はーとふるクインテット

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後日談 アレな大団円

ある老婆のおとぎ話の続き

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「ねえおばあちゃん、また何かお話聞きたいなー」
「ええ、いいわよ。…そうそう、あの蝶々の男の子のお話にね、続きができたの」
「へー、そうなんだ。それ、聞きたい!」

「ええ、もちろんいいわよ。…では、始めましょうか」


「…男の子と黒い男の子は、黒い男の子はどこか悲しそうですが長い時が流れても幸せに恋人として暮らしていました」

「しかし長い時が流れるにつれ、黒い男の子がお世話をする人たちに昔かけられた不思議な力が薄れ、男の子の本当の記憶が戻ってきてしまいました」

「そうして少しづつ昔された事を思い出して来た黒い男の子は、だんだんと男の子の事が嫌いになっていきました」
「うん、当然そうなるよね」

「ええ、そうね。…そうしてついに、黒い男の子は全てを思い出してしまいました」

「…本当に、その子可哀想だね」

「…そうね。そして黒い男の子は自分に酷い事をし、それを黙っていた男の子が大嫌いになり、その男の子の元を離れかつての仲間だった蝶々の男の子達の元へと行ってしまいました」

「…かつての仲間達は黒い男の子を温かく受け入れ、その時周囲に居た人達も彼の昔の事を知っていたので、みんな黒い男の子に優しくしてくれ、黒い男の子は前よりも幸せになれました」

「ですが、それでも黒い男の子はどこか悲しそうでした」

「…うん、そうかもね」

「それと反対に男の子はほとんどの人から嫌われ、黒い男の子にも絶縁を告げられ、一人ぼっちになってしまいました」
「うん、ジゴウジトクってやつだよね」

「そうして男の子は色々悩みましたが、黒い男の子に謝る事にしました」

「…しかしそれは反省したふりだけで、男の子は仲直りの握手をしようとした時に、隙をついて黒い男の子を再び芋虫にしてしまおうとしたのです」

「…本当、その子最低だね。どうしてそんなに酷い事が出来るんだろう」

「…本当に、その通りね。…ですが黒い男の子の仲間が助けに入ったおかげで、彼は幸いケガをせずに済みました」

「男の子はすぐにとても叱られ部屋に戻され、もっと偉い神様もとてもお怒りになったのか、男の子は重い病気にかかってしまいました」
「うん、天罰だよね。当然だよ」

「男の子は慌てふためき死にたくない、誰か助けてと叫びましたが、彼は世界中から嫌われていたので誰も助けてはくれませんでした。…たった一人を除いて」
「…え」

「死にかけて助けを求める男の子の元に黒い男の子がまたやってきて、体の一部を捧げて彼の病気を治してくれました」

「…その子、どうしてそんなに自分に酷い事した相手に優しくできるんだろう」

「…そうね。そしてとても良いお医者さんにかかれたので黒い男の子もすぐに元通りになり、男の子も元気になりました」

「しかしその少し後、男の子は黒い男の子にまた酷い事をしようとしたのを叱られ、誰も知らない山奥深くのお社に封印される事となりました」

「男の子は毎日外に出たがるもそれは叶わず、次第に黒い男の子に会いたいと毎日嘆き悲しむようになりました」

「…それからまたしばらく経った後、そのお社に黒い男の子がやってきました」

「男の子は驚きました。どうしてこんなに酷い事をした自分に会いに来たのかと」

「…黒い男の子は言いました。酷い事もされたけれど、自分を初めて愛してくれたのもまた男の子なのだと」

「…だから黒い男の子は、今までの事はすべて水に流して許すから、もう一度恋人としてやりなおそうと男の子に言いました」
「…その子、優しすぎるよ」

「…男の子はその時、生まれて初めて心の底から後悔し、黒い男の子に本心から謝りました」

「そうして二人は仲直りする事にし、仲直りの印に初めて二人でキスをしました」

「その時、不思議な事が起こりました。決して変わるはずの無い黒い男の子の髪と肌の色が、綺麗な水色と白い肌に変わったのです」

「…黒い男の子は、オオミズアオになりました」

「…そして男の子は制限はあるもののまた外に出る事を許され、二人はようやく本当に幸せになる事が出来ましたとさ」

「…めでたし、めでたし」

「うん、めでたしめでたしで終わって、本当に良かった!」
「ええ、私も本当にそれで良かったと思っているわ」


「ねえ、この前このお話元になった人達がいるって事だったけど、それなら本当の黒い男の子も今は幸せになれたの?」
「ええ。本当に可哀想だったけれど、最近ようやく本当に幸せそうにしていると聞いて私も嬉しかったわ」
「そっかー、本当に良かったね!うーん。めでたしめでたしで終わったし、このお話本当に本に出来ないのが勿体ないな~」

「ああ、最近偉い人達もこのお話を本にして広めるのは良いのではないかと言い出してね。近いうちに本にして売り出せるかもしれないわ」

「そっかー、それは良かった!このお話面白いし、もっとたくさんの人が知ればいいのにね!」
「ええ、私もそうなると嬉しいと思うわ」
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