかもしれないって、その身体を、声を、反応を堪能したいと、そう思ってしまうんだ。
「宮田下くんは、その……」
吉良坂さんがむギュッと俺の腕をおおきな胸の間に押しつける。
「こういうえっちな女の子は、やっぱり嫌いですか?」
「なわけないだろ!」
俺は感情のままに吉良坂さんを押し倒していた。
とろんとふやけた目をした吉良坂さんを、ソファの上で組み敷くような形になる。
「やりたいに決まってる。俺だって、男なんだ」
ああ、これは吉良坂さんが誘惑してくるからなんだ。もし、もしも希望があるのなら、神様どうかお願いします。
俺を男にしてください。
「じゃあ、心置きなくしてください。好きに触ってほしいです。私も、気持ちよくなりたいです」
「もう止められないぞ。本当にするからな」
「えへへ、これで私が、宮田下くんを男にしたってことですよね?」
嬉しそうにはにかむ吉良坂さん。
「本当に好きに、して、いいですよ。この瞬間を、ずっと待ってました」
満足げに目を閉じる吉良坂さん。
受け入れたんだよな?
俺とすることを、なにもかもを吉良坂帆乃は受け入れたんだよな?
「脱がすぞ?」
「私の身体で、満足してくれますか?」
「さあな。どうだか」
「じゃあいろいろとご奉仕して頑張りますね」
ああ、もう限界だ。
「ま、マッサージしてあげますね」
と吉良坂さんから言われ、半ば強引に連れてこられたのだ。
「ん? なにこのいい香り」
「ああ、これはアロマです。イランイランっていう香りです。リラックスできて淫靡な気分になれる香りです」
うん。聞かなかったことにするよ。イランイランだから淫乱淫乱ってか。ツッコみがだいぶ雑になてきたな。
「それじゃあ……してあげますね。身体の力を抜いて、私に身を委ねてください」
マッサージを、ってちゃんと言おうなと思いながら、息を吐き出しつつ身体の力を抜いていく。俺の横で床の上に膝立ち状態の吉良坂さんは、まず俺の首に両手を乗せてゆっくりと圧をかけてきた。強すぎず、弱すぎず、ちょうどいいくらいの圧力だ。
「どうですか? 痛くないですか?」
「ああ。最高に気持ちいい」
「よかった。じゃあ、もっと気持ちよくさせてあげますね」
それから吉良坂さんは、カメがお散歩する速度で首から背中、お尻の上まで手を動かしていく。
彼女のマッサージは本当に気持ちよかった。
指の使い方が最高すぎる!
イランイランの香りも本当に心地よく……ああやべぇ。スッポンのせいで身体が火照り始めて変な気分に。
「それじゃあ次は、足をマッサージしていきますね」
吉良坂さんの手が足の裏に伸びる。足ツボマッサージは激痛が走ると聞いたことがあって少し怖かったが、吉良坂さんのマッサージは痛気持ちいいという最高の気分にさせてくれた。
一生懸命になっているのか、吉良坂さんの息遣いが「はぁ、はぁ」と荒くなっていく。やがてその手が、ふくらはぎ、太もも、太ももの付け根までやってきた。
「ち、ちょっと、そ、それ以上は」
「え、触れば気持ちいいはずなのに……いくじなし。じゃあ今度は仰向けになってください」
「はい……」
言われるがまま仰向けに体勢を変える。
吉良坂さんの頬は紅潮していた。
目は心なしかとろんとしている気がする。
「腕のマッサージをしていきますね」
「ああ……って」
心臓の鼓動が一気に早くなった。腕のマッサージをすると言ったはずなのに、なぜか吉良坂さんが俺の腰に跨って座ったからだ。
「どうして、跨る?」
「この方が、身体が安定してマッサージしやすいんです。腕を貸してください」
口にたまった唾を飲み込んでから、吉良坂さんへ向けて腕を伸ばす。おかしいだろこの状況! と頭で思っているはずなのに腰が吉良坂さんの重みを受け入れている。
「じゃあ……いきますね。気持ちよくしますね」
吉良坂さんが俺の手のひらを親指で優しく揉んでくれる。彼女の身体が上下して、俺の腰にほどよい刺激が伝わる。「はぁ、んっ」と彼女の息遣いがどんどん荒くなっていくんだけど、まあ、おかしくはないか。
「どう、ですか? 気持ちいですか?」
「ああ。すごく、気持ちがいい」
なんだか本当に変な気分になってきた。すべてがどうでもよくなってくるような、脳がトロトロに溶けていくような、現実と夢と快楽が混じり合っていくような。
「あの、宮田下くん」
「なんだ?」
「宮田下くんばかり気持ちよくなるのは、ずるいと思うのです」
「勝手にマッサージを始めたのはそっちだろ?」
「ですが、今日は、私の方が、宮田下君の言うこと、なんでも聞いてあげますよ?」
「どういうことだ?」
「私も、気持ちよくなってみたいってことです。宮田下くんと一緒に」
ああ、もうやめろ。
止まらなくなってしまうだろ。
なれもしないのに、なれるわけがないのに、一人の男になろうとしてしまうだろ。
理性のタガが壊れてしまいそうなんだよ。
「草飼も、今日はもうここには来ません。朝まで、二人きりで、秘密の時間です」
だからやめろって。
俺はそういう人間じゃないのに、吉良坂さんとなら男になれるかもしれないって、その身体を、声を、反応を堪能したいと、そう思ってしまうんだ。
「宮田下くんは、その……」
吉良坂さんがむギュッと俺の腕をおおきな胸の間に押しつける。
「こういうえっちな女の子は、やっぱり嫌いですか?」
「なわけないだろ!」
俺は感情のままに吉良坂さんを押し倒していた。
とろんとふやけた目をした吉良坂さんを、ソファの上で組み敷くような形になる。
「やりたいに決まってる。俺だって、男なんだ」
ああ、これは吉良坂さんが誘惑してくるからなんだ。もし、もしも希望があるのなら、神様どうかお願いします。
俺を男にしてください。
「じゃあ、心置きなくしてください。好きに触ってほしいです。私も、気持ちよくなりたいです」
「もう止められないぞ。本当にするからな」
「えへへ、これで私が、宮田下くんを男にしたってことですよね?」
嬉しそうにはにかむ吉良坂さん。
「本当に好きに、して、いいですよ。この瞬間を、ずっと待ってました」
満足げに目を閉じる吉良坂さん。
受け入れたんだよな?
俺とすることを、なにもかもを吉良坂帆乃は受け入れたんだよな?
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