殺し屋に拾われました。

さゆまー

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第17話~解体屋の息子

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「レベッカ達大丈夫かな……」
カルラがソファに寝そべってダラダラしていると、一本の電話が鳴った。
「………レベッカは出るなって言ってたしな」
カルラは無視したが、電話は止まらない。
五分後。
やはり全く止まる気配がない。
「うるさいなぁ………早くレベッカ来てよぉ……」
耳をソファに埋め、レベッカの帰りを待った。
電話は止まらない。
「……………」
カルラはこういう時我慢強い。
昔からこれより酷い仕打ちは受けてきた。
なんだか眠くなってきて、目を瞑った。





電話が止まった。



カルラは驚いて目を開けると、目の前に見覚えのある女性の顔があった。
「………!」
目と口を塞がれ、カルラは焦った。
(今の顔って………!)
カルラは逃げようと暴れてみたが、机にあったジュースをこぼしただけで、逃げることはできなかった。
だんだん眠気が強くなり、とうとう体が動かなくなった。









三分後。
ボスの部屋は何事もなかったかのように静かになっていた。
レベッカが到着した頃にはジュースは完全にカーペットに染み込んでいて、電話も鳴っていなかった。
もちろんカルラもいなかった。
「………カルラ?」
レベッカは本棚の裏や、影になっている部分もくまなく探した。
「カルラ!出て来て!私よ!レベッカよ!」
もちろん出てこない。
「……………嘘でしょ」
レベッカが頭を抱えていると、マクシル達が入ってきた。
「レベッカ~?窓割ったやつ連れてきたわよ~って………どうしたのよ!?顔色が悪いわよ!」
「……マクシル」
レベッカは二人と《窓割ったやつ》に気付くと、安堵の表情と焦りの表情を浮かべた。
「………まさか、彼女に何かあった?」
部屋の様子を見て、ニコラスは言った。
「……わからないわ。私がきたときにはもう居なくて」
「………そうか」
ニコラスはボスの部屋の窓を開け、息を吸い込んだ。
「……周りには何もいないみたいだけど」
ふと、抱えていた気絶している青年のほうを見た。
「さっき、携帯は取り上げたはずだけど、どこから持ってきたの?それ」
ニコラスがいつもより低い声をだした。
「……………」
「………ちょっとニコラス、彼なら私がたっっぷり絞ってあげたから、気絶してるわよ」
「……マクシルまたアレやったの?………彼、可哀想に………」
「ちょ、ちょっと!悪いのは彼なのよ!」
「そ、そうね!そうだったわ」
レベッカが自分の頬を軽く叩くと同時に、ニコラスが《窓割ったやつ》の服を引き剥がした。
引き剥がした服から、スマートフォンが落ちた。
「………!!」
「…やっぱりね」
するとニコラスはポケットからナイフを取りだし、《窓割ったやつ》の首に容赦なく突き刺した。
「こいつ、気絶したふりしてたのか」
「………相変わらずムゴイわね、さすが《解体屋の息子》だわ」
「レベッカ、黙れ」
ニコラスはナイフを拭きながらレベッカを睨みつけた。
「ご、ごめんなさい…」
「そんなことよりカルラだよ。彼女を探さなくちゃ」
「ニコラス、彼殺しちゃって良かったの?話を聞くために私が絞ったのに」
「携帯があるなら充分だ。指紋からこいつのアジトまで丸わかりだ」
「………彼とカルラがいなくなったのには関係があるのかしら」
レベッカはこぼれたジュースを眺めながらポツリと呟いた。
「調べようか」
ニコラスは携帯の電源を入れた。
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