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32 周囲の対応
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エリーシアの側仕えとして同行していたマリアナは、トライアン王子が同意して部屋に籠った段階で決意した。
「(これが巧くいけばバルド・ノウルは安泰。セリナ様も、その付き人として来た私達も無事で居られるわ)」
エリーシアは何度となく命を狙われており、彼女が死ねばフェラルドは失脚して関係者も総入れ替えになるだろう。
そして旧関係者の粛清。
御嬢様の乳母でもある彼女には家族も有るので、そう簡単には【逃げる】という選択肢を選べないのだ。
「部屋を出たら、お前達が『エリーシア嬢が王子のお手付きになってしまった』と、其々の親に報告し、呼び出された我等が肯定すれば。縁組みが組まれるだろう」
「(王子様が、マリアナ達のすべき事を明確に指示して下さった。 エリーシア様も頷いていらっしゃる)」
主の為に先んじて行動するのが配下の役割りなのだが、明確に指示された方が齟齬が無くて助かるのだ。
「「承知致しました」」
彼女は、王子の側近であるグレアム様と声を揃えた。
マリアナとしては懸念がなくなった訳ではない。
権力が増す分だけ敵が増えるのは貴族に限った事ではない。
「御嬢様、末席に墜ちるバルドから、御成婚前に何か仕掛けてくるかも知れません」
あえて、王子にも聞こえる様に口に出した。
「その様な事は、こちらで手を回しましょう」
王子の側近であるグレアム様は有能らしい。
バルドの力に王子の手勢が加われば、勝機はこちらにある。
彼と連絡を密にする方法をマリアナは考える事にしたのだった。
◆◆◆◆◆
「この方に騎士団長は向かない」
それはグレアムだけでなく、当人も認識している事だった。
どんなに学んでも、練習をしても、向き不向きという物がある。
不向きでも、本人が望んでいれば手助けするのが配下の務めだが、第三王子であるトライアン殿下はソウでは無い様だった。
「これからエリーシア嬢と密談がある。グレアム、共に来い。他は入室してはならない」
バルコニーでバルド・ノウルのエリーシア嬢と話した後の命令は予想外のものだった。
「(密談?僅な配下だけ引き連れて未婚女性と部屋に籠るなど、変な噂が立つのではないか?下手をすれば妾取らねばならなくなる)」
「グレアム。我はエリーシア嬢に心奪われ我慢がならぬ。お前には事の証人になってもらう」
王子である殿下に女性の好みというものが有るのかは分からない。
だが、二言三言交わしたたけで【心奪われた】とはならないだろう。
「(確か、エリーシア嬢はノウルの跡継ぎで婿養子を取らねばならないと聞いている・・・・そうか!)御意。では、騎士団長ではなくバルド・ノウルにお成りなのですね」
「お前は理解が早くて助かる」
バルド最下位で地位の向上を望むノウルの令嬢と騎士団長になりたくない殿下の、利害関係が一致したのだろうとグレアムは察知した。
「(殿下が騎士団長になったら、私も前線に出されて命を落とすかも知れない。これは全力でバルド・ノウルへの婿入りを御手伝いしなければ)」
グレアム自身も三男坊で、家から出なくてはならない立場だった。
王族と違って、貴族の家で軍を率いるのは四男以下だが、グレアムも武芸が達者な方では無かったのだ。
三男であった事が幸いして王子の側近を命じられ、宮仕えができると思っていたのに、【騎士団長の部下】では、望まぬ戦場行きとなってしまうところだったのだ。
「(これまで以上に頑張らねば!先ずは将軍達やバルドと繋りのある者を排除して・・)」
グレアム・ジークスの生涯で一番忙しい日々が始まるのだった。
◆◆◆◆◆
第三王子トライアンとノウル令嬢エリーシアの密会は、その夜のうちに噂になっていた。
メイドの口を塞ぐ事は不可能に近い。
パーティが終わる頃には、全てのバルドと付き添いが知るに至った。
「これはもう、有耶無耶にはできんな」
翌朝に二人は、それぞれの親に呼び出されていた。
「バルド・ノウルの令嬢に手を出してしまったと言うのは本当か?」
「おっしゃる通りでございます陛下。誠に申し訳ありませんでした。彼女と偶然にバルコニーで出逢い、話しているうちに欲情が抑えられなくなってしまいました」
「・・・・・そうなのか・・」
国王ウイリアム・アーバン・リアリントが、グレアム・ジークスに視線を送ると、彼は苦い顔をしながら頷いた。
事前に暗部に調べさせたが、あらましは報告の通りだった。
密会の後に退出した二人は、衣服や髪が多少変わっていたと、外で控えていた側仕えからも聞いている。
「なんという事をしてくれたのだ」
国王は眉間に皺を寄せて傾けた頭を手で支えた。
若いうちは、欲情が抑えられない事は多々ある。
ましてや王族に生まれていれば下位の者は思い通りになると思い勝ちなので、増長する事が多い。
かくいうウイリアムも若い頃にメイドに手を出した記憶がある。
大抵の相手ならば褒美や地位を与えて、無かった事にできる。
王族のお手付きを配下に下賜する事はあっても、それが今回の様にバルド令嬢ともなると話しが違うのだ。
「確か、エリーシア嬢はフェラルドの一人娘だったな?妻に召し上げる事もできないではないか!」
フェラルド・バルド・ノウルに、エリーシア以外の後継者が居ない事を、国王も知っていた。
バルド末席と言えど、彼の首をすげ替えると少なからず騒動となる。
南の隣国が隙を狙っている昨今に、世情が不安定になるのは不味い。
加えて、既に内定していた令嬢達との縁談を思い出して、国王は頭を抱えた。
「誠に、わたくしの不徳といたすところでございますが、こればかりは責任を取らなければ王家の威厳に傷がつくと存じます」
更には、バルドに対する対応を蔑ろにした前列を作れば、それは他のバルドにも行われると判断され、バルドからの協力を得られにくくなるだけではなく、バルド台頭による王位の略奪すら起きかねない。
バルドは王族の親戚筋に当たり、王位継承位を持っているのだから。
王と言えど、行いが悪ければバルドにとって代わられる。
地位のピラミッドは、下位の者に支えられてこそ、上に君臨できるのだ。
「トライアンは下がってよい。おって命じるであろうが、それまで謹慎しておれ」
「御意」
トライアンが部屋から下がった後に、国王ウイリアムの元に宰相が歩み寄った。
「何とか手は無いものか?」
「陛下。やはり、婿養子に出す他ないと存じます」
トライアンの婚約には、多くの貢ぎ物が事前に送られてきている。
その中にはバルド・サズズの物もある。
予定ではサズズの末娘の婿養子になる筈だったが、既成事実ができてしまっては致し方ない。
「バルド・サズズには、倍の贈答をして対応するしかございません。場合によっては姫様の一人を輿入れするしかないでしょう」
「そうだな」
実の親子であるが、権力者の子女は取り引きの【駒】でしかない。
皇太子以外は、そういった扱いになる。
かつては皇太子だったウイリアムは【駒】を使う教育は受けているが、【駒】にされる者の気持ちなど分からないのだ。
それが実の兄弟姉妹であっても。
「しかたがない。バルド・ノウルを呼べ。トライアンを婿に出す方向で話をすすめる」
「承知致しました」
国王ウイリアムは大きく頭を左右に振った。
◆◆◆◆◆
さて、フェラルド・バルド・ノウルの方は、娘に確認を取れないでいた。
「相手が王族ならば拒む事もできなかっただろう。それなりの教育はしてきた筈だが、心に大きな傷を残していなければ良いが・・・」
普通の貴族ならば、娘は政治的取り引きの道具でしかないが、エリーシアの場合はひと粒種の後継者なので、感情移入が並の父と娘に近かった。
「無理矢理の体験でなければ良いが」
娘の心身も心配だったが、この様な時の対応は分からなかったし、下手に問い詰めて自害でもしようものなら、バルド・ノウルの未来は暗いし、王族に対する不敬とされかねない。
「御嬢様も同意の逢瀬だった様ですよ」
「そうなのか?沈み込んではいないか?」
「いいえ。むしろ喜んでいらっしゃる様です」
マリアナが告げるエリーシアの様子は最悪の状況では無い様なので、フェラルドは胸を撫で下ろす。
だが、声を掛けると余分な事まで口にしそうだったので、会うのを控えることにした。
まぁ、普通に考えれば、よほど性悪な王子でない限り、結ばれるのは女性の夢と言えるだろう。
「本当に大丈夫なのだな?それなら良いのだが・・・」
娘の身の心配と、王家への対応が頭の中で渦巻いて、婚姻の事を失念していたフェラルドが、トライアン王子の婿養子問題に気が付くのは、王家からの呼び出しがあってからの事となるのだった。
「(これが巧くいけばバルド・ノウルは安泰。セリナ様も、その付き人として来た私達も無事で居られるわ)」
エリーシアは何度となく命を狙われており、彼女が死ねばフェラルドは失脚して関係者も総入れ替えになるだろう。
そして旧関係者の粛清。
御嬢様の乳母でもある彼女には家族も有るので、そう簡単には【逃げる】という選択肢を選べないのだ。
「部屋を出たら、お前達が『エリーシア嬢が王子のお手付きになってしまった』と、其々の親に報告し、呼び出された我等が肯定すれば。縁組みが組まれるだろう」
「(王子様が、マリアナ達のすべき事を明確に指示して下さった。 エリーシア様も頷いていらっしゃる)」
主の為に先んじて行動するのが配下の役割りなのだが、明確に指示された方が齟齬が無くて助かるのだ。
「「承知致しました」」
彼女は、王子の側近であるグレアム様と声を揃えた。
マリアナとしては懸念がなくなった訳ではない。
権力が増す分だけ敵が増えるのは貴族に限った事ではない。
「御嬢様、末席に墜ちるバルドから、御成婚前に何か仕掛けてくるかも知れません」
あえて、王子にも聞こえる様に口に出した。
「その様な事は、こちらで手を回しましょう」
王子の側近であるグレアム様は有能らしい。
バルドの力に王子の手勢が加われば、勝機はこちらにある。
彼と連絡を密にする方法をマリアナは考える事にしたのだった。
◆◆◆◆◆
「この方に騎士団長は向かない」
それはグレアムだけでなく、当人も認識している事だった。
どんなに学んでも、練習をしても、向き不向きという物がある。
不向きでも、本人が望んでいれば手助けするのが配下の務めだが、第三王子であるトライアン殿下はソウでは無い様だった。
「これからエリーシア嬢と密談がある。グレアム、共に来い。他は入室してはならない」
バルコニーでバルド・ノウルのエリーシア嬢と話した後の命令は予想外のものだった。
「(密談?僅な配下だけ引き連れて未婚女性と部屋に籠るなど、変な噂が立つのではないか?下手をすれば妾取らねばならなくなる)」
「グレアム。我はエリーシア嬢に心奪われ我慢がならぬ。お前には事の証人になってもらう」
王子である殿下に女性の好みというものが有るのかは分からない。
だが、二言三言交わしたたけで【心奪われた】とはならないだろう。
「(確か、エリーシア嬢はノウルの跡継ぎで婿養子を取らねばならないと聞いている・・・・そうか!)御意。では、騎士団長ではなくバルド・ノウルにお成りなのですね」
「お前は理解が早くて助かる」
バルド最下位で地位の向上を望むノウルの令嬢と騎士団長になりたくない殿下の、利害関係が一致したのだろうとグレアムは察知した。
「(殿下が騎士団長になったら、私も前線に出されて命を落とすかも知れない。これは全力でバルド・ノウルへの婿入りを御手伝いしなければ)」
グレアム自身も三男坊で、家から出なくてはならない立場だった。
王族と違って、貴族の家で軍を率いるのは四男以下だが、グレアムも武芸が達者な方では無かったのだ。
三男であった事が幸いして王子の側近を命じられ、宮仕えができると思っていたのに、【騎士団長の部下】では、望まぬ戦場行きとなってしまうところだったのだ。
「(これまで以上に頑張らねば!先ずは将軍達やバルドと繋りのある者を排除して・・)」
グレアム・ジークスの生涯で一番忙しい日々が始まるのだった。
◆◆◆◆◆
第三王子トライアンとノウル令嬢エリーシアの密会は、その夜のうちに噂になっていた。
メイドの口を塞ぐ事は不可能に近い。
パーティが終わる頃には、全てのバルドと付き添いが知るに至った。
「これはもう、有耶無耶にはできんな」
翌朝に二人は、それぞれの親に呼び出されていた。
「バルド・ノウルの令嬢に手を出してしまったと言うのは本当か?」
「おっしゃる通りでございます陛下。誠に申し訳ありませんでした。彼女と偶然にバルコニーで出逢い、話しているうちに欲情が抑えられなくなってしまいました」
「・・・・・そうなのか・・」
国王ウイリアム・アーバン・リアリントが、グレアム・ジークスに視線を送ると、彼は苦い顔をしながら頷いた。
事前に暗部に調べさせたが、あらましは報告の通りだった。
密会の後に退出した二人は、衣服や髪が多少変わっていたと、外で控えていた側仕えからも聞いている。
「なんという事をしてくれたのだ」
国王は眉間に皺を寄せて傾けた頭を手で支えた。
若いうちは、欲情が抑えられない事は多々ある。
ましてや王族に生まれていれば下位の者は思い通りになると思い勝ちなので、増長する事が多い。
かくいうウイリアムも若い頃にメイドに手を出した記憶がある。
大抵の相手ならば褒美や地位を与えて、無かった事にできる。
王族のお手付きを配下に下賜する事はあっても、それが今回の様にバルド令嬢ともなると話しが違うのだ。
「確か、エリーシア嬢はフェラルドの一人娘だったな?妻に召し上げる事もできないではないか!」
フェラルド・バルド・ノウルに、エリーシア以外の後継者が居ない事を、国王も知っていた。
バルド末席と言えど、彼の首をすげ替えると少なからず騒動となる。
南の隣国が隙を狙っている昨今に、世情が不安定になるのは不味い。
加えて、既に内定していた令嬢達との縁談を思い出して、国王は頭を抱えた。
「誠に、わたくしの不徳といたすところでございますが、こればかりは責任を取らなければ王家の威厳に傷がつくと存じます」
更には、バルドに対する対応を蔑ろにした前列を作れば、それは他のバルドにも行われると判断され、バルドからの協力を得られにくくなるだけではなく、バルド台頭による王位の略奪すら起きかねない。
バルドは王族の親戚筋に当たり、王位継承位を持っているのだから。
王と言えど、行いが悪ければバルドにとって代わられる。
地位のピラミッドは、下位の者に支えられてこそ、上に君臨できるのだ。
「トライアンは下がってよい。おって命じるであろうが、それまで謹慎しておれ」
「御意」
トライアンが部屋から下がった後に、国王ウイリアムの元に宰相が歩み寄った。
「何とか手は無いものか?」
「陛下。やはり、婿養子に出す他ないと存じます」
トライアンの婚約には、多くの貢ぎ物が事前に送られてきている。
その中にはバルド・サズズの物もある。
予定ではサズズの末娘の婿養子になる筈だったが、既成事実ができてしまっては致し方ない。
「バルド・サズズには、倍の贈答をして対応するしかございません。場合によっては姫様の一人を輿入れするしかないでしょう」
「そうだな」
実の親子であるが、権力者の子女は取り引きの【駒】でしかない。
皇太子以外は、そういった扱いになる。
かつては皇太子だったウイリアムは【駒】を使う教育は受けているが、【駒】にされる者の気持ちなど分からないのだ。
それが実の兄弟姉妹であっても。
「しかたがない。バルド・ノウルを呼べ。トライアンを婿に出す方向で話をすすめる」
「承知致しました」
国王ウイリアムは大きく頭を左右に振った。
◆◆◆◆◆
さて、フェラルド・バルド・ノウルの方は、娘に確認を取れないでいた。
「相手が王族ならば拒む事もできなかっただろう。それなりの教育はしてきた筈だが、心に大きな傷を残していなければ良いが・・・」
普通の貴族ならば、娘は政治的取り引きの道具でしかないが、エリーシアの場合はひと粒種の後継者なので、感情移入が並の父と娘に近かった。
「無理矢理の体験でなければ良いが」
娘の心身も心配だったが、この様な時の対応は分からなかったし、下手に問い詰めて自害でもしようものなら、バルド・ノウルの未来は暗いし、王族に対する不敬とされかねない。
「御嬢様も同意の逢瀬だった様ですよ」
「そうなのか?沈み込んではいないか?」
「いいえ。むしろ喜んでいらっしゃる様です」
マリアナが告げるエリーシアの様子は最悪の状況では無い様なので、フェラルドは胸を撫で下ろす。
だが、声を掛けると余分な事まで口にしそうだったので、会うのを控えることにした。
まぁ、普通に考えれば、よほど性悪な王子でない限り、結ばれるのは女性の夢と言えるだろう。
「本当に大丈夫なのだな?それなら良いのだが・・・」
娘の身の心配と、王家への対応が頭の中で渦巻いて、婚姻の事を失念していたフェラルドが、トライアン王子の婿養子問題に気が付くのは、王家からの呼び出しがあってからの事となるのだった。
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