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水の王女シレーヌのゆうつ
やっと試合終了と言えた
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そのころ海中では、収拾のつかない乱闘が続いていた。これを止められるのは、由一、ハフマンド王なのだが、全くその気が無い。家臣の今までたまった「うっぷん晴らしにちょうど良い」と、言わんばかりに豪快に笑っている。その間に負傷者が続出。主に、ユウが、それを大量に出している。ユウにしてみたら、審判の言う事を聞けと、ところかまわず暴れている兵士を敵味方関係なく殴り倒しているところだ。
ある人魚は、海波斬を撃ってしまった。海が割れるような海水によるスラッシュ。ハフマンド王の蒼剣による蒼気斬には及ばないが、遠くのギャラリーに、負傷者が出るような技だ。ユウは、審判としていきり立った。
「バカやろう、周りに迷惑をかけるな」
海波斬を打った人魚は、海波斬を水巨人とはいえ素手で、殴り落とし、その勢いで、相手の巨魚人を殴り上げ、自分も蹴られて観客まで吹っ飛ばされるのを、スローモーションのように見た。つまり、一瞬死を覚悟した。彼は、あれは、人間ではないと感じた。
またある巨魚人は、武器を持っている敵に対して拳に、水魔法の水竜巻を纏わせて、人魚に殴りかかった。この技は危険だ。その人魚が遠くに流されるだけでは済まない。ユウは、モームから教えてもらった、水竜巻を逆回転にして拳にまとわせ巨魚人の拳に、拳をぶつけた。それは、水竜巻の牢獄から抜けるよう、モームに教えられた技だ。本当は、順回転して竜巻の牢獄を螺旋状に抜けるよう教えられた。今回は、水竜巻そのものを消滅させようとした。
ドオン
両者の水竜巻は、対消滅する際に、周りを巻き込んだ。水竜巻と逆水竜巻の倍のエネルギーが交差した。そこに居合わせた者は、水障壁で覆われているユウ以外、水の刃で切り裂かれる散々な怪我をした。
ユウは、「すまん」と、言いながら、双方大人しくなったと別の現場に走る。
今までの失敗から学んだユウは、今度は、丸腰の双方を止めようと中に入った。ところが、仲がよろしいようで、二人とも、ユウを殴って喧嘩を続けようとする。ユウは、元のテンションに戻って、二人を殴り倒すのである。
ギャラリーたちは、すごいものが見れたと大興奮。でも、これが、いつ殺し合いになるのか気が気でない。そこに一つの光明が見えた。ハフマンド王の後から来ていた大海亀に、王妃のミレーネさまと一緒に、シレーヌ姫が乗っていたからだ。
この、大乱闘を見たミレーネ王妃が、近侍の者に、ハウルカ姫を探してきなさいと命令した。一つは、彼女の護衛。もう一つは、ハウルカ姫が持つ、巨大な水魔石を借りるためだ。水魔石は、シレーヌ姫の癒しの歌を拡声する。その鎮静効果と癒し効果で、この場を収めようというのだ。
海の中にいると思ったハウルカ姫は、フグ魚人オタファのガイドで、海上にいることが判明。急いでシャークの海賊船に、ハウルカ姫を迎えに行った。海上は、海底と違い散々な状況。手足の無いかたわが量産されていた。それを癒しているハウルカ姫を発見。ミレーネ王妃の近侍の者は、癒しの魔法との親和性が高いハウルカ姫にも海底の乱闘を止めるために、シレーヌ姫に力を貸してほしいと要請。遥は、あらかた、光の癒しで手足を繋ぎ、後はリリーに任せて近侍の人と一緒にシレーヌ姫の元に行くことになった。
ユウは、焦っていた。こんなことなら、モームに海底での拡声魔法を習っとけばよかったと思う。付け焼刃の空気の中からの叫びでは、近くの人ならともかく、魚人たちにダイレクトに伝わらない。陸の人間が、いくら叫んでも、海の中の者には、ぼやけた音にしか聞こえないのだ。そこで、オタファを探したのだが、オタファは、その時海上に居て見つからない。また、仲裁に入ったつもりの喧嘩で、双方を殴り倒してしまった。
仕方ない。ユウは、また、渾身を込めて叫んだ。
「オタファ、友達になろうぜ」
「いいよ」
ユウは、ぎょっとした。いつの間にかオタファが、すぐ横に居てケロッとした顔をしている。フグ魚人なので、プクっかな。とにかくオタファを見つけた。
「オタファ、力を貸してくれ。こいつらを止めたいんだ。おれの言葉を代弁してくれ」
「いいけど、もう直ぐ、大乱闘は鎮まるさ。シレーヌ姫とハウルカ姫が、癒しの歌を歌ってくれる。みんな、歌を聞いて鎮まるんじゃないか」
「本当か! とにかく、その後でもいいんだ。試合が引き分けになったと言いたいんだよ」
「そうだね。試合の結末は、みんな知りたい。ちょっと待っていようよ」
こいつ、おれより飄々としているな
オタファが戦場に帰って来たのだ。遥は、シレーヌと合流していた。
「ハウルカが一緒に歌ってくれるの!。嬉しいわ」
「私、そんなに歌は・・」
手伝ってくれって、これの事! でも、引き受けた以上断われない。
「私の歌に合わせて共鳴して。慣れたらハモってね」
「う、うん」
鼻歌なら何とか・・・
「手をつなぎましょう。あなたの好きな歌を思い浮かべて。私がそれを歌って見せる」
これが、シレーヌ独特スキル。
遥は生前のアニメ映画ポニョの海の歌を思い浮かべた。それは、男の子と、海の女の子の友情。そして恋。壮大なオペラが、海中にこだました。
あっ、これ歌える
遥は、前世を思い出してシレーヌとユニゾンした。
海中の乱闘が沈静化していく。
シレーヌと遥のつないだ手の中にある水魔石が穏やかな光を放ち、海底を照らす。
海底で倒れている兵士たちが癒されていく。この広範囲の魔法は、海上のケガ人まで癒していく。船上のリリーは一息入れて、歌に聞きほれた。
「もう一曲歌いましょう。もうみんな大丈夫よ」
「ありがと」
今度は、Time to Say。私が前世で最後にしたかったこと。ユウと一緒にここを去る。愛し合う二人の旅立ちの歌。病気になってからは、この歌ばかり聞いていた。
Quando sono sola 一人でいる時
sogno all'orizzonte 水平線を夢見て
e mancan le parole, 言葉を失ってしまう
si lo so che non c'e luce 太陽のない部屋は暗くて
in una stanza quando manca il sole あなたが側にいないと
se non ci sei tu con me, con me. 太陽は消えてしまうの
Su le finestre 全ての窓から
mostra a tutti il mio cuore あなたが勝ち取った
che hai accesso 私の心が広がってゆく
chiudi dentro me 私の中に
la luce che あなたは光を注ぎ込んだの
hai incontrato per strada. 道端で見つけた光を
Time to say goodbye 別れの時が来たわ
Paesi che non ho mai 見たことも
veduto e vissuto con te 行ったこともない場所
adesso si li vivro
Con te partiro 今あなたと共に
su navi per mari 船に乗り海を越えて
che, io lo so 旅立とう
no, no, non esistono piu もうなくなってしまった海を越えて
it's time to say goodbye. 別れの時が来たわ
私は、涙を流しながら、これを歌った。前世への思い。ユウが一緒に居てくれる喜び。いろんなものがごちゃ混ぜになって昇華していく。
歌い終わっと時、ギャラリーからの盛大な拍手とともに、シレーヌから感謝の抱擁を貰った。そして、大乱闘は収まった。彼女ら二人の癒し効果で、ザザー王とモームの意識が戻った。
ユウは、オタファの力を借りて、試合終了の宣言をした。
「この試合、両者気絶により引き分け。両者気絶により引き分け」
これを受けた両軍の兵士たちは、肩の力を抜いた。采配は決した。この試合で、モームが、東の海に行くことはなくなった。
ザザー王は、これを惜しいと思った。モームのところに行って、勇戦をたたえた。
「モームよ。我が家臣にすることはあきらめる。だが、わしの跡継ぎになれ。わしはお前より先に老いる。次はお前がやれ」
巨魚人クジラ種の寿命は長い。知られているだけで100歳。長寿者は、200とも300歳ともいわれている。ザザー王と引き分けた以上、これを断る理由がない。
「その時は、呼んでくだされ。我が一族の名に懸けて」
「聞いたぞ。我が一族の名に懸けて」
ザザー王は、ワハハハと機嫌を直した。
「ハフマンドよ。良い家臣を持ったな」
「自慢の家臣だ」
「近いうちに、そちらに伺おう」
「待っている」
東の大陸棚のこの戦いは、海の民に瞬く間に広がった。海の王たちは、ハフマンドを見直した。その後、ハフマンド王は、外交で多忙を極めることになる。シレーヌは、その間、ビヨンド王子と楽しい時間を過ごすことになった。その後は当然、ビヨンド王子試練の時。その時ユウと遥は遠い空。冥福を、いやいや、ビヨンドの勇戦を祈願した。
ある人魚は、海波斬を撃ってしまった。海が割れるような海水によるスラッシュ。ハフマンド王の蒼剣による蒼気斬には及ばないが、遠くのギャラリーに、負傷者が出るような技だ。ユウは、審判としていきり立った。
「バカやろう、周りに迷惑をかけるな」
海波斬を打った人魚は、海波斬を水巨人とはいえ素手で、殴り落とし、その勢いで、相手の巨魚人を殴り上げ、自分も蹴られて観客まで吹っ飛ばされるのを、スローモーションのように見た。つまり、一瞬死を覚悟した。彼は、あれは、人間ではないと感じた。
またある巨魚人は、武器を持っている敵に対して拳に、水魔法の水竜巻を纏わせて、人魚に殴りかかった。この技は危険だ。その人魚が遠くに流されるだけでは済まない。ユウは、モームから教えてもらった、水竜巻を逆回転にして拳にまとわせ巨魚人の拳に、拳をぶつけた。それは、水竜巻の牢獄から抜けるよう、モームに教えられた技だ。本当は、順回転して竜巻の牢獄を螺旋状に抜けるよう教えられた。今回は、水竜巻そのものを消滅させようとした。
ドオン
両者の水竜巻は、対消滅する際に、周りを巻き込んだ。水竜巻と逆水竜巻の倍のエネルギーが交差した。そこに居合わせた者は、水障壁で覆われているユウ以外、水の刃で切り裂かれる散々な怪我をした。
ユウは、「すまん」と、言いながら、双方大人しくなったと別の現場に走る。
今までの失敗から学んだユウは、今度は、丸腰の双方を止めようと中に入った。ところが、仲がよろしいようで、二人とも、ユウを殴って喧嘩を続けようとする。ユウは、元のテンションに戻って、二人を殴り倒すのである。
ギャラリーたちは、すごいものが見れたと大興奮。でも、これが、いつ殺し合いになるのか気が気でない。そこに一つの光明が見えた。ハフマンド王の後から来ていた大海亀に、王妃のミレーネさまと一緒に、シレーヌ姫が乗っていたからだ。
この、大乱闘を見たミレーネ王妃が、近侍の者に、ハウルカ姫を探してきなさいと命令した。一つは、彼女の護衛。もう一つは、ハウルカ姫が持つ、巨大な水魔石を借りるためだ。水魔石は、シレーヌ姫の癒しの歌を拡声する。その鎮静効果と癒し効果で、この場を収めようというのだ。
海の中にいると思ったハウルカ姫は、フグ魚人オタファのガイドで、海上にいることが判明。急いでシャークの海賊船に、ハウルカ姫を迎えに行った。海上は、海底と違い散々な状況。手足の無いかたわが量産されていた。それを癒しているハウルカ姫を発見。ミレーネ王妃の近侍の者は、癒しの魔法との親和性が高いハウルカ姫にも海底の乱闘を止めるために、シレーヌ姫に力を貸してほしいと要請。遥は、あらかた、光の癒しで手足を繋ぎ、後はリリーに任せて近侍の人と一緒にシレーヌ姫の元に行くことになった。
ユウは、焦っていた。こんなことなら、モームに海底での拡声魔法を習っとけばよかったと思う。付け焼刃の空気の中からの叫びでは、近くの人ならともかく、魚人たちにダイレクトに伝わらない。陸の人間が、いくら叫んでも、海の中の者には、ぼやけた音にしか聞こえないのだ。そこで、オタファを探したのだが、オタファは、その時海上に居て見つからない。また、仲裁に入ったつもりの喧嘩で、双方を殴り倒してしまった。
仕方ない。ユウは、また、渾身を込めて叫んだ。
「オタファ、友達になろうぜ」
「いいよ」
ユウは、ぎょっとした。いつの間にかオタファが、すぐ横に居てケロッとした顔をしている。フグ魚人なので、プクっかな。とにかくオタファを見つけた。
「オタファ、力を貸してくれ。こいつらを止めたいんだ。おれの言葉を代弁してくれ」
「いいけど、もう直ぐ、大乱闘は鎮まるさ。シレーヌ姫とハウルカ姫が、癒しの歌を歌ってくれる。みんな、歌を聞いて鎮まるんじゃないか」
「本当か! とにかく、その後でもいいんだ。試合が引き分けになったと言いたいんだよ」
「そうだね。試合の結末は、みんな知りたい。ちょっと待っていようよ」
こいつ、おれより飄々としているな
オタファが戦場に帰って来たのだ。遥は、シレーヌと合流していた。
「ハウルカが一緒に歌ってくれるの!。嬉しいわ」
「私、そんなに歌は・・」
手伝ってくれって、これの事! でも、引き受けた以上断われない。
「私の歌に合わせて共鳴して。慣れたらハモってね」
「う、うん」
鼻歌なら何とか・・・
「手をつなぎましょう。あなたの好きな歌を思い浮かべて。私がそれを歌って見せる」
これが、シレーヌ独特スキル。
遥は生前のアニメ映画ポニョの海の歌を思い浮かべた。それは、男の子と、海の女の子の友情。そして恋。壮大なオペラが、海中にこだました。
あっ、これ歌える
遥は、前世を思い出してシレーヌとユニゾンした。
海中の乱闘が沈静化していく。
シレーヌと遥のつないだ手の中にある水魔石が穏やかな光を放ち、海底を照らす。
海底で倒れている兵士たちが癒されていく。この広範囲の魔法は、海上のケガ人まで癒していく。船上のリリーは一息入れて、歌に聞きほれた。
「もう一曲歌いましょう。もうみんな大丈夫よ」
「ありがと」
今度は、Time to Say。私が前世で最後にしたかったこと。ユウと一緒にここを去る。愛し合う二人の旅立ちの歌。病気になってからは、この歌ばかり聞いていた。
Quando sono sola 一人でいる時
sogno all'orizzonte 水平線を夢見て
e mancan le parole, 言葉を失ってしまう
si lo so che non c'e luce 太陽のない部屋は暗くて
in una stanza quando manca il sole あなたが側にいないと
se non ci sei tu con me, con me. 太陽は消えてしまうの
Su le finestre 全ての窓から
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che hai accesso 私の心が広がってゆく
chiudi dentro me 私の中に
la luce che あなたは光を注ぎ込んだの
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che, io lo so 旅立とう
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it's time to say goodbye. 別れの時が来たわ
私は、涙を流しながら、これを歌った。前世への思い。ユウが一緒に居てくれる喜び。いろんなものがごちゃ混ぜになって昇華していく。
歌い終わっと時、ギャラリーからの盛大な拍手とともに、シレーヌから感謝の抱擁を貰った。そして、大乱闘は収まった。彼女ら二人の癒し効果で、ザザー王とモームの意識が戻った。
ユウは、オタファの力を借りて、試合終了の宣言をした。
「この試合、両者気絶により引き分け。両者気絶により引き分け」
これを受けた両軍の兵士たちは、肩の力を抜いた。采配は決した。この試合で、モームが、東の海に行くことはなくなった。
ザザー王は、これを惜しいと思った。モームのところに行って、勇戦をたたえた。
「モームよ。我が家臣にすることはあきらめる。だが、わしの跡継ぎになれ。わしはお前より先に老いる。次はお前がやれ」
巨魚人クジラ種の寿命は長い。知られているだけで100歳。長寿者は、200とも300歳ともいわれている。ザザー王と引き分けた以上、これを断る理由がない。
「その時は、呼んでくだされ。我が一族の名に懸けて」
「聞いたぞ。我が一族の名に懸けて」
ザザー王は、ワハハハと機嫌を直した。
「ハフマンドよ。良い家臣を持ったな」
「自慢の家臣だ」
「近いうちに、そちらに伺おう」
「待っている」
東の大陸棚のこの戦いは、海の民に瞬く間に広がった。海の王たちは、ハフマンドを見直した。その後、ハフマンド王は、外交で多忙を極めることになる。シレーヌは、その間、ビヨンド王子と楽しい時間を過ごすことになった。その後は当然、ビヨンド王子試練の時。その時ユウと遥は遠い空。冥福を、いやいや、ビヨンドの勇戦を祈願した。
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