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初恋編

終章 蜜に濡れた夜(後)*R18

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 絶頂の余韻に、リゼルの秘所は、未だひくひくと小刻みに痙攣していた。

「わ、わたし…」

 青く光る目を優しくすがめて、愛おしそうにリゼルの頬にちゅとキスをする。

「愛しいリゼ、上手にけたね…。リゼルの達く声にそそられたよ」
「でも、今度は口で可愛がってあげる」

  また腿を掴まれ、閉じた足を有無を言わさず開かせられる。
  カイルの顔が蜜を湛えた花びらに近づき、濡れた舌を秘裂にぬちゅりと差し入込められただけで、頭が真っ白になるほどの快感が突き抜けた。

「いやぁ、…あん…あっーーー」

 つい先ほど果てたばかりだというのに、淫らにもまた高ぶる快感に身体にうまく力が入らない。
 敏感な部分がひくひくと震えるばかりで、なすすべもなくカイルの熱い舌の動きに翻弄される。

「ーー甘い」

 ちゅるりと溢れた蜜を啜り上げる水音がしたかと思うと、差し込んだ舌をぬちゅぬちゅと艶めかしく掻き回され、指とは違う生温かで柔らかな感覚に陶酔する。
 
 すべての感覚が花芯にあつまり、こんなにも自分の全身を支配している。
 自分の太ももの間で、何度も美味しそうに舐め上げては、時折、私の反応を確かめるように見上げて、ふふっとほほ笑んでいる・・・。

 まるで焦らされているようで、それがもどかしくて思わず先をせかせるように腰を動かしてしまう。私が息も絶え絶えになっているのを見て、カイルはまた妖しく目を光らせて、獲物を捕らえた豹のように舌を長く突き出して、ぬるりと舌を差し入れられると、たまらずに快感によがる声が漏れた。

「リゼルも、これが好きなのだろう?」

 舌が秘裂の中をなぞるように行き交うたび、ぴくぴくと腰が跳ね、堪らず何度も身をくねらせる。
 襞の中の敏感な芽を探り当てられると、舌先で弄ぶように舐め転がされ、今まで感じたこともない身悶えするような快楽が次から次へと押し寄せてきた。

 私は、こんなに淫らな身体をしていたの…?
 息をするのも絶え絶えになるほどのカイルの執拗な愛撫に自分がどんどん狂わされていくのを感じた。

「どんなにリゼルの蕾を味わいたかったことか…君には分からないだろう…」
「や…だ、だめ。おかしくなちゃう……」
「まだ…、足りない。もっと味わい尽くさないと」

 カイルの吐く熱い吐息が敏感な花芯を掠めただけで、尖った花芽が、何かを欲しがるようにひくひくと蠢く。

「んぁ・・・・あぁっ、あん・・・・」
「もっと、おかしくなって。淫れて。狂おしいほどに」

 舌先が花芽の包皮をめくり、ひときわ赤く色ずいた敏感な突起を容赦無くざらついた舌でこね回した。

「やう、やぅ…、あっんっ、
  ……だめ、だめ、んっ……あぁっーーー!」

 体が仰け反り、目の前が弾けて鋭い痺れが突き抜けると、悲鳴のような嬌声があがった。
 その途端、全身がくたりと弛緩して、唯一、痙攣する秘所だけがひくひくと蠢いている。
 
 カイルは顔を上げて蜜に濡れた唇を手の甲で拭うと、目を細めて二度目の絶頂に達したしどけない姿のリゼルを見た。するとふと顔を曇らせる。

「まさか…あいつには、ここを味わわせていないだろう?ルーファスには」

 弛緩したリゼルの太腿を、いとも簡単に押し上げて罰を与えるかのように、さらに容赦無く、割れ目にそって花芽まで何度も舐め上げる。

 リゼルが限界を超えてもなお、カイルは欲望に突き動かされるように、ぬちゃぬちゃと舌先を彷徨わせた。小さな粒がびりびりと痺れ、狂おしいほどの疼きが湧き上がる。

「やっ…だれも…。カイルさま以外、だれも……」
「ここは私だけの蕾だ。この甘い蜜を味わえるのは、私だけだ。よいな……」

 こぽりと蜜を溢れさせる入り口に、長い舌を差し入れ、蜜洞の中を舌先で擦り始めた。

「きついな…」

 一度舌を抜くと、カイルは眉根を寄せた。
 舌でさえリゼルの襞がぎゅっとしめつけて、奥に侵入するのを阻もうとする。

 一度は、あんなに私に馴染ませたというのに、まるで一度も男の竿を受け入れたことのない処女おとめのように、きつい…。

 先ほどから自分の男芯が痛いほど張り詰めて、人の心臓でも貫けるのではないかというほど、ぴんと硬くそそり勃ち昂ぶっている。

 リゼルの中に早くこの肉竿を埋めたくて、すでに先走りが溢れて亀頭をぬらぬらと濡らしている。
 だが、絶頂を与えて柔らかくなったとはいえ、このきつさではまだ挿れらない…

 今宵はリゼルに痛みを感じさせたくない。
 一つになるときは、互いに甘く、狂おしく快楽にのまれながら愛し合いたい。

 カイルは自分の指先を舐めると、蜜洞にゆっくりと差し入れた。

「うんぅ…」

 リゼルの体がピクリと震えると、溢れた蜜が熱を帯びてカイルの指に纏わりつく。 
 ゆっくりと蜜口を広げるように抜き差しすると、蜜洞が指を食むようにひくひくと蠢いた。
 
「…っつ。リゼ、体の力を抜いて…まるで、指を喰わえこまれているようだ」

「やっ…、だって、こわい。力を抜くと、なんだかすごく熱くなって蕩けてしまいそうなの…」

「蕩けるリゼルが見たい。私の舌で、指で、とろとろに蕩けた君の中に沈み込みたい…」

 カイルの欲望に萌える青い瞳に見つめられ、くちゅくちゅと激しい水音を立てられながら、蜜洞を描きまぜられると、下肢の感覚がなくなり本当に蕩けてしまったかのような錯覚にとらわれる。

「あっ、あふっ…んぁ……」

 リゼルは、喘ぎ声をあげる自分の口の端から淫らな液がつぅっと零れ落ちるのを感じた。
 その液をカイルが掬い上げるようにペロリと舐めとる。

「お願い…、も…わたし、だめ……んっ…」

「リゼ、私も、もう持ちそうにない。挿れるよ…」

 指を引き抜いて、切羽詰まったようにカイルがリゼルに覆いかぶさると、熱く汗ばんだ褐色の肌が自分の乳房を押しつぶす感覚にまた、ぞくりと身悶えする。

 汗でしめったダークブロンドの髪の毛がはらりと落ちて、苦しげに耳元で息を吐いた。

「リゼ、ずっとこうしたかった。やっと一つになれる…」

 リゼルの足を掲げあげ、猛り狂った肉棒の切っ先を蜜口にあてがうと、泡立つ蜜をくちゅくちゅとかき混ぜて、隘路を押し開くように腰をゆっくりと進める。

「はぅっん……ぁ、ぁ…」
「くっ、リゼ、楽にして…」

 亀頭が中に沈むと蜜壺からくぷりと音が漏れ、カイルの熱い塊がゆっくりとリゼルの中を満たしていった。

 最奥まで肉棒を埋めると、リゼルの襞に包み込まれカイルの身体に快感が突き抜けた。

「はっ…、くそっ…」

 挿れただけで爆ぜそうになるのを思わず悪態をついて、射精感をやり過ごす。
 自分に組み敷かれ、涙に潤んだ目で見上げるリゼルの唇を舐めとり、舌を差し入れて口の中を味わいながら、腰を引いて己の楔をギリギリまで引き抜く。

「んあっ、んっ……」

 満たしていたものが急に引き抜かれた感覚に、リゼルは喪失感を覚えたかのような悩ましい声をあげた。

「まだだよ。リゼ。君の中はとろとろで、どうにかなりそうだ…」

 リゼルのほっそりした腰を両手で押さえつけ、自分の肉茎を根元までずぶりと差し入れ、また引き抜く。蜜に濡れた肉茎を突き入れる度、ぐぷぐぷと淫らな音を立てた。
 隘路の中ではカイルの反り返った亀頭のくびれが、抽迭を繰りかえすたび、リゼルの敏感な肉襞を擦りあげた。

「んっ…はぁっ…あふっ…あぅ……」

 ぐぷりと淫らな音を立てて自分の中に肉棒を埋め込まれ、押し込まれるような感覚に、リゼルの身体がこらえきれないほど戦慄き、焼け付くような快感が押し寄せる。

 快感を感じたリゼルの中の襞が己の肉棒に絡みつき、きつく締め付てくる。
 カイルは苦悶の表情を浮かべながら汗を滴らせた。

「くそっ…堪らない……」

 カイルは腰をだんだんと激しく揮いながら、さらに律動を早める。

 互いに紡ぐ言葉などは何もない。

 ただ、腰を打ち付ける度、響く水音。
 肉竿がリゼルの最奥を突く度にあがる甘い啼き声。
 二人の絡まる息遣い、溢れかえる情事の匂い。

 お互いの繋がった体だけで、狂おしいほどの愛を確かめ合う。

「あん…あぅ……はげしぃ…カイルさまっ……」

「…リゼルの中が絡みついて、もう、果てそうだ」
「リゼ、一緒にいくよ…」

 カイルが激しく腰を揮うと、リゼルに絶頂の波が押し寄せ蜜洞がびくびくと痙攣し、肉襞がきゅうっとカイルの竿を締め付けた。

「はっ…リゼ、出すよ。君の中に……」

 カイルが一層強くリゼルの中に自身を突き入れると、雄竿がひときわ大きく脈打ち、熱い精が一気に迸り白濁を流し込んだ。

「あ、っぁあ……!」

 同時にリゼルから甘い嬌声が上がる。
 自分の中で熱いものがじゅっと放たれる感覚に、リゼルの意識は弾け飛んだ。

「く、まだっ……」

 カイルは、一つに繋がった部分をさらに揺すりたてるように押し付けると、未だびゅくびゅくと弾ける飛沫がリゼルの中に流れ込む。

 最後の一滴まで揮り絞るかのように腰を揮い、果てた。

 前にリゼルを抱いてから禁欲を貫いてきたカイルは、極限まで高まった欲望が弾け、それは今までになく長い射精だった。
 しばらくの間、リゼルの肩口に頭を埋めて、荒い息を整えていたが、リゼルの中にはカイルの男芯がいまもって硬さを失わずにいるままだった。
 カイルは少し罰が悪そうにリゼルにほほ笑んだ。

「もっと、リゼルが欲しい」

 まだ欲望の冷めやらぬ目で、愛の余韻でしどけなく横たわるリゼルを愛おしそうに見つめる。
 涙に濡れた頬を撫でると、そっと目尻に浮かぶ雫に口づけをした。

「リゼル…、愛してる」

「カイルさま、愛しています。もう、私を離さないで…」

「君への想いは変わらない。忘れないで。君の愛以外になにも望むものはない。たとえこの世界が終わりを告げても、リゼル。僕の愛は永遠に君のものだ」

 君をこの腕に囚えて、もう二度と離すことはない。
 私の漆黒の姫。

 ひとつに繋がったまま、カイルはリゼルの指に自分の指を絡めて寝台に縫いとめる。
 リゼルの柔らかな唇に、愛する想いをのせて唇を重ね合わせた。
 そして、カイルの腰が、今度はゆっくりと波打ち始める。
 
 二人は今、一つに溶けあい永遠の愛を確かめ合った。





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お読みいただきありがとうございます。
やっと結ばれたリゼルとカイル。
次話のエピローグでいよいよエンディングです。
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