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水の王女シレーヌのゆうつ
ザザー王vsモーム
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両者の戦いは、魔法から始まった。
「『アイスピック』」
両者同時に、巨大な氷柱を出した。
「『沸っ爆』」
そして、その巨大な氷柱を相手に射出した。二人とも、それを受け止めた。ザザー王は、ひざと肘で挟み込むように。モームは、十字受けから氷柱を海上に逃がすように突き上げた。
― ご主人様ー、今のは何て技ですか
「水魔法に興味を持ったのか、リリー」
― ここに、MCのオタファさんがいるんです。ここに来た皆さんに解説したいそうなんですが、こんなすごい戦い初めてだから、技の名前が知りたいそうなんです
「今のは、ただの氷柱だよ。ツララ」
― もっと詳しくー
「それって、東の海の人たちも聞けるんだろうな」
― そうするそうです
「今決めたんだろ!いいけど」
「『流水昇』」
今度は、下から吹き上げるような水竜巻。これをザザー王は、逆回転の水竜巻でいなし、モームは、順回転の水竜巻で、また海上側に敵の技を打ち上げた。
― ご主人様、なんで、お二人とも同じ技を打ち合っているんですか?
「あのフグのアナウンスをおれにも聞かせろよ。変な風に伝わらないようにしたいからな」
― 了解です
「この私、フグ魚人のオタファが、散財覚悟で、エルフに追加注文したよ。東の海のみんなも聞いてるかい。こんな戦い視るの初めてだろ。我がザンクトベルグコロシアムの主(あるじ)モームの一番弟子が、解説してくれる。みんな聞けー」
「こいつリリーの友達だろ」
― さっき友達になりました。それで?
「二人とも、同じ大きさの水巨人になったものだから、相手の力の探り合いをしているんだよ。ギガント化は、水障壁。つまりシールドの応用なんだ。だからどっちが固いか、逆に柔軟性があるかを確かめてる。硬さでは、ザザー王。柔軟性だとモームが有利。すごい勝負だよ」
「だ、そうだー」
リリーの奴、おれの話そのまんま流したな
― えへへ、オタファさんに追加注文されたエルフって私です。金貨2枚ゲットです
「おまえ」
― 遥さまがやれっていうんです。東の海の人たちと仲よくなるチャンスだそうです
「はー、しかたない」
そうこうしているうちに、二人が時計回りに円を描くように移動しだした。最初は泳いでいたが、次第にスピードが上がり、最後は水障壁を蹴って移動しだした。
この回転移動だけで、巨大な流水が起こり、ギャラリーは、やむなく少し離れたところに移動することになった。よけい、戦いの解説に耳を傾けることになる。
「モーム!」
「ザザー!」
二人の距離は、どんどん縮まっていく。この流水の勢いを利用した両者が激突した。タックルした肩と肩がぶつかり、二人の間の水が海上に吹き上がり、二人は、仰向けに漂うように離れていく。
「何が起きたんだ、ぶつかっただけでこの衝撃波。みんな離れていて正解だったね。それで、これはどんな状態なのかな」
― えっと
「これは、スピードの試しと。ただのタックルだよ。スピードは互角。タックルの衝撃も互角だね。二人とも意識を飛ばしたけど・」
「おおっと、両者とも、もう起き上がった。じわじわ近づいている。どうやらインファイトをする気だ。ザザー王も、モームも魔法が得意なんじゃないのか」
「そうなんだけど、二人とも、まだ周りに気を使っているんだよ」
「あれで!」
「二人が本気で、水竜巻を打ったら、誰かが遠くに流されちゃうよ。だから、インファイト」
「皆さん聞きましたか。本気の水竜巻が来たら逃げてください」
二人がものすごい打ち合いを始めた。
オタファには、悪いけど、この場面は、見逃せない。すごい打ち合いだ。
― ですって
「仕方ない。じゃあ、こっちで何とか解説します。リリーさん、本当に近づいて大丈夫なんですよね」
― 私は、ご主人様の使い魔ですよ。ドンと任せてください
ドン
― ゴホッゴホッ
「ここは、危険を侵します」
― オタファさーん
あの衝撃波、中の本人たちに、強烈に響いていることだろう。この衝撃波じゃあ、一般人は近づけない。そう言う意味では、ハフマンド王も竜宮の家臣も、ザザー王の家臣も、強者ばかりだ。誰もその場を動かない。
ドゴン、ドゴンと、殴り合いの音が響く中、モームがザザー王にとって、奇妙な動きをし出した。水中で、輝玉流歩法を使いだした。すり足で前に進む。なかなか退く事の無いこの歩法に、ザザー王が押されているように見える。実際は、攻撃している方がザザー王。受けているのがモームだ。
師匠無茶するなー、それを今、試すんだ
ユウにとって、モームは水魔法の師匠。代わりに輝玉流の基本を教えている。
「何がしたいのだモーム。ええい、流水掌」
ザザー王が、相手をドンと突き放す技を打つ。
ドン
ボフン
本当だったら、モーム一人が後方に飛ばされる技。しかし、ザザー王も後ろに飛ばされた。
すごい、ノックバックだ。師匠完璧な八双です。
しかし、無茶をした分、モームがヘロっとしている。モームは、まだ、相手の技を返すところまでは精進していない。
八双:両手の平を相手に向ける防御の型
ザザー王は、モームが、まだ、発展途上の若者だと悟った。
「面白い。わしをここまで本気にさせた若者はいない」
そう言って、魔法の溜めを始めた。ザザー王の体が、蒼く光る。
ヘロッとしているモームは、これをさせるがままにするしかなかった。
やばい大魔法だ
それが分かっていても、ハフマンド王と家臣、ザザー王の家臣は、歯を食いしばってそこを動かない。二人の戦いを見届ける。
「メガトン沸爆」
モームの周りの水が、いきなり水蒸気爆発を起こした。モームは、これに対し、水蒸気爆発の塊の上部に昇って、そこで、水障壁を展開した。
ズドン
モームが海上に打ち上げられた。体長30メートルの巨体が。海上120メートル飛ばされた。モームの強みは、海上でも通常の様に活動できることだ。モームは、この爆発力を利用した。
「クリスタルヘッド」
モームは、水巨人の頭部をザンクトベルグ家が使う、硬質のクリスタルにして海中のザザー王に突っ込んだ。水抵抗を無視した突進。
「バカめ、貴様らだけが、硬いクリスタルを使えると思うなよ『クリスタルヘッド』」
ザザー王の頭部も、虹彩のにじむクリスタルへと変貌していく。
この時、オタファが、「無茶だ。幾ら硬いクリスタルだって、中身は魚人なんだぞ」と、叫んでいた。オタファは、リリーのフォローで、ユウと並んでいた。
ズド、ズッゴン
大質量の水巨人がぶつかった。この時の衝撃波が尋常ではなかったため、ユウは、おもわず、リリーとオタファを庇って、ジャッジが遅れた。
「両者気絶、両者気絶。この試合、引き分け」
ユウは、こう叫んだのだが、遅かった。両軍は、二人が死んだかもしれない衝撃波を受けて、勝手に体が動いて、二人の戦いの場に走っていた。
「待て、両軍とも待て。まだ試合が終わったと言っていない」
しかし、両軍とも、そんな話を聞いてはいない。自分の王を保護したザザー軍と、モームを保護したハフマンド王陣営が、向かい合ってしまった。
「待てと言っているだろ」と、言う、ユウの声が聞こえないほど、両軍共に睨み合っていた。
この時のハフマンド王の采配が、悪い切っ掛けを産んだ。
「この勝負、引き分けだ。引き分けなら、モームの勝ちだ」
ここで、ザザー軍の副将が、大声上げて反論した。
「我が王は、負けていない。だから、こちらの勝ちだ」
もう、訳の分からない意地の張り合い。海中の戦いにゴングはない。物凄い乱闘になる。この時、ハフマンド王は、モームを ゴーザは、ザザー王を庇って、その場を動かなかった。
「このチビ人魚が」
「大きさが関係ないことを思い知らせてやる」
そんな口喧嘩が、各所で聞かれる。両軍とも、うっぷんがたまっていたのだ。
「まいった。リリー、遥をシャーク船長の船に連れて行ってくれ」
「もう、一人で行きましたよ。シャーク船長たちと、東の海賊をやっつけるんだって言ってました」
海底に上がった戦いの狼煙は、海上にも上がっていた。
「あいつ!! リリーは、遥を止めてくれ。おれは、こっちを止める」
「了解です」
ユウは、近くにいる竜宮と東の戦士を「引き分けだと言っているだろ」と言いながら、片っ端から殴り倒し出した。
「『アイスピック』」
両者同時に、巨大な氷柱を出した。
「『沸っ爆』」
そして、その巨大な氷柱を相手に射出した。二人とも、それを受け止めた。ザザー王は、ひざと肘で挟み込むように。モームは、十字受けから氷柱を海上に逃がすように突き上げた。
― ご主人様ー、今のは何て技ですか
「水魔法に興味を持ったのか、リリー」
― ここに、MCのオタファさんがいるんです。ここに来た皆さんに解説したいそうなんですが、こんなすごい戦い初めてだから、技の名前が知りたいそうなんです
「今のは、ただの氷柱だよ。ツララ」
― もっと詳しくー
「それって、東の海の人たちも聞けるんだろうな」
― そうするそうです
「今決めたんだろ!いいけど」
「『流水昇』」
今度は、下から吹き上げるような水竜巻。これをザザー王は、逆回転の水竜巻でいなし、モームは、順回転の水竜巻で、また海上側に敵の技を打ち上げた。
― ご主人様、なんで、お二人とも同じ技を打ち合っているんですか?
「あのフグのアナウンスをおれにも聞かせろよ。変な風に伝わらないようにしたいからな」
― 了解です
「この私、フグ魚人のオタファが、散財覚悟で、エルフに追加注文したよ。東の海のみんなも聞いてるかい。こんな戦い視るの初めてだろ。我がザンクトベルグコロシアムの主(あるじ)モームの一番弟子が、解説してくれる。みんな聞けー」
「こいつリリーの友達だろ」
― さっき友達になりました。それで?
「二人とも、同じ大きさの水巨人になったものだから、相手の力の探り合いをしているんだよ。ギガント化は、水障壁。つまりシールドの応用なんだ。だからどっちが固いか、逆に柔軟性があるかを確かめてる。硬さでは、ザザー王。柔軟性だとモームが有利。すごい勝負だよ」
「だ、そうだー」
リリーの奴、おれの話そのまんま流したな
― えへへ、オタファさんに追加注文されたエルフって私です。金貨2枚ゲットです
「おまえ」
― 遥さまがやれっていうんです。東の海の人たちと仲よくなるチャンスだそうです
「はー、しかたない」
そうこうしているうちに、二人が時計回りに円を描くように移動しだした。最初は泳いでいたが、次第にスピードが上がり、最後は水障壁を蹴って移動しだした。
この回転移動だけで、巨大な流水が起こり、ギャラリーは、やむなく少し離れたところに移動することになった。よけい、戦いの解説に耳を傾けることになる。
「モーム!」
「ザザー!」
二人の距離は、どんどん縮まっていく。この流水の勢いを利用した両者が激突した。タックルした肩と肩がぶつかり、二人の間の水が海上に吹き上がり、二人は、仰向けに漂うように離れていく。
「何が起きたんだ、ぶつかっただけでこの衝撃波。みんな離れていて正解だったね。それで、これはどんな状態なのかな」
― えっと
「これは、スピードの試しと。ただのタックルだよ。スピードは互角。タックルの衝撃も互角だね。二人とも意識を飛ばしたけど・」
「おおっと、両者とも、もう起き上がった。じわじわ近づいている。どうやらインファイトをする気だ。ザザー王も、モームも魔法が得意なんじゃないのか」
「そうなんだけど、二人とも、まだ周りに気を使っているんだよ」
「あれで!」
「二人が本気で、水竜巻を打ったら、誰かが遠くに流されちゃうよ。だから、インファイト」
「皆さん聞きましたか。本気の水竜巻が来たら逃げてください」
二人がものすごい打ち合いを始めた。
オタファには、悪いけど、この場面は、見逃せない。すごい打ち合いだ。
― ですって
「仕方ない。じゃあ、こっちで何とか解説します。リリーさん、本当に近づいて大丈夫なんですよね」
― 私は、ご主人様の使い魔ですよ。ドンと任せてください
ドン
― ゴホッゴホッ
「ここは、危険を侵します」
― オタファさーん
あの衝撃波、中の本人たちに、強烈に響いていることだろう。この衝撃波じゃあ、一般人は近づけない。そう言う意味では、ハフマンド王も竜宮の家臣も、ザザー王の家臣も、強者ばかりだ。誰もその場を動かない。
ドゴン、ドゴンと、殴り合いの音が響く中、モームがザザー王にとって、奇妙な動きをし出した。水中で、輝玉流歩法を使いだした。すり足で前に進む。なかなか退く事の無いこの歩法に、ザザー王が押されているように見える。実際は、攻撃している方がザザー王。受けているのがモームだ。
師匠無茶するなー、それを今、試すんだ
ユウにとって、モームは水魔法の師匠。代わりに輝玉流の基本を教えている。
「何がしたいのだモーム。ええい、流水掌」
ザザー王が、相手をドンと突き放す技を打つ。
ドン
ボフン
本当だったら、モーム一人が後方に飛ばされる技。しかし、ザザー王も後ろに飛ばされた。
すごい、ノックバックだ。師匠完璧な八双です。
しかし、無茶をした分、モームがヘロっとしている。モームは、まだ、相手の技を返すところまでは精進していない。
八双:両手の平を相手に向ける防御の型
ザザー王は、モームが、まだ、発展途上の若者だと悟った。
「面白い。わしをここまで本気にさせた若者はいない」
そう言って、魔法の溜めを始めた。ザザー王の体が、蒼く光る。
ヘロッとしているモームは、これをさせるがままにするしかなかった。
やばい大魔法だ
それが分かっていても、ハフマンド王と家臣、ザザー王の家臣は、歯を食いしばってそこを動かない。二人の戦いを見届ける。
「メガトン沸爆」
モームの周りの水が、いきなり水蒸気爆発を起こした。モームは、これに対し、水蒸気爆発の塊の上部に昇って、そこで、水障壁を展開した。
ズドン
モームが海上に打ち上げられた。体長30メートルの巨体が。海上120メートル飛ばされた。モームの強みは、海上でも通常の様に活動できることだ。モームは、この爆発力を利用した。
「クリスタルヘッド」
モームは、水巨人の頭部をザンクトベルグ家が使う、硬質のクリスタルにして海中のザザー王に突っ込んだ。水抵抗を無視した突進。
「バカめ、貴様らだけが、硬いクリスタルを使えると思うなよ『クリスタルヘッド』」
ザザー王の頭部も、虹彩のにじむクリスタルへと変貌していく。
この時、オタファが、「無茶だ。幾ら硬いクリスタルだって、中身は魚人なんだぞ」と、叫んでいた。オタファは、リリーのフォローで、ユウと並んでいた。
ズド、ズッゴン
大質量の水巨人がぶつかった。この時の衝撃波が尋常ではなかったため、ユウは、おもわず、リリーとオタファを庇って、ジャッジが遅れた。
「両者気絶、両者気絶。この試合、引き分け」
ユウは、こう叫んだのだが、遅かった。両軍は、二人が死んだかもしれない衝撃波を受けて、勝手に体が動いて、二人の戦いの場に走っていた。
「待て、両軍とも待て。まだ試合が終わったと言っていない」
しかし、両軍とも、そんな話を聞いてはいない。自分の王を保護したザザー軍と、モームを保護したハフマンド王陣営が、向かい合ってしまった。
「待てと言っているだろ」と、言う、ユウの声が聞こえないほど、両軍共に睨み合っていた。
この時のハフマンド王の采配が、悪い切っ掛けを産んだ。
「この勝負、引き分けだ。引き分けなら、モームの勝ちだ」
ここで、ザザー軍の副将が、大声上げて反論した。
「我が王は、負けていない。だから、こちらの勝ちだ」
もう、訳の分からない意地の張り合い。海中の戦いにゴングはない。物凄い乱闘になる。この時、ハフマンド王は、モームを ゴーザは、ザザー王を庇って、その場を動かなかった。
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「もう、一人で行きましたよ。シャーク船長たちと、東の海賊をやっつけるんだって言ってました」
海底に上がった戦いの狼煙は、海上にも上がっていた。
「あいつ!! リリーは、遥を止めてくれ。おれは、こっちを止める」
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