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水の王女シレーヌのゆうつ
王女シレーヌは籠の鳥
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ここ惑星イスカは、地球とほぼ同じ大きさ、同じ重力をしている。そしてハフマンド王国のザンクトベルグ港は、南半球に位置する。海を臨むとそこは、コラグ海。その先にハウルカの故郷アストラル大陸がある。
海平線は、4キロ先を示していて、そこには、コラグ海の島々が点在している。その手前に美しい白亜の城をザンクトベルグ港から見ることが出来る。ここが、ハフマンド王国の王、ハインリッヒ・ハフマンドがいる居城だ。
実際は、この地上の城より海中の竜宮の方がはるかに大きい。なぜなら、巨大な海獣族も、城に入れるようにしているからだ。
ハフマンド王の一族は、海中を一番早く泳ぐことが出来る人魚族の頂点、人魚族から進化した両棲の人魚だ。彼らは、水魔法が使えるので、陸だけで一生を終えることも可能だ。息をするごとにミストを発生させ、それを吸って吐き出すことが出来る。これは、蒼流と言う海中の剣術から来ている呼吸法、霧心息吹き。ハフマンド王は、蒼流剣術の達人なのだ。その娘シレーヌは、剣術は好きでないと言いながら、子供のころに霧心息吹きを覚えてしまった天才肌。父親は娘を甘やかせて育てた。なぜなら、シレーヌは、水中でも水上でも歌を歌える歌姫で、それで十分ではないかと家臣ともども、ずっと満悦していたからだ。
だが、人との密会は許さん。ビヨンド王子が、シレーヌの才能に惚れるのは当たり前だ。しかし、のめり込んでいるのはシレーヌの方だ。箱入り娘が、初めて愛をささやかれて舞い上がった。それだけのことだ。ハフマンド王は、憮然とした顔で、城から、地平線の手前にあるザンクトベルグ港をにらんだ。
「シャークの奴、ビヨンド王子は、シレーヌと釣り合うとか抜かしよったくせに、未だになしのつぶて。わしは、シレーヌに友達が出来る事は歓迎だが、海の者に示しが必要だと言っただけではないか。ばかもんが。娘と喧嘩を続けるのは苦しいぞ」
王は、どうやら、シャーク船長を手ぐすね引いて待っているようだ。
ハフマンド王がいる王の間の後宮に、パール宮がある。ここに王妃ミレーネ・ハフマンドと王女シレーヌ・ハフマンドが暮らしている。一人娘のシレーヌは、現在、パール宮の貝の間から出させてもらえない。水の結界だけならすり抜けられるのに、風の結界の二重掛けをされていて、それを突破することが出来ない。その性で、いつもの給仕にエルフが付き添って食事を運んでいる。
もう、2カ月もこんな状態が続いている。軟禁が解けたら、ビヨンドに会いに行けるのに。それがばれているから、軟禁されているんだろうけど、これは譲らないわ。
軟禁されいると言っても、貝の間は、とても広い。不自由はないのだけれど、つまんない。
シレーヌは14歳。反抗期だし多感な年ごろ。父親が、お前は、姫なのだから自分から密会に行くのは自重してくれと言われても、はいそうですかと言えない。だって、ビヨンドは、ここに来れない。それに魚人達に、見つかったら殺される。父はムーマ大陸の五芒星の王と言われている。陸上では認められている存在だ。でも、海の七王の中では、最弱などと言われている。だから、魚人族で、言う事を聞かない種族がいるのだ。
ビヨンドは、私の歌がとっても好きだと言ってくれた。そりゃ、みんなもそうだけど、面と向かって言ってくれたのはビヨンドだけ。嬉しかったな。
パール宮、貝の間から見える外の風景は、コラグ海の島々。ザンクトベルグ港は、反対側なので見えない。貝の間は、パール宮最上階にあり、一軒家の様。周りはプレイルームで囲まれており、強力な結界が張られている。
「お父様のバカ」
シレーヌは、ポスンとベットにうつ伏して、父親に悪態をついた。
母のミレーネ王妃が、エルフのレイラを伴って貝の間に入って来た。レイラは、ザンクトベルグにある森のギルドの風の魔法使い。彼女のパーティーがいるから、風の結界で外に出られないのだが、レイラの竪琴は好きだ。今は機嫌が悪い振りをしているから、一緒に歌ったことはないが、レイラの竪琴を聞いていると気が休まる。
「シレーヌ、暇そうね」
「お母さまが、お父様に、ちゃんと言ってくれないからです」
「私は、あなたのお父様の味方よ。だってカッコいいから」
未だに熱々のバカップルなのが、お父様とお母さまだ。
「はいはい、たまには、その娘の言う事も聞いくださいね」
「聞いているわよ。でも、ビヨンド王子って、ここに来ないじゃない。使いの一人も送って来ないのよ。シレーヌのことを諦めたのじゃなくって。あなたも、もう、諦めたら」
「そんなことない。水と風の結界の二重掛けなんて、簡単に突破できないわ。お父様との約束は、三月。まだ一月(ひとつき)あるもん」
「あらあら、ちょっときつくなっているのね。レイラの竪琴を聞きますか」
「聞く」
「じゃあ、ベットに居ないでこちらにいらっしゃい。ぶどうジュースもあるわ」
シレーヌは、渋々、母親がいるソファに腰かけた。レイラは、吟遊詩人。竪琴には、語りが付く。ムーマ大陸の各国の話は面白い。
「今日は、ミュラン王国の姫の話が聞きたい」
ミュラン王国は、エルフのレイラの故郷。とっても詳しい話だ。
「わかりました。リリーナ様は、天真爛漫なお方です。大精霊でなかったら、国を継げるお方でした」
「お父上を殴ったことがあるのですよね。その辺りを聞かせて」
「これ、シレーヌ!」
シレーヌの竪琴は、ミュラン王国に春の風が吹いた暖かい曲で始まった。ミュラン王国の王、モス・アリラカーン・オルケストラは、荒れていた。まるで嵐の様。曲は穏やかな風から、急に荒々しく厳しい風に音色が変わる。ここも好きな所。前段の曲は、やっぱり外せない。
そこに、大妖精ウィンディ・メイプル・ポポックルがやってくる。彼女は、魔王モスを優しく包む。嵐は収まり、広大な森、みどりの風の曲となる。物語の始まりだ。
「いつか、この曲に詩を付けて歌いたいなー」
「緑の森の詩ですか。ありますよ。今度楽譜を持ってきますね」
「本当、嬉しい」
ミレーネ王妃は、シレーヌの機嫌が直ったわと優しい顔になった。
ここから、竪琴を鳴らしながらの語りになる。
リリーナさまは風の妖精。いつでもどこでも、そよいでいたい。特異な魔法は、成長魔法。みんな私を頼る。私に魔力がもっとあったらな。空を飛びながら、みんなの望みをかなえてあげられるのに。私だけじゃダメ。お母さまみたいにご主人様が居たらいいのに。そしたら、こんなところに居ないで世界を見れる。
だからと言ってリリーナ姫は、ご主人様と二人で、世界を冒険したい分けじゃない。世界を見たいだけ。森を育み花を育て、実りの果実で、みんなの顔を笑顔にしたい。
でも、お母様のご主人様は、っていうか、魔王は、ちょっと違うんだなー。世界中に行って冒険したい。それが、エルフの王なので、できないから、みんなに無茶を言う。
「お前は、あの国に行きなさい」「おまえは、あの種族と友達になりなさい」
リリーナ姫がマスターを得た時、魔王モスはリリーナに、無理難題を言いいました。
「お前たちは、恐竜と友達になりなさい」
「出来るか、ボケー」
リリーナの鉄拳が魔王モスに飛ぶ。でもリリーナのマスターは涼しい顔をして答えたのです。
「親方様のおっしゃる通りに致します。リリーナ、お父様を殴るものじゃありません」
リリーナは、ミル様と渋々ジェライド王国に行きました。女二人の珍道中の始まり始まり。
「こんな話よ。モス様って、無茶苦茶でしょう。リリーナさま、はもう一回モス様を殴っている?けど聞きますか」
「聞きたい。リリーナのご主人様って、女の人だったのね」
「ミル様は、モス様の一族の人です」
「だから、魔王モスのことを親方様っていうのね」
「お母さま、魔王は余分よ。お父様がそう言われたら怒るくせに」
「ごめんなさい。そうでしたね」
「レイラお願い」
ちなみに私は、お二人と友達になりなさいって言われたのよね。
「それじゃあ、最新話。まだ前奏はないの、ごめんなさい」
ミル様とリリーナ姫は、恐竜の7種族と友達になって帰郷しました。リリーナさまは、16歳。ミル様にしつけられて、それは可愛い大妖精になりました。妖精は嘘を吐くのが苦手です。だから、嘘をつかなくていい子に育ったのです。天真爛漫はそのままに、素直な子になりました。
せっかく帰郷したのに、また魔王モスが無理難題。今度は、アストラル大陸に行って、我がギルドを起こせと命令します。
「そんなことできるかボケー」
「おっと懐かしいな、今度は、殴られないぞ」
そこは、リリーナさまも成長していました。一回転して蹴り。思いっきり魔王モスに決まります。
ここで、ミレーネ王妃とシレーヌ王女が拍手喝采。
「うむ、成長したなリリー」
魔王モスは、痛くないふりをするので精いっぱい。でも、ミル様の答えは決まっています。
「親方様のおっしゃる通りに致します。リリーナ、お父様を蹴るものではありません」
ふたりは、ザンクトベルグから出航しました。話はここまで、新しい話が入るまで、お楽しみに。
「こんな話です」
「それは何時の事ですか」
「二か月前です。ハフマンド様には、ご迷惑をおかけしていないと思いますけど」
「夫は、コラグ海しか守っていません。外洋に出ると、そこは、あの東の海の王ザザーが統べる海になります。なぜ、わたくしたちに相談しなかったのです。心配だわ」
「お母さま・・」
「何かあるのですか」
「シャークの件と時期が重なるじゃありませんか。ここのところ海族の動きが活発です。シャークがワインを持ってこなくなったので、代わりの物を漁っています。我が国と友好の深いセイドン王国の航路には手を出しませんが、そこを外れたら無法地帯になるのです」
青ざめるレイラ。今にも、ここから飛びだして、ミル様とリリーナ姫の安否を確認したい。それをぐっとこらえて、竪琴を強く握っている。
「お母さま、レイラを助けてあげて」
「そうしましょう。わたくしも、それとなく夫に聞いてみます。レイラもギルドに戻りなさい」
「・・ありがとうございます」
人の心配をしているときは、自分のことを忘れるものだ。シレーヌもレイラについて行きたかったが、ちょっと無理。
ビヨンド、何をしているの?早く来て
と、ちょっと我慢できなくなっていた。
海平線は、4キロ先を示していて、そこには、コラグ海の島々が点在している。その手前に美しい白亜の城をザンクトベルグ港から見ることが出来る。ここが、ハフマンド王国の王、ハインリッヒ・ハフマンドがいる居城だ。
実際は、この地上の城より海中の竜宮の方がはるかに大きい。なぜなら、巨大な海獣族も、城に入れるようにしているからだ。
ハフマンド王の一族は、海中を一番早く泳ぐことが出来る人魚族の頂点、人魚族から進化した両棲の人魚だ。彼らは、水魔法が使えるので、陸だけで一生を終えることも可能だ。息をするごとにミストを発生させ、それを吸って吐き出すことが出来る。これは、蒼流と言う海中の剣術から来ている呼吸法、霧心息吹き。ハフマンド王は、蒼流剣術の達人なのだ。その娘シレーヌは、剣術は好きでないと言いながら、子供のころに霧心息吹きを覚えてしまった天才肌。父親は娘を甘やかせて育てた。なぜなら、シレーヌは、水中でも水上でも歌を歌える歌姫で、それで十分ではないかと家臣ともども、ずっと満悦していたからだ。
だが、人との密会は許さん。ビヨンド王子が、シレーヌの才能に惚れるのは当たり前だ。しかし、のめり込んでいるのはシレーヌの方だ。箱入り娘が、初めて愛をささやかれて舞い上がった。それだけのことだ。ハフマンド王は、憮然とした顔で、城から、地平線の手前にあるザンクトベルグ港をにらんだ。
「シャークの奴、ビヨンド王子は、シレーヌと釣り合うとか抜かしよったくせに、未だになしのつぶて。わしは、シレーヌに友達が出来る事は歓迎だが、海の者に示しが必要だと言っただけではないか。ばかもんが。娘と喧嘩を続けるのは苦しいぞ」
王は、どうやら、シャーク船長を手ぐすね引いて待っているようだ。
ハフマンド王がいる王の間の後宮に、パール宮がある。ここに王妃ミレーネ・ハフマンドと王女シレーヌ・ハフマンドが暮らしている。一人娘のシレーヌは、現在、パール宮の貝の間から出させてもらえない。水の結界だけならすり抜けられるのに、風の結界の二重掛けをされていて、それを突破することが出来ない。その性で、いつもの給仕にエルフが付き添って食事を運んでいる。
もう、2カ月もこんな状態が続いている。軟禁が解けたら、ビヨンドに会いに行けるのに。それがばれているから、軟禁されているんだろうけど、これは譲らないわ。
軟禁されいると言っても、貝の間は、とても広い。不自由はないのだけれど、つまんない。
シレーヌは14歳。反抗期だし多感な年ごろ。父親が、お前は、姫なのだから自分から密会に行くのは自重してくれと言われても、はいそうですかと言えない。だって、ビヨンドは、ここに来れない。それに魚人達に、見つかったら殺される。父はムーマ大陸の五芒星の王と言われている。陸上では認められている存在だ。でも、海の七王の中では、最弱などと言われている。だから、魚人族で、言う事を聞かない種族がいるのだ。
ビヨンドは、私の歌がとっても好きだと言ってくれた。そりゃ、みんなもそうだけど、面と向かって言ってくれたのはビヨンドだけ。嬉しかったな。
パール宮、貝の間から見える外の風景は、コラグ海の島々。ザンクトベルグ港は、反対側なので見えない。貝の間は、パール宮最上階にあり、一軒家の様。周りはプレイルームで囲まれており、強力な結界が張られている。
「お父様のバカ」
シレーヌは、ポスンとベットにうつ伏して、父親に悪態をついた。
母のミレーネ王妃が、エルフのレイラを伴って貝の間に入って来た。レイラは、ザンクトベルグにある森のギルドの風の魔法使い。彼女のパーティーがいるから、風の結界で外に出られないのだが、レイラの竪琴は好きだ。今は機嫌が悪い振りをしているから、一緒に歌ったことはないが、レイラの竪琴を聞いていると気が休まる。
「シレーヌ、暇そうね」
「お母さまが、お父様に、ちゃんと言ってくれないからです」
「私は、あなたのお父様の味方よ。だってカッコいいから」
未だに熱々のバカップルなのが、お父様とお母さまだ。
「はいはい、たまには、その娘の言う事も聞いくださいね」
「聞いているわよ。でも、ビヨンド王子って、ここに来ないじゃない。使いの一人も送って来ないのよ。シレーヌのことを諦めたのじゃなくって。あなたも、もう、諦めたら」
「そんなことない。水と風の結界の二重掛けなんて、簡単に突破できないわ。お父様との約束は、三月。まだ一月(ひとつき)あるもん」
「あらあら、ちょっときつくなっているのね。レイラの竪琴を聞きますか」
「聞く」
「じゃあ、ベットに居ないでこちらにいらっしゃい。ぶどうジュースもあるわ」
シレーヌは、渋々、母親がいるソファに腰かけた。レイラは、吟遊詩人。竪琴には、語りが付く。ムーマ大陸の各国の話は面白い。
「今日は、ミュラン王国の姫の話が聞きたい」
ミュラン王国は、エルフのレイラの故郷。とっても詳しい話だ。
「わかりました。リリーナ様は、天真爛漫なお方です。大精霊でなかったら、国を継げるお方でした」
「お父上を殴ったことがあるのですよね。その辺りを聞かせて」
「これ、シレーヌ!」
シレーヌの竪琴は、ミュラン王国に春の風が吹いた暖かい曲で始まった。ミュラン王国の王、モス・アリラカーン・オルケストラは、荒れていた。まるで嵐の様。曲は穏やかな風から、急に荒々しく厳しい風に音色が変わる。ここも好きな所。前段の曲は、やっぱり外せない。
そこに、大妖精ウィンディ・メイプル・ポポックルがやってくる。彼女は、魔王モスを優しく包む。嵐は収まり、広大な森、みどりの風の曲となる。物語の始まりだ。
「いつか、この曲に詩を付けて歌いたいなー」
「緑の森の詩ですか。ありますよ。今度楽譜を持ってきますね」
「本当、嬉しい」
ミレーネ王妃は、シレーヌの機嫌が直ったわと優しい顔になった。
ここから、竪琴を鳴らしながらの語りになる。
リリーナさまは風の妖精。いつでもどこでも、そよいでいたい。特異な魔法は、成長魔法。みんな私を頼る。私に魔力がもっとあったらな。空を飛びながら、みんなの望みをかなえてあげられるのに。私だけじゃダメ。お母さまみたいにご主人様が居たらいいのに。そしたら、こんなところに居ないで世界を見れる。
だからと言ってリリーナ姫は、ご主人様と二人で、世界を冒険したい分けじゃない。世界を見たいだけ。森を育み花を育て、実りの果実で、みんなの顔を笑顔にしたい。
でも、お母様のご主人様は、っていうか、魔王は、ちょっと違うんだなー。世界中に行って冒険したい。それが、エルフの王なので、できないから、みんなに無茶を言う。
「お前は、あの国に行きなさい」「おまえは、あの種族と友達になりなさい」
リリーナ姫がマスターを得た時、魔王モスはリリーナに、無理難題を言いいました。
「お前たちは、恐竜と友達になりなさい」
「出来るか、ボケー」
リリーナの鉄拳が魔王モスに飛ぶ。でもリリーナのマスターは涼しい顔をして答えたのです。
「親方様のおっしゃる通りに致します。リリーナ、お父様を殴るものじゃありません」
リリーナは、ミル様と渋々ジェライド王国に行きました。女二人の珍道中の始まり始まり。
「こんな話よ。モス様って、無茶苦茶でしょう。リリーナさま、はもう一回モス様を殴っている?けど聞きますか」
「聞きたい。リリーナのご主人様って、女の人だったのね」
「ミル様は、モス様の一族の人です」
「だから、魔王モスのことを親方様っていうのね」
「お母さま、魔王は余分よ。お父様がそう言われたら怒るくせに」
「ごめんなさい。そうでしたね」
「レイラお願い」
ちなみに私は、お二人と友達になりなさいって言われたのよね。
「それじゃあ、最新話。まだ前奏はないの、ごめんなさい」
ミル様とリリーナ姫は、恐竜の7種族と友達になって帰郷しました。リリーナさまは、16歳。ミル様にしつけられて、それは可愛い大妖精になりました。妖精は嘘を吐くのが苦手です。だから、嘘をつかなくていい子に育ったのです。天真爛漫はそのままに、素直な子になりました。
せっかく帰郷したのに、また魔王モスが無理難題。今度は、アストラル大陸に行って、我がギルドを起こせと命令します。
「そんなことできるかボケー」
「おっと懐かしいな、今度は、殴られないぞ」
そこは、リリーナさまも成長していました。一回転して蹴り。思いっきり魔王モスに決まります。
ここで、ミレーネ王妃とシレーヌ王女が拍手喝采。
「うむ、成長したなリリー」
魔王モスは、痛くないふりをするので精いっぱい。でも、ミル様の答えは決まっています。
「親方様のおっしゃる通りに致します。リリーナ、お父様を蹴るものではありません」
ふたりは、ザンクトベルグから出航しました。話はここまで、新しい話が入るまで、お楽しみに。
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「それは何時の事ですか」
「二か月前です。ハフマンド様には、ご迷惑をおかけしていないと思いますけど」
「夫は、コラグ海しか守っていません。外洋に出ると、そこは、あの東の海の王ザザーが統べる海になります。なぜ、わたくしたちに相談しなかったのです。心配だわ」
「お母さま・・」
「何かあるのですか」
「シャークの件と時期が重なるじゃありませんか。ここのところ海族の動きが活発です。シャークがワインを持ってこなくなったので、代わりの物を漁っています。我が国と友好の深いセイドン王国の航路には手を出しませんが、そこを外れたら無法地帯になるのです」
青ざめるレイラ。今にも、ここから飛びだして、ミル様とリリーナ姫の安否を確認したい。それをぐっとこらえて、竪琴を強く握っている。
「お母さま、レイラを助けてあげて」
「そうしましょう。わたくしも、それとなく夫に聞いてみます。レイラもギルドに戻りなさい」
「・・ありがとうございます」
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