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04 新・暴れん坊令嬢
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※新春に放映された『新・暴れん坊将軍』に似た設定なので、リスペクトタイトル(笑)※
王都からフェラルドが帰って、半月ほど経過した。
エリーシアの父親であるフェラルドは、バルドという役職がら、半月は領内に居て、半月は王都のタウンハウスから城へ通う生活を繰り返している。
もうすぐ、再び王都へ出向かわなくてはならない。
フェラルドが領内に居る時は、毎朝行われているエリーシアの診断にも立ち会う程の心配のしようだ。
母親のセリナは、身仕度が間に合わないとの理由で、立ち合わない。
いや、立ち合えないと言うべきか?
女の身仕度は時間が掛かり、貴族は身内であろうと、見苦しい姿を見せる訳にはいかないのだ。
「体調は、回復してきているのだな?社交界に出られないのであれば、エリーシアの将来にも関わってくる。そうなれば、他にも手を尽くさねばならない」
「今は未だ難しいですが、御無理をなさらなければ、その頃には支障無いかと」
「御父様、ダンスも長く踊れる様になりましたし、先生のお薬のお陰で、咳も減ってきてますから」
娘を心配する父親に医師が朗報を伝え、当の娘が肯定する事で、父親は安堵の表情を見せた。
普通の貴族ならば『我が家の将来』と言うだろう所だが、この父親にとっては、家名よりも娘が心配になってきている。
「エリーシアが言うなら信用するが、急変する様なら城へ使者を走らせるのだぞ!王命があろうと駆け付けるからな」
フェラルドは執務の為に、今日これから王都へ向かわねばならなかった。
「御無理をなさって御自身が先立たれる様な事はなさらないで下さいまし。御父様が居なければ私は悲しゅうございます」
エリーシア誕生の時も、無理をして死にかけたのだ。娘も、父親の脚の原因を、人伝に聞いているに違いない。
「わ、分かっておるとも・・・」
そう返事をしつつも、父親であるフェラルドには、無理をしない自信は無かったが。
「御母様も、幼少期には風邪をめされていたとか?」
エリーシアのアイコンタクトに、母の乳母であり現在はメイド長のマリアナが、一瞬戸惑いはしたが、無言で頷いた。
「その御母様が、今は御元気なのですから心配は無用なのでしょう。もっとも、あの流行病以後は、流石に体調を崩される事がある様ですが。ねぇ、先生」
「そ、そうですね。御嬢様程ではないにしろ、夜中に体調を崩された事が何度もございました」
エリーシアの意図をくんで、医師のオーベルが説明をする。
【体調を崩された】が、病気によるか性的欲求不満かは、あえて明言してはいない。
「確かに親から子へと、同じ病気に対する抵抗力の弱さが引き継がれる事は学会でも認められております」
彼女は、医者と母親との逢瀬を自分の【病気】と関連付けて、双方を正当化しようとしているのだ。
医師のオーベルは、それを理解して話を続けた。
だが確かに、親から子供へと遺伝する【発病確率の高さ】は実在する。
癌になりやすい体質、糖尿病や高血圧や低血圧体質など様々だ。
流行り病であるインフルエンザも、血液型による感染比率の違いが報告されている。
そして、特に呼吸器系の疾患は夜間に悪化する事が確かに多い。
オーベル医師の説明に嘘は無いが、この母娘には当てはまらない事を告げていないだけだ。
その後、侍従長に急かされながらも、後ろ髪を引かれる思いで王都行きの馬車に詰め込まれたフェラルドは、いつまでも領邸の方をみているのだった。
医療室に戻ったオーベルは、甥であり助手でもあるカナンに睨まれていた。
「エリーシア様の容態は、見習いである私でも分かります。ましてやセリナ夫人が疾患を持っていた話や症状など、聞いた事も無いのですが?」
「お前は分かってないな。患者が【具合いが悪い】と言えば、肉体的疾患が無くとも【具合いが悪い】のだ。我々医者は、病気や怪我の判別と治療をするのも仕事だが、【患者の具合いが悪い原因】を突き止める事も、時には必要となる」
「・・・・・」
この世界には、いまだに精神科は存在せず、医師が兼ねる必要があったりする。
「御嬢様が『具合いが悪い』とおっしゃるならば、『具合いが悪くないと都合が悪い事がある』のだと察しろ。例えば御嬢様が『カラスは白い』とおっしゃるならば旦那様は同意する。なので、我々が否定する方が問題なのだ」
この家で一番権力が有るのはアノ御嬢様である事は、助手のカナンも把握していた。
「それに御嬢様は、我々とセリナ夫人の夜の関係も御存知で、口を閉じていらっしゃる。だから、御嬢様が『カラスは白い』とおっしゃるのであれば、それに話を合わせるのが、我々の生き残る道なのだ」
バルドの家に仕える事は、ステータスでもあり収入も高額だ。
だが、一旦敵に回せば問答無用で無礼討ちされ、汚名だけが残る。
「ここに来てから感じていた、叔父貴の不可解な行動の理由が、やっと腑に落ちたよ。医者って思ってたより心労があるんだな」
「『医者の不養生』って言うだろう?実は肉体的な面だけじゃ無いって事だ」
二人っきりの医療室に、乾いた笑いが流れていた。
◆◆◆◆◆
夕方になり、やや暗くなった頃に、普段着の上から使用人用のフード付きコートを羽織ったエリーシアが、一人で屋敷の通用口から出てきた。
「今日の部屋番は?」
『護衛はリリアナ、使用人はサリーでございます』
近くの暗闇から返事が帰ってくる。
「なら、大丈夫ね」
『御嬢様の事は、五人の【影】が御守りしています』
使用人は勿論、分家筋の護衛も、エリーシア担当の者は全員の弱味を彼女は握っている。
その為に、彼女は数年掛けて身の回りの者を観察し続けたのだ。
唯一、エリーシアが気に掛ける父親は、王都へ出かけて不在なので、彼女を咎める者は少ない。
そして、一人で外出している様に見えるエリーシアにも、数名の護衛が見えない様に付いていた。
『先見隊は?』
『小隊編成で展開済みです』
エリーシアに気を使わせない為に言わずにいたが、実際には五人ではなく十数名の【影】が総動員で護衛している。
彼等【影】は、例え留守中の館が何者に襲われて、全員死亡しようとも、御嬢様だけを守る事を優先するのだ。
『御嬢様は、何をなさりに出掛けるのだろう?』
『環境が整ったから、運動の為に散歩をなさるそうだ』
【影】達にも、エリーシアの行動理由がよく分からない様だった。
『環境とは、メイド達の事だろうか?しかし、街中へ単身で出られるのは危険ではないか?方法を変える様に意見具申するのが家臣の勤めでは?』
『違うな。主の身を守り、行動の障害を取り除くのが【影】の一番の仕事だ』
主の行動に理解が及ばなくとも、身を呈して守るのが最重要と、彼等は叩き込まれている。
『あの御嬢様だ。御嬢様には御嬢様の考えがあっての事だろう』
『確かに、あの御嬢様が無駄に散歩をなさる訳がないな』
【影】達は、納得して再び闇へと消えていった。
「この時間でも、繁華街は問題無さそうね」
屋敷の周辺にある商店街を、買い物籠を下げて歩きながら、エリーシアは人波を眺めていた。
商人や町民の他に、下級貴族の使用人らしき姿も見受けられる。
「こんな外面だけ見ても、領地の事は分からないわね」
エリーシアは、家庭教師に教わった周辺地図を思いだし、区画が小さく入り組んだ場所を目指した。
勉強では明言はされなかったが、【スラム】と呼ばれる場所だと思ったのだ。
めっきり人の数も減り、路上でうずくまる姿も見えてきた。
「工房地域や農村は兎も角、賭博場や娼館などの歓楽街、奴隷市場なんかは、どうやって潜り込もうかしら?」
十歳で大人の体格に近付いているとは言え、女使用人がうろつく場所では無い地域が、領地内には存在する。
また、こんなスラムでも住民宅に入り込んで観察する事や、話を聞く事は、貴族の使用人としても有り得ない事と言えるだろう。
「何とか方法・・と言うか、伝を探さないと、外出しても無駄になるわね」
百聞は一見にしかず。
【影】や、弱味を握っている使用人に調べさせれば、知りたい情報は手に入るが、彼女としては生きた情報を知りたかったのだ。
外出初日にしては幸運な事に、その【伝】は向こうから彼女の方にやって来た。
王都からフェラルドが帰って、半月ほど経過した。
エリーシアの父親であるフェラルドは、バルドという役職がら、半月は領内に居て、半月は王都のタウンハウスから城へ通う生活を繰り返している。
もうすぐ、再び王都へ出向かわなくてはならない。
フェラルドが領内に居る時は、毎朝行われているエリーシアの診断にも立ち会う程の心配のしようだ。
母親のセリナは、身仕度が間に合わないとの理由で、立ち合わない。
いや、立ち合えないと言うべきか?
女の身仕度は時間が掛かり、貴族は身内であろうと、見苦しい姿を見せる訳にはいかないのだ。
「体調は、回復してきているのだな?社交界に出られないのであれば、エリーシアの将来にも関わってくる。そうなれば、他にも手を尽くさねばならない」
「今は未だ難しいですが、御無理をなさらなければ、その頃には支障無いかと」
「御父様、ダンスも長く踊れる様になりましたし、先生のお薬のお陰で、咳も減ってきてますから」
娘を心配する父親に医師が朗報を伝え、当の娘が肯定する事で、父親は安堵の表情を見せた。
普通の貴族ならば『我が家の将来』と言うだろう所だが、この父親にとっては、家名よりも娘が心配になってきている。
「エリーシアが言うなら信用するが、急変する様なら城へ使者を走らせるのだぞ!王命があろうと駆け付けるからな」
フェラルドは執務の為に、今日これから王都へ向かわねばならなかった。
「御無理をなさって御自身が先立たれる様な事はなさらないで下さいまし。御父様が居なければ私は悲しゅうございます」
エリーシア誕生の時も、無理をして死にかけたのだ。娘も、父親の脚の原因を、人伝に聞いているに違いない。
「わ、分かっておるとも・・・」
そう返事をしつつも、父親であるフェラルドには、無理をしない自信は無かったが。
「御母様も、幼少期には風邪をめされていたとか?」
エリーシアのアイコンタクトに、母の乳母であり現在はメイド長のマリアナが、一瞬戸惑いはしたが、無言で頷いた。
「その御母様が、今は御元気なのですから心配は無用なのでしょう。もっとも、あの流行病以後は、流石に体調を崩される事がある様ですが。ねぇ、先生」
「そ、そうですね。御嬢様程ではないにしろ、夜中に体調を崩された事が何度もございました」
エリーシアの意図をくんで、医師のオーベルが説明をする。
【体調を崩された】が、病気によるか性的欲求不満かは、あえて明言してはいない。
「確かに親から子へと、同じ病気に対する抵抗力の弱さが引き継がれる事は学会でも認められております」
彼女は、医者と母親との逢瀬を自分の【病気】と関連付けて、双方を正当化しようとしているのだ。
医師のオーベルは、それを理解して話を続けた。
だが確かに、親から子供へと遺伝する【発病確率の高さ】は実在する。
癌になりやすい体質、糖尿病や高血圧や低血圧体質など様々だ。
流行り病であるインフルエンザも、血液型による感染比率の違いが報告されている。
そして、特に呼吸器系の疾患は夜間に悪化する事が確かに多い。
オーベル医師の説明に嘘は無いが、この母娘には当てはまらない事を告げていないだけだ。
その後、侍従長に急かされながらも、後ろ髪を引かれる思いで王都行きの馬車に詰め込まれたフェラルドは、いつまでも領邸の方をみているのだった。
医療室に戻ったオーベルは、甥であり助手でもあるカナンに睨まれていた。
「エリーシア様の容態は、見習いである私でも分かります。ましてやセリナ夫人が疾患を持っていた話や症状など、聞いた事も無いのですが?」
「お前は分かってないな。患者が【具合いが悪い】と言えば、肉体的疾患が無くとも【具合いが悪い】のだ。我々医者は、病気や怪我の判別と治療をするのも仕事だが、【患者の具合いが悪い原因】を突き止める事も、時には必要となる」
「・・・・・」
この世界には、いまだに精神科は存在せず、医師が兼ねる必要があったりする。
「御嬢様が『具合いが悪い』とおっしゃるならば、『具合いが悪くないと都合が悪い事がある』のだと察しろ。例えば御嬢様が『カラスは白い』とおっしゃるならば旦那様は同意する。なので、我々が否定する方が問題なのだ」
この家で一番権力が有るのはアノ御嬢様である事は、助手のカナンも把握していた。
「それに御嬢様は、我々とセリナ夫人の夜の関係も御存知で、口を閉じていらっしゃる。だから、御嬢様が『カラスは白い』とおっしゃるのであれば、それに話を合わせるのが、我々の生き残る道なのだ」
バルドの家に仕える事は、ステータスでもあり収入も高額だ。
だが、一旦敵に回せば問答無用で無礼討ちされ、汚名だけが残る。
「ここに来てから感じていた、叔父貴の不可解な行動の理由が、やっと腑に落ちたよ。医者って思ってたより心労があるんだな」
「『医者の不養生』って言うだろう?実は肉体的な面だけじゃ無いって事だ」
二人っきりの医療室に、乾いた笑いが流れていた。
◆◆◆◆◆
夕方になり、やや暗くなった頃に、普段着の上から使用人用のフード付きコートを羽織ったエリーシアが、一人で屋敷の通用口から出てきた。
「今日の部屋番は?」
『護衛はリリアナ、使用人はサリーでございます』
近くの暗闇から返事が帰ってくる。
「なら、大丈夫ね」
『御嬢様の事は、五人の【影】が御守りしています』
使用人は勿論、分家筋の護衛も、エリーシア担当の者は全員の弱味を彼女は握っている。
その為に、彼女は数年掛けて身の回りの者を観察し続けたのだ。
唯一、エリーシアが気に掛ける父親は、王都へ出かけて不在なので、彼女を咎める者は少ない。
そして、一人で外出している様に見えるエリーシアにも、数名の護衛が見えない様に付いていた。
『先見隊は?』
『小隊編成で展開済みです』
エリーシアに気を使わせない為に言わずにいたが、実際には五人ではなく十数名の【影】が総動員で護衛している。
彼等【影】は、例え留守中の館が何者に襲われて、全員死亡しようとも、御嬢様だけを守る事を優先するのだ。
『御嬢様は、何をなさりに出掛けるのだろう?』
『環境が整ったから、運動の為に散歩をなさるそうだ』
【影】達にも、エリーシアの行動理由がよく分からない様だった。
『環境とは、メイド達の事だろうか?しかし、街中へ単身で出られるのは危険ではないか?方法を変える様に意見具申するのが家臣の勤めでは?』
『違うな。主の身を守り、行動の障害を取り除くのが【影】の一番の仕事だ』
主の行動に理解が及ばなくとも、身を呈して守るのが最重要と、彼等は叩き込まれている。
『あの御嬢様だ。御嬢様には御嬢様の考えがあっての事だろう』
『確かに、あの御嬢様が無駄に散歩をなさる訳がないな』
【影】達は、納得して再び闇へと消えていった。
「この時間でも、繁華街は問題無さそうね」
屋敷の周辺にある商店街を、買い物籠を下げて歩きながら、エリーシアは人波を眺めていた。
商人や町民の他に、下級貴族の使用人らしき姿も見受けられる。
「こんな外面だけ見ても、領地の事は分からないわね」
エリーシアは、家庭教師に教わった周辺地図を思いだし、区画が小さく入り組んだ場所を目指した。
勉強では明言はされなかったが、【スラム】と呼ばれる場所だと思ったのだ。
めっきり人の数も減り、路上でうずくまる姿も見えてきた。
「工房地域や農村は兎も角、賭博場や娼館などの歓楽街、奴隷市場なんかは、どうやって潜り込もうかしら?」
十歳で大人の体格に近付いているとは言え、女使用人がうろつく場所では無い地域が、領地内には存在する。
また、こんなスラムでも住民宅に入り込んで観察する事や、話を聞く事は、貴族の使用人としても有り得ない事と言えるだろう。
「何とか方法・・と言うか、伝を探さないと、外出しても無駄になるわね」
百聞は一見にしかず。
【影】や、弱味を握っている使用人に調べさせれば、知りたい情報は手に入るが、彼女としては生きた情報を知りたかったのだ。
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